日本語は論理的である (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584456

作品紹介・あらすじ

日本語は特殊でも非論理的でもない!人工知能研究と脳科学の知見を武器に、形骸化した学校文法からは見えなかった、日本語の論理がもつ普遍性と特徴を、非常に明快に解説。返す刀で、小学校での英語教育の根源的問題点を突く。理系と文系を架橋する、まったく新しい角度からの日本語論。

感想・レビュー・書評

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  • 2022-12-09
    日本語の論理(形式論理)と英語の論理(述語論理)の違いには納得。現代日本語には英語の論理がかなり混ざりこんでいるのだなあ。
    前著「日本人の脳には主語はいらない」同様、脳科学的視点からも自説を主張するのは刺激的。
    だけど、後半の教育会への提言は少々直截すぎると感じた。主張には賛成だが、この書き方だと「小学校英語教育反対」ありきで書かれたように見えてしまう。
    文章って難しいなあ

  • 明治時代以来、森有礼、志賀直哉、尾崎行雄ら有名人からも「日本語は論理的でない」と論じられてきたが、日本語が論理的であることを、論理的に証明を試みた学術論文的な書。
    著者は、理工系の学者であり専門的すぎる部分もあるが、簡潔明瞭に論理を展開しており、理路整然と淡々と日本語が論理的であることを証明しており、読み進めやすく説得力がある。読み始めたときには、日本語が論理的であろうが非論理的であろうが、たいした問題ではないと感じていたが、日本語が非論理的であると多く人が主張してきたことから、日本語がここわずか100年足らずで大きく変化し特に英語化していること、及びそれに関連して日本における国語教育が不適切なために、日本語が崩壊しかけていること、学生が日本語を適切に使えないこと、特に文書作成能力が極めて低いことを挙げ、読者に警鐘を鳴らしている。私は、小学生からの英語教育に賛成であったが、本書を読んでからは英語教育以上に日本語教育が重要であることを強く感じさせられた。

  • 工学系の人工脳の研究者である筆者が、論理とは何か、そのうえで日本語について、論理があることをまとめた本である。

    内容としては、日本語の非論理論や特殊論の紹介、論理とは比喩の形式であり、形式論理が重要であることを解説し、論理学の初歩も使って説明している。その上で日本語が論理がないと言われる原因の1つは、学校での文法(主語ー述語)にあり、今は日本語を学ぶ人使わないにも関わらず、文科省は今だ変えていないとしている。最終章では母音を含めて、小学校での英語教育の反対論を展開している。

    感想としては、工学部の人工知能研究の方らしい論理展開で、多くの資料の紹介等で納得できる点が多かった。言語学の方面の知見も読んでみたいと思った。

  • 本書は、知能情報学・人工知能・言語学を専攻する工学博士が2009年に刊行した、日本語の論理について独自の研究を解説した本。
     著者の主張の一つは「母音の比重が大きい言語は主語や人称代名詞を省略しやすい。日本語も然り。」である。この仮説の実証が待たれるが、私が生きてるうちにはないだろうという気もする。
     さて本書の基本テーマは、日本語の論理性の高さについて。議論の妥当性については私の手に負えないので割愛します。日本語に興味があればとても面白い本。『日本人の脳に主語はいらない』ほど(細かい議論が)ブッ飛んでいないし……。

  • もっとも印象深いところは,国語文法教育の問題である.文法については学会等ではもはや論外となっている内容が学校で教えられているとしている.これは自分の受けた授業でもそうであった記憶がある.あるべき姿への修正が必要であろう.

  • いまさならながら、「が」と「は」の使い分け、日本語の枠組みを認識。

  • 池田信夫blog(09,07,29)

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著者プロフィール

東京電機大教授

「2022年 『ロボットのこころ POD版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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