- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062585934
作品紹介・あらすじ
厖大な史料を歴史研究者としての確かな眼で読み込み、伊藤博文や山県有朋、昭和天皇など近代日本をつくってきた人々の評伝を著して高い評価を得てきた著者による、渾身の書き下ろし新作。「平民宰相」として知られる原敬の65年の生涯を描く、本格的評伝。上下全2巻のうちの下巻。
原敬といえば、おもに初の本格的政党内閣を実現し、薩長藩閥政治の克服に努めた東北出身の政治家としてのみ語られることが多いが、著者によれば、原の政治家としての特色は、外交や内政に高い理想を持ち、それが当時の状況に合致していたこと、またそれらを実現するための手法やタイミングを知り尽くしていたこと、にあるという。また、新聞記者・外交官・企業経営者など多彩な顔を持ち、そこで吸収した見識を元に一貫して「公利」という概念を重視し、第一次世界大戦後の世界を見通して新たな日本政治の道筋をつけた、ポスト「元勲世代」のもっとも偉大な政治家だったのである。
下巻では、大隈重信、山県有朋、桂太郎らとの確執を経て、首相として初の政党内閣を成立させながら、東京駅で凶刃に倒れるまでの後半生を描き、この暗殺によって失われた日本政治のその後の可能性と、原が日本の歴史に遺したものについて考察する。
感想・レビュー・書評
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【下】は桂園時代から大正政変を経て、政党内閣の誕生、暗殺までを追いかけている。民主主義を確立する過程として藩閥官僚制から政党内閣による立憲君主制をめざしたのが原敬ということになるのかな。
今の政治がすべてうまく機能しているわけじゃない。どうすればいいのか。個人的には政党政治の限界を感じているし、実は普通選挙制度が良くないんじゃないのかと考えさせられた一冊だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示