アレクサンドロス大王: 世界征服者の虚像と実像 (講談社選書メチエ 197)
- 講談社 (2000年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062581974
感想・レビュー・書評
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とても詳しく書いてあるので、読み物というより、研究論文を読んでいる気になりました。今では、一人の人間が、ここまで影響力をもつということは考え難いけど、昔はあったのかな?
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「弱冠25歳で大国ペルシアを征服。33歳、その早すぎる死は稀代の英雄を神話化した。「完全無欠の軍事的天才にして、高邁なる東西文明融合の推進者」。年代記作家たちが綴る大王像はどこまで信頼できるのか。綿密な原典批判により2300年前の事績を徹底検証し、「世界征服者」の実像に迫る。
目次
第1章 東方遠征への道
第2章 グラニコスの会戦―緒戦の勝利
第3章 イッソスの会戦―天下分け目の戦い
第4章 ガウガメラの会戦―ペルシア帝国の崩壊
第5章 ダレイオスの虚像と実像
第6章 東方政策をとらえなおす -
アレクサンドロスの、将軍としての側面と東方政策に焦点を当てた一冊。
特に、グラニコス、イッソス、ガウガメラの三大会戦にそれぞれ一章ずつ割いて、詳細に分析しており、戦史好きにはたまらないかもしれない。
本書の特徴としては、史料批判を徹底的に行うこと。
アレクサンドロスのことを伝える史書は、この時代の人物にしてはかなり現存しているのだが、それがかえって彼の人物像を理想化しすぎて、事実が見えにくくなっている部分がある。
原典のそれぞれの作者のおかれた立場や、依拠した伝承をたぐり、アレクサンドロスの事実に近づいて行こうという姿勢が全編を貫いている。
日本人でほぼ唯一、アレクサンドロスを専門に研究している学者の本であり、アレクサンドロスのことを学ぶのに避けて通れない一冊。 -
アレクサンドロス大王の実像と虚像と題し、中世英雄絵巻のモデルともなった彼の姿を実資料をもとに丁寧に考察、かれの若気の至りとも言うべき短絡的な所業や、判断ミスなども解説される。しかし、世界征服者としてのかれの実像に、もう少し多面的な視点から解説されれば良かったように思う。