- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062585194
作品紹介・あらすじ
鎌倉新仏教はゼロから生まれたのではなかった。偉大な祖師たちの思想が生まれる背景には、先行する有名無名の宗教者たちによる、さまざまな試みがあった。山林修行、戒律の問題、経典への信仰など「実践」をキーワードに、これまで見過ごされてきた、新仏教を準備したさまざまな運動に光を当てる。
感想・レビュー・書評
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鎌倉仏教のピークを形成する思想の内実にせまるのではなく、それにいたるいくつもの尾根筋をたどり、とりわけ平安仏教から鎌倉仏教へとつづく信仰形態の実践的側面について実証的な立場から考察をおこなっている本です。
本書が最初にテーマにとりあげているのが、優婆塞や聖にかかわる仏教社会の制度的側面を明らかにすることです。かつては鎌倉仏教をキリスト教のプロテスタンティズムになぞらえるような解釈があり、黒田俊雄のいわゆる「顕密体制論」によって批判されることになりましたが、本書はより微視的な検討を通じて、優婆塞や聖の当時における社会的な位置づけを解明しています。
さらに、装飾経や舎利信仰、慈円の『法華別帖』などにおける夢告の解釈、法然と熊谷直実の交流などについて考察が展開され、鎌倉仏教を準備した信仰の具体的なすがたが明らかにされています。
歴史学的なアプローチにもとづく手堅い議論がなされていて、興味深く読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
優婆塞仏教の系譜◆成熟と分裂◆実践と修学をなぐモノ◆信心の地平◆信心のゆくえ
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rlb 仏教
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初めて見る用語が続出して,あまり理解できなかった.仏教は難しいという先入観は払拭できなかった.しかし,現代の日本の仏教は鎌倉仏教が主流であるので,もう少し分かりやすい解説が必要と思う.本の体裁としては研究書に近いからか,珍しく索引が付いている.このような本で索引がないものがよくあるが....手元において使う人には絶対必要なんだが,あまり普及していない.