ミシシッピ=アメリカを生んだ大河 (講談社選書メチエ)

  • 講談社
3.75
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062583381

作品紹介・あらすじ

ミシシッピはアメリカという林檎を貫く「芯」である。ニューオーリンズの情熱的なクレオール文化。デルタの苛酷な環境が生んだブルース。公民権運動の舞台メンフィス。NYや西海岸を見てもわからない、アメリカの歴史と文化の本質を探る四〇〇〇キロ縦断の旅。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふむ

  • アメリカ全土の地図を眺めると、ほぼ真ん中を縦に走る亀裂のように存在するのがミシシッピ川だ。

    著者曰く、アメリカ東海岸と西海岸は話題に上る事が多いが、ミシシッピ川周辺で起こった事柄もアメリカ史を語る上で重要である。むしろ「アメリカの心臓部」と呼ぶべき地域であると。

    流域面積でいけば、アマゾン川、コンゴ川に次ぐ世界第三位のミシシッピ川は、曲がりくねりの厳しい部分があったり、川底の深さもまちまちだったりする難敵である。探検の時代から、水上交通に必要な船の研究、橋の建設などの開発史から話は始まる。

    次に、ジャズの発祥地ニューオーリンズや、ブルースの重要地域であるデルタ地帯を詳説。

    南北戦争や、奴隷解放の歴史を交えて、マーク・トゥエインやフイッツジェラルドといったアメリカ文学の柱となる作家たちの話。他にも興味深いアメリカの歴史が語られている。

    私は黒人音楽が好きなので、ニューオーリンズやミシシッピ・デルタ、更にはメンフィスやシカゴの音楽史におけるポジションは興味はあり、ある程度ミシシッピ川の存在意義とともに理解はしている。本書によって、更にその興味の範囲は広げられた感じだ。

  • ミシシッピ川流域を中心にアメリカの歴史や文化を紐解く本です。僕はジャズやブルース、そしてロックンロールといったアメリカの偉大な文化に興味があり、アメリカの歴史を学べばよりそういった文化に共感することができるのではないかと思い手にしました。その目論見はとても当たりました!同じように古いアメリカ音楽が好きな方はとても楽しめると思います。

  • ミシシッピ川を中心に、文化や自然などさまざまな切り口から、アメリカ大陸を紐解く、非常に分かりやすくて興味深い一冊。国の誕生した経緯やその頃の様子、大自然やそこから発生した文化などが的確にまとめられている。後からやってきた人間が身勝手に踏み荒らした歴史や、その後の摩擦、周辺の町から生まれた作家やミュージシャンの紹介も。

  • アメリカ南部・中部についての概括的な知識を得る上で役に立った。

  • ニューオーリンズはすでに平均して海面下240cmである。1世紀前、海岸線までの80km続く湿原によってハリケーンから守られていた。湿原がハリケーンと高潮の衝撃を吸収していた。今は湿原の幅が35kmしかなく、しかも縮小しつつある。手だては川の流れを変えて湿原をよみがえらせることである。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

ジェームス・M・バーダマン早稲田大学名誉教授。 1947年アメリカ・テネシー州生まれ。プリンストン神学校教育専攻、修士。ハワイ大学大学院アジア研究専攻、修士。 専門はアメリカ文化史。 著書に『毎日の英文法』『地図で読むアメリカ』(朝日新聞出版)、『日英対訳 世界に紹介したい日本の100人』(山川出版社)、『アメリカ黒人史』『英語の処方箋』(ちくま新書)、『ネイティブが教える 日本人が絶対間違える英語大全』(KADOKAWA)、『3つの基本ルール+αで英語の冠詞はここまで簡単になる』(アルク)、『英語でお悔やみ申し上げます‐冠婚葬祭・非常時の英語表現』(ベレ出版)など多数。 )

「2023年 『アメリカ国籍取得テストでアメリカの一般教養と英語を学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジェームス・M・バーダマンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×