自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治 (講談社選書メチエ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584562

作品紹介・あらすじ

第二次世界大戦前夜の一九三〇年代の日本では、軍ファシズムと自由主義と社会主義の三つ巴の中で大論争が行われていた。既成政党=民政党と政友会が掲げる「自由」「反軍反ファッショ」に、「経済的平等」を掲げて真っ向から挑んだ無産政党=社会大衆党。平和が担保する「自由主義」か、社会底辺層までも救い上げる「社会主義」か。「昭和デモクラシー」と名づけ得る、思想の対立相克。

感想・レビュー・書評

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  • 忘れられてきた「対立相克」(坂野潤治)
    反ファッショか格差是正か(坂野潤治)
    民政党の二つの民主主義(田村裕美)
    「革命」と「転向者」たちの昭和(北村公子)
    「大正デモクラシー」と「昭和デモクラシー」(坂野潤治)

    著者:坂野潤治(1937-、横浜市、日本史)、田村裕美、北村公子

  •  自由と平等は親戚関係と思いがちな視点、当時の社会主義をファシズムの同調者とする戦後日本史学の視点、本書ではいずれも否定している。自由(自由主義)対平等(社会主義)の対立をテーマとしつつも、これにファシズムを加えた三つ巴の対立、自由主義の既成政党(政友会と民政党)対社会大衆党、日本ファッショ(政友会と皇道派)対合法ファッショ(統制派と新官僚と社会主義)、民政党内での自由重視派と平等重視派、と様相は実に複雑である。門外漢にはそれほどメジャーではない個々人の思想を取り上げているため内容は細かかったが、とにかく複雑であったことは理解できた。

  • 共書。戦前の思想を考察し、当時の「自由(≒自由主義)」と「平等(≒社会主義)」をどう両立させようとしたか、或いはどのような選択・比重の置き方をしたかを通して、民主主義を問い直そうと試みている。民政党の永井柳太郎は原敬への罵倒(?)ばかりが有名な気がしていたので第二章(「民政党の二つの民主主義」)は彼の思想に興味を持つきっかけに。
    そして読みやすさに定評のある選書メチエ^^

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著者プロフィール

一九三七年神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会科学研究所教授、千葉大学法経学部教授を経て、現在は東京大学名誉教授。専攻は日本近代政治史。主な著書に、『明治憲法体制の確立』『日本憲政史』(以上、東京大学出版会)、『帝国と立憲』(筑摩書房)、『昭和史の決定的瞬間』『未完の明治維新』『日本近代史』(以上、ちくま新書)、『近代日本の国家構想』(岩波現代文庫)、『〈階級〉の日本近代史』(講談社選書メチエ)、講談社現代新書に『明治維新1858-1881』(共著)、『西郷隆盛と明治維新』などがある。

「2018年 『近代日本の構造 同盟と格差』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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