楊貴妃になりたかった男たち <衣服の妖怪>の文化誌 (講談社選書メチエ)
- 講談社 (2007年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062583794
感想・レビュー・書評
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今も昔も、女装する男性、男装する女性というのはいるものです。しかし中国ではこのような“男女の服装倒錯”は陰陽を侵す「服妖」であり、世の中を乱す原因としてさげすまれてきました。本書は様々な事情によって「服妖」を侵してしまった人々をおもしろおかしく紹介した中国文化論です。読んでみると、「服妖」を侵す原因は今とあまり変わらない、男装の女性は軍隊などの男性社会で生き抜くためというのが多かったようですが、女装の男性は「性同一性障害」や女子トイレや女性の部屋に忍び込むため、単なる趣味、おかまバー等々今でもよく目にする?光景です(結婚詐欺のための女装は近年ではさすがに見ませんが・・・)。作者の北海道大学教授武田雅哉先生はこのブクログでもすでに2回取り上げさせていただいてますが、「がちがち」で「取っつきにくい」と思われがちな中国文化を、実は親しみやすい、大変面白い文化であるということを啓蒙し続けいている先生です。先生の本を読めば、中国文化への偏見をもっていた目から鱗が落ちること受けあいです。
※ただ、中身と表題「楊貴妃になりたかった男たち」があまり合っていなかったのが、期待していた中身と違っていたので残念でした。しかし、面白いのは間違いありません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(後で書きます。注と参考文献リストあり)
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2007-00-00
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マンションで読む。
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マジメな本ですが、くだけた表現で読みやすいです。
男色ネタもありますが、少ないですかね。
テーマはあくまでも「異性装」 -
語り口が面白い。こういう緯糸の引き方をすると、中国の深淵なる怪奇がダイナミックに伝わってくる。服妖、ねぇ…確かに、苦々しげに語ってきた著述家たちの筆による服妖は、みなその生を謳歌しているのであった…