トクヴィル 平等と不平等の理論家 (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062583893

作品紹介・あらすじ

「デモクラシーこそは歴史の未来である」。誕生間もないアメリカ社会にトクヴィルが見いだしたのは、合衆国という特殊性を超えた、歴史の「必然」としての平等化だった。「平等化」をキーワードに、その思想の今日的意義を甦らせる。

感想・レビュー・書評

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  • 2016/06/29

  • 第1章 青年トクヴィル、アメリカに旅立つ(生まれた時代と家庭環境;知的遍歴;『デモクラシー』執筆まで)
    第2章 平等と不平等の理論家(平等化とは何か;平等社会のダイナミズム;平等社会の両義性)
    第3章 トクヴィルの見たアメリカ(アメリカを論じるということ;政治的社会としてのアメリカ;宗教社会としてのアメリカ)
    第4章 「デモクラシー」の自己変革能力(結社;宗教;自治と陪審)
    結び トクヴィルの今日的意義

    第29回サントリー学芸賞・思想・歴史部門
    著者:宇野重規(1967-、東京都、政治学)

  • 中川八洋によるとトックヴィルは、デモクラシーを批判し、平等の禍毒を説き、アリストクラシー(伝統/慣習/権威/偏見)への回帰を説いた正統の哲学者である(ベスト5に入っている)。しかし、筆者のトクヴィル解釈は真逆である。トクヴィルは平等化を歴史の必然とし、そこへ至る困難さを「多数の圧政」と指摘したに過ぎない(中川氏はそこを過大評価したのか?)。デモクラシーを機能させるため、一人一人が他者を尊重しながら、合意形成をしていくことの大切さ(164ページ)。まるで朝日新聞が主張しそうな、政治的に正しい意見だ。

  • トクヴィルのデモクラシー論が綺麗に整理されている感じ。自由が平等化された人々は、それぞれ決して強い存在ではなく、多数という権威を必要とする。その悪弊に陥らないために、結社と宗教の役割に価値を見出す。

  • トクヴィルが『アメリカのデモクラシー』を執筆した背景から掘り起こしつつ、トクヴィルの思想が持つ今日的意義を明らかにしようとしている。
    本書の課題としては、1)トクヴィルの思想は、近代社会の特質を「デモクラシー」という概念を通じて包括的に説明するグランド・セオリーとして読まれるべきものであることを主張する、2)トクヴィルは、「デモクラシー」社会の特質と、アメリカ社会の特質とを区別しようとしていたことを確認する、3)トクヴィルが未来の社会構想のために、いかなるヴィジョンを提示しているのかを明らかにするということが挙げられている。
    本書では、トクヴィルが、「平等化」を「デモクラシー」の基本的事実として捉えていたことが強調されている。そして、その「平等化」の特質は、他者と自分を同質のものとみなし、社会のヒエラルキーや秩序を自明のものでなくさせる「想像力の変質」にあると指摘する。平等社会だからこそ、人々は些細な不平等にも不満を持つようになる。また、平等化が進んだデモクラシー社会では、貴族など特定の個人が権威を持つことはなくなり、「同等者の総体」(=多数者の意見)が権威を持つようになるという。
    トクヴィルは、「デモクラシー」社会の内的な脆弱性を問題と捉え、それを補完するために、「デモクラシー」社会の中に、結社や宗教など、「デモクラシー」とは異質な原理を組み込んでいくこと、また、「デモクラシー」自身の持つ潜在力を全面的に開花させることが必要と考えていた。著者は、前者よりも後者を重視しており、そこに本書の特色があるが、「「デモクラシー」自身の持つ潜在力を全面的に開花させること」の具体的内容については、いまいちよくわからなかった。むしろ、「デモクラシー」とは異質な要素を「デモクラシー」社会に組み込んでいくことが必要という考え方がストンと胸に落ちた。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784062583893

  • トクヴィルが想定している個人は決して強くない。自己利益を犠牲にしてまで公共の利益に献身する「徳」を期待していない。それでも多様な他者と出会い、互いを尊重しながら合意を形成していく過程で、各個人の個別の問題と社会との結びつきを再確認し、現在を超えた長期的な視点を獲得していく。この「デモクラシー」のダイナミズムは今日の社会でも生き続けていると思うし、さらに活性化させなければならない。

  • たぶんとてもわかりやすいけれど、小さく収まっている感じがしてあまりぐっとこなかった。

  • デモクラシーは近代革命以前、理想的な政治体系として認識されていたわけでは「なく」、基本的には、多数決の暴力を引き起こす「野蛮」なものとされてきた。トクヴィルはそのような状況に一石を投じたといえる。

    民主主義=個人主義は、自身の個を尊重するのと同時に――当然のことだが――「他人の個(=他人の権利)」を認めなければ成立し得ない。必然的に「個」は横並びになる。結果、「特定の個」は認められないが「顔のみえない個の集団」の力は認められるようになる。実際、トクヴィルが訪れた時代のアメリカ人は(正しくはイギリス系アメリカ人は)、万人が平等に力を持つことを良しとした。他の諸個人と利害が発生する場合には「相互調整」をすることにした。それは――多分に「同調圧力」の危険性を孕んでいる――

    トクヴィルは、アメリカのデモクラシーは、その脆弱性を補完し得るものが備わっていると考える。
    まず1つは「結社」の存在。異質性を培養する機関。多数派による圧政や国家による権力乱用から、個が身を守るための機関の充実。
    もう1つは「宗教」の存在。現在のみにしか関心が向きがちなデモクラシー社会に対して「時間」を提示するシステム。「過去から続く習俗、未来への感覚」を提示するシステム。

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著者プロフィール

宇野重規(うの しげき)
1967年、東京都生まれの研究者。東京大学社会科学研究所教授。専門は政治思想史、政治哲学。
1991年東京大学法学部卒業。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。著書に、『デモクラシーを生きる―─トクヴィルにおける政治の再発見』(創文社、1998年)、『政治哲学へ―─現代フランスとの対話』(東京大学出版会、2004年)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社選書メチエ、2007年)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波 新書、2010年)、『民主主義のつくり方』(筑摩選書、2013年)、『西洋政治思想史』(有斐閣、2013年)、『政治哲学的考察―─リベラルとソーシャルの間』(岩波書店、2016年)、『保守主義とは何か―─反フランス革命から現代日本まで』(中公新書、2016年)ほか。
近刊に、『未来をはじめる』(東京大学出版会、2018年)。

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