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- / ISBN・EAN: 9784062582513
感想・レビュー・書評
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精神分析医ジャック・ラカンの思考の軌跡を哲学寄りで概説した本だった。
後半6分の1くらい、うわあ全然わかんないと呟きつつ活字をたどっていたら、いきなりエピローグが、「風が吹いている。」とか始まって笑った。終わんないでよ。
相変わらず「4つのディスクール」、つまり「主人のディスクール」、「大学のディスクール」、「ヒステリーのディスクール」、「分析家のディスクール」はいまいち理解できず、性別化の図式とあっては奇妙な論理式が現れ、男性側からの図式はなんとかわかったけど、女性側からの図式は意味不明。
とはいえ理解が深まった部分もあった。
ラカンがエディプス・コンプレックスを図式化したグラフ(トポロジーにおいての)は、どうも二段ロケット式になっているとみればいいらしい。
一段目は、最初の大他者(A)としての「母」(=シニフィアンの宝庫)との間の想像的ループ。
「跳躍」を経て、上段のループで「父」が関与してくる。
比較的わかりやすいところではデカルトとパスカルの比較が面白かった。大文字の他者の典型としての「神」の取り扱いについて。
デカルトは「我思う、ゆえに我あり」と書きそれに知の根拠を求めたが、肝心の真理の真理たるゆえんは神に「転嫁」している。この機制はまた、近代科学の出発点でもある。
対してパスカルは、人間の有限性のほうにこそ焦点をあて、神の計りがたさこそを恐れる。彼は「確率」や「期待値」を発明した数学者でもあり、「神は存在するかしないかわからない。しかし、神が存在する方に賭けた方が結局は有利である」としてまるでギャンブルみたいに神の存在を論じている。
とくに興味深かったのは、パスカルの「真空恐怖」。真空は神の不在のしるしとなりうるかもしれず、彼が行った真空実験の動機にパスカルの神経症的傾向を見たラカンの指摘。
それにしてもまさか、シニフィアンの連鎖を説明する上で、黄金比まで持ち出されるとは。。わかる。わかるけど、心が折れそうになる。
ひとまずフロイトの精神分析理論に戻りつつ、新宮一成の「ラカンの精神分析」でも再読しようか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生き延びるためのラカンに比べ難解に感じて読みにくかった。
内容にそれほど被りがないように思う。
ラカンと一言で言っても広く、入門でも作者によって、だいぶ紹介内容が違うのかもしれない。 -
すごくわかりやすい!面白かった。
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