完全解読 カント『純粋理性批判』 (講談社選書メチエ)

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本棚登録 : 97
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584623

感想・レビュー・書評

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  • 『純粋理性批判』のテクスト全体をわかりやすく要約するとともに、随所に著者自身による「章末解説」が置かれており、その要所が解説されています。

    ときおり、著者自身の実存的立場からカント哲学の意義を解釈している個所が含まれており、注意が必要です。たとえば著者は、カントの認識論が「実践的関心」を背景にもっており、「「善く生きたい」というわれわれの生の意欲こそ、世界とは何であるか、という認識の問いを支えている」と述べています。しかしこれは、認識論的なディスクールをエロス論的なディスクールに基礎づけることをめざす著者自身の欲望論の観点からカントの認識論をとらえなおしたものと考えるべきだと思います。

    カントは認識批判によって独断的形而上学をしりぞけるとともに、純粋理性の領域に関する問いを、理論的認識から実践的認識へと転換しました。このことによってカントは、善悪無記の自然的世界を超え出て、われわれの自由に基づいた行為が「善い行為」であるのか、それとも「悪い行為」であるのかということを評価することを可能にしている超越論的な領野を切り開くことになりました。著者はこの事態を、世界の客観的なありようを認識することから、エロスの享受をめがけるわれわれの生の意欲へと視線を向け変えることだととらえ返し、みずからの立場からカント哲学の新たな意義を見いだそうとしているように思われます。

    著者の強みは、専門家にはとうていなしえないような達意平明の言葉で初心者を哲学的な問いの中核にまで連れ出してくれるところにあるのではないかと個人的には思っています。著者のフッサール解釈が専門家の目から見て誤りを含んだものであろうとも、著者の本の意義はけっして失われることがないのは、そうした理由によるはずです。しかし本書は、カント自身の議論にできるだけそくして解説しようとした結果なのでしょうが、けっして読みやすい文章とはいえないように感じます。

  • うおお難しい!哲学は書いてあることがちょっとでもわかんないと先に進めないから困る。カント先生は立派ですけど私はしばらく哲学はいいです!

  • 一回読んだけど難しくてなかなか理解できなかったw

  • ヘーゲル「精神現象学」もそうだったけれど、この完全解読シリーズは相当に難しくて、多少の誤解が混ざっても普通の入門書から入った方がいいと思う。

著者プロフィール

1947年生まれ。哲学者。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学国際教養学部教授。主な著書に、『プラトン入門』、『言語的思考へ』、『人間的自由の条件』、『完全解読 カント『純粋理性批判』』、『完全解読 フッサール『現象学の理念』』ほか多数。

「2017年 『ハイデガー入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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