- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062585651
作品紹介・あらすじ
本書は古日本の祭祀と信仰と天皇のあり方を探り、それがどのように、変化・確立していったのかを検証していきます。
そのために伊勢神宮の創祀(五世紀か六世紀)の前の、倭王の時代へとさかのぼります。
倭王の時代とは、四世紀後半です。三輪山祭祀と、海の正倉院と呼ばれる宗像沖ノ島遺跡の開始時期がその時期です。このふたつの遺跡に共通するのが、(1)巨大な磐座遺跡、(2)その奉献品が「銅鏡・鉄剣・勾玉」=神話の三種の神器であったであろうということです。
その後、時代は下がり、七世紀には遣隋使体験によって、律令国家へ向けて動き出し、古代の三種の神器は、伊勢神宮の遷宮神宝に共通する紡績具や楽器などを中心とする新たな「律令神祇祭祀」の方式へと再編成されたと考えられます。そして天皇制が確立すると、神器の「勾玉」が「神璽」に取って代わられるようになるのです。
神器から消えてしまった勾玉は、、呪術具・祭祀具・儀礼具・宝飾具、という意味をもつ多義的な宝器として古日本では重要な役割を果たしていたのです。
民俗的信仰から国家的信仰へ、地方の王から国の天皇への変遷にあわせて、神器の意味づけはどう変わったのか? その後、朝廷中心の平安時代が武家の時代へと変わっていく中で、神器の扱いはどうなったのか?
神器を通してみる、日本の歴史と民俗を記述する意欲作です。
感想・レビュー・書評
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日本民俗学の立場から、考古学資料、文献資料を徹底的に読解し、伊勢神宮創設の画期が天武・持統朝にあったとし、あるいは、三種の神器において、勾玉の存在が神璽に取って代わられたであるなど、非常に興味深い観点を提示する書です。
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タイトル見て図書館で借りてみたのですが、思ったのとちょっと違ってて、ちゃんと読んでない本。
それでも感想を書くと、以前別の本を読んだ時にも感じた部分で、
・日本の歴史は長すぎて初期のことはわからないことが多い
・共通認識としての日本史は「古事記」「日本書紀」で良いのでは
・考古学は考古学でがんばってほしいがお墓を荒すのとかやめてほしい
というあたりでした。
(以上、ブログ全文です。)
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