意識は実在しない 心・知覚・自由 (講談社選書メチエ)

著者 : 河野哲也
  • 講談社 (2011年7月12日発売)
3.59
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  • 本棚登録 :89
  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062585064

作品紹介・あらすじ

心は身体の中に閉じ込められてはいない。知覚は脳に投影されるものではない。そして、自由とは知覚する世界を探索することである-。心の哲学やアフォーダンス理論、認知科学、脳性まひと自閉症の当事者研究などの最新の知見が、私たちの世界の見方を根本的に刷新する。

意識は実在しない 心・知覚・自由 (講談社選書メチエ)の感想・レビュー・書評

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  • これはなかなかの読み応え。パースとギブソンを読んでからもう一度読みに戻ってこようとぞ思ふ。

  • 研究用に読んだ本。1章をしっかり読んであとは流した。
    「拡張された心」概念が参考になる。


    ◯1章
    ・拡張された心・・・心は環境とのインタラクションにより成立する
     ・単純な計算であっても筆記、電卓など外部の環境を用いる
     ・暗算・・・最初は外部から得た計算法や音を出して覚えたり、そもそも言語が外部から習得したもの
     ←・図書館環境実験の理論づけに関連しうるか

    ・身体⇔脳の関係。脳の一方的な制御ではない。この辺は自分の前提知識とも合致

    ・脳マッピング系の研究に対する批判。「創造力」を脳のどこが担うかを研究するとして、「創造力」とは社会との関係の中で実現されるもので一人で発揮した能力が「創造」かはわからない
     ←・これは定義のしようでなんとかなりそうな気もする
     ←・自分の場合はマッピングがしたいわけではないからいいか? いや、でも、特定の気分に関する用語なんかもこの範疇か・・・?


    ◯2章:クオリア
    ・p.120 「情報は、発信するものと受信するものを、受信するものの知覚と行動の循環システムに組み込む機会を与える」

  • アフォーダンス理論やアクターネットワーク理論などを援用して「頭の中の劇場」としての意識に依らない心の理論を構築した本。

  • 【目次】
    序論 環境と心の問題 006
    0.1 環境問題と孤立した個人
    0.2 拡張した心と生態学的アプローチ
    0.3 拡張した心を超えて――アクターネットワーク
    0.4 展開の予告

    第1章 拡張した心 023
    1.1 労働・仕事・活動
    1.2 計算は心内部のはたらきか
    1.3 環境との交流としての心
    1.4 拡張した心
    1.5 心のはたらきは社会的に定義される
    1.6 脳科学の不十分――「悟り」の中枢はなぜ研究されないか
    1.7 研究の「客観性」の手前にある無自覚
    1.8 心の無定形さ
    1.9 拡張した自己の境界
    1.10 心がはたらく環境
    1.11 文明化した自己と野生の自己

    第2章 知覚とは何か――クオリアは存在しない 065
    2.1 クオリアという問題
    2.2 懐疑主義の誤り
    2.3 「水槽の中の脳」への反駁
    2.4 射影と色彩の現象学
    2.5 色彩は変化し、変化を通じて同じである
    2.6 クオリア概念の混迷――デネットのクオリア批判
    2.7 意識は存在しない
    2.8 なぜ知覚は直接的なのか
    2.9 感覚・知覚とは何か
    2.10 脳は「弁別器」
    2.11 知覚の三項関係
    2.12 知覚と運動――知覚を生じさせるものとは運動である
    2.13 現在の視覚風景は、未来の身体運動
    2.14 知覚から情報の存在論へ 

    第3章 意図と自由の全体論――当事者研究とアフォーダンス 123
    3.1 意図的行為とは何か
    3.2 行為の理由と原因
    3.3 目的と意図
    3.4 社会規範と因果
    3.5 意図の奥行理論に向けて
    3.6 障害当事者からの洞察――自閉症は自閉症ではない
    3.7 自閉症スペクトラムから捉えなおす知覚と意図
    3.8 意図の自己組織化
    3.9 脳性まひの身体
    3.10 意図と自由と
    3.11 自由とアフォーダンス
    3.12 自由であることの条件

    第4章 社会的アフォーダンスと生態学的記号論、そして、アクターネットワーク 179
    4.1 拡張した心と自律性の危機(1)――文明依存性
    4.2 拡張した心と自律性の危機(2)――アクターネットワーク
    4.3 世界の中に実在する社会的な意味
    4.4 社会的アフォーダンスの可能性
    4.5 生態学的アプローチから言語を考える
    4.6 ルールは言語に先立たない 
    4.7 アクターネットワークの中で言語を捉える 
    4.8 パースと生命記号論 

    注  [224-226]

  • 河野哲也さんの著作はけっこう読んでいます。
    アフォーダンスの心理学を知るきっかけともなってくれました。
    脳科学の還元主義的な観方に嫌気がさしていたので、そんなときにこの方の著作に出会えたのは感謝感激でした。

    さて、この本のなかで特に印象的なのは
    クオリア批判と意志についての考察。
    『網膜に投影された逆さの像、あるいは一組のメッセージが脳に伝えられると信ずる必要はない。』
    本書でも引用されているジェームズ・ギブソンの言葉です。
    一見、非科学的で宗教チックな言葉と思えますが、
    脳という器官を"外界を投影した内的な舞台を作り上げる装置"として、
    無批判に受け入れているのは我々ではないでしょうか。
    意志決定や意識が、環境との文脈のなかではじめて理解されうるという、ある意味当然のことを哲学してくれる方は貴重だと思います。

    ただし、本書や『暴走する脳科学』で批判されているリベットの研究を、
    「意志決定を考える枠組みそのものを間違えてる」とだけ指摘して、
    その結果について歯牙にもかけないのはどうも・・・。
    リベットの研究は自由意志の存在について、哲学界にもかなりインパクトを与えたので、丁寧にその結果の意味するところに再検討を加えても良いと思えます。
    あともっと推敲してほしいです。
    論旨が右往左往して、なにを言わんとしているのか読み解くのに苦労することがけっこうあります。良くいえば哲学の息遣いを感じることができるといえますが(笑)

    アフォーダンスやアクターネットワークはまだまだ"科学"とは呼べそうにありません。しかし、"科学"の名のもとに無意識に刷り込まれた先入観を洗い出すのに本書は良いきっかけとなってくれるのではないでしょうか。

  • 知覚=対象からもたらされる刺激作用や内在する因果作用から動物が構造・形相を抽出する作用 その因果作用はアフォーダンスとして捉えられる。アフォーダンスは顕在的なアフォーダンスと潜在的なアフォーダンスと。
    意図的と目的論的の区別。ある目的に対して、障害があっても様々な手段を取れるのが人間の自由の根拠であり、それは潜在的なアフォーダンスの認識である。
    アクターネットワーク=人間もモノも全てアクターとして平等に捉える。社会規範や言語もアクターネットワークの中で実在するものと言える。
    パースの記号論:記号・対象・解釈 解釈は記号ー対象と独立にあるのではなく記号に内在するもの・記号がアフォードするものである(ex.足あとが動物を指し示す解釈は自然自体に内在している) 実在するのは情報であり、情報の存在論を考えなければいけない

    大雑把なメモ。たぶん不正確。

  • 良いとは思うけど余り好きではない

  • 素朴な実存の考察から主体の自由の考察へ
    わが意を得たり

    要再読

  • 前半はちょっと難しそうな印象だったけど、後半の障害関係の内容が個人的にはわかりやすかった!

  • 思考を刺激する書。
    前半しか頭に入ってこなかったので、再挑戦したい。

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