『正法眼蔵』を読む 存在するとはどういうことか (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 74
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584173

作品紹介・あらすじ

われわれはどのように存在しているのか-人間存在根本の問いに『眼蔵』はいかに答えるか。ヨーロッパ現代思想も凌駕する画期的思想書に気鋭の禅僧が己の実在を賭けて挑む、現代人のための入門書にして決定版。

感想・レビュー・書評

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  •  久し振りに目を皿のようにして読んだ本。書き出し部分がタカピーな感じだったのでそのままうっちゃっていたが、気を取り直して読み始めた。
     確固たる本質のようなものが自分を離れたところに存在するとと考えてはならない。存在とか意味というものは彼我との間でその一瞬一瞬に生起されるものであり、何かしら永遠不変のものが独立してあるのではない。否、その「彼我」という概念ですら、対象が我を差し置いた存在としているが、それは誤った知見である。この一瞬一瞬の生起のことを著者は「縁」という言葉で表す。
     著者の解釈が全て正しいのかどうかは分からない。そぉ〜か〜?と首を捻る箇所も部分的になかったわけではない。
     それでも、「存在とは縁と縁の触れ合いによるものであり、固定したものの見方をしてはならない、山が歩くということもあり得るのだ」という指摘には背中がぞくぞくした。
     二十代の頃に正法眼蔵に一通り目を通したことはあるが、何一つ分からなかった。
     この本により「万物進みてこれを証する」という意味がやっと分かった気になれた。
     躓き躓き行きつ戻りつしながら読み終えるのに一ヶ月以上も掛かってしまったが、それだけの価値はある。

  • 『正法眼蔵』を、フッサールやハイデガーのものの捉え方を手がかりに読み解いたもの、という印象。仏教のものの見方の肝である「縁起」を軸にブレない読み解きを展開する。勉強になった。

  • 「Aは,それ自体に実体があるから存在しているのではなく,非Aとの関係するから存在している。」という「縁起」の考え方によって道元禅師『正法眼蔵』を解釈した本。
    良い意味で入門書ではなく,仏教の基本的な知識が必要。
    特に「因果」に関する部分は難解。
    何度も読み返して「問い」を繰り返したい本。

  • 正法眼蔵の訳書、解説書は数多あり、また巻数も多くなかなか手を出せないでいたが、偶然とは言え、手に取ったのが本書で良かったと思う。何割理解できたかと問われれば答えに窮するが、一言で言うなれば「腑に落ちた」。以降、南氏の著作が続く。

    再読201704
    p29 (私訳) 諸法(我々が認識する一切を)の仏法なる時説(仏の目で見る=仏の言葉で言うなれば)、すなわち迷悟あり〜(「ある」が「在る」と同時に「なし」が「在る」=世俗諦)。万法ともに〜(この「在る」の世界から脱出するならば)、まどいなくさとりなく〜(こうした我々を誤らせる「在る」の世界が消滅する)。仏道もとより〜ゆえに(仏道はこの「ある/なし」が在る世界から出たもの(対岸にあるもの)であるから)、生滅あり〜(生/滅〜を外から見ている=勝義諦)。しかもかくのごとくなりと〜(そうは言えど、惜しまれつつ散るものを花と呼び、望まれず繁茂するものを草と呼ぶ)。
    p31 机という関係の定型化は、それ以外の型の排除=「机として使おうとする主体(私)の働きかけ(期待)」と読みたい

  • とりあえずあと2回くらい読まないとよく理解できなさそう。
    もうちょっと年とったら読み返そうかな。

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著者プロフィール

禅僧。福井県霊泉寺住職、青森県恐山菩提寺院代(住職代理)。早稲田大学第一文学部卒業後、大手百貨店勤務を経て1984年に曹洞宗で出家得度。約20年の修行生活ののち、2005年より現職。著書『語る禅僧』(ちくま文庫)、『自分をみつめる禅問答』(角川ソフィア文庫)、『「正法眼蔵」を読む』(講談社選書メチエ)、『なぜこんなに生きにくいのか』(新潮文庫)『恐山 死者のいる場所』(新潮新書)『善の根拠』(講談社現代新書)、『禅と福音』(春秋社)、『「悟り」は開けない』(ベスト新書)他多数。

「2017年 『死と生 恐山至高対談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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