「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学 (講談社選書メチエ 625)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062586283

作品紹介・あらすじ

自転車や車の運転から水泳、ゴルフ、仕事のやり方まで、「身体がおぼえる」、「こつをつかむ」、あるいは「スランプに陥る」のは、誰もが経験したことではないでしょうか。
本書は、そうした「身体に根ざした知」=「身体知」と、「身体知を学ぶ」とは一体どういうことなのかを、イチロー選手なども例にとりつつ、認知科学という立場から解明し、更に「身体知の研究はどうあるべきか」について明快に論じます。

こつをつかむにも、スランプを脱するにも、「ことば」が重要であるらしいことがわかってきました。
〈からだメタ認知〉という概念をキーワードに、身体とことばの共創をめぐる最先端の研究を、わかりやすく紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • これはすごい本だ。

    「不立文字」「教外別伝」という言葉のように大事なことは言葉に出来ないというのは昔から言われているがその認識をひっくり返す書。

    キーワードは「認知」で身体の使い方のこつやスランプを理解する上で非常に重要になってくる。

    私なんかも常々ブログなどで身体感覚を言語化しているがその理由と効能がよくわかった。

    身体の使い方や上達法、また指導法に興味がある人はぜひ読んでおいた方が良い一冊。

    「からだメタ認知」の今後のさらなる研究が非常に楽しみです。

  • <シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/drupal/ja/node/190

  • ふだん自分がぼんやりと考えていたことが明文化されていて面白かった。情報と、実感と、それを再現するための意識のお話(というざっくりした理解)
    何年後かに再読したらもっと面白そう。

  • たとえば本書では、野球のバッティングの上達には、体感を言葉にすることが大事だとされる。足の踏ん張り、身体の開き方や、肘の折りたたみ方など、バッティングする際の身体の体感を意識して、どうやっているかを言葉にしてさらに意識する。すると、言葉で意識したことによって修正点が見つかり、それを身体に試すことになる。そして、それがどのくらい成功したか、どのくらい失敗したかをまた言葉にして意識し、さらに修正していく。それでうまくいっても、状況や環境や自分の肉体の調子が変わればまた、その方法ではうまくいかなくなりますから、また言葉で捉えなおすということが繰り返されます。また、感じていることを言葉にし、それを行動にフィードバックすると、さらに感じることが変わって、また言葉が変わります。さらにさらに、その変化した言葉によって、行動もまた変わっていくという繰り返しになります。これを進歩とか洗練というのかは、本書では書かれていませんが、先鋭化という問題も含めて、言葉で突き詰めていくという本書の方法の筋はいたってわかりやすい直線的な方法のようにも感じられます。しかし、突き詰めた先に袋小路が待ち構えていてもそこでストップせずに、たえず変化していくものだという、言葉と身体の相互作用のダイナミックさを説いているのがよかったです。おそらく、袋小路は「スランプ」なんです。とすると、先鋭化というものも「スランプ」なのかもしれません。「スランプ」だって言葉にしていくことをやめずにいることで乗り越えられやすくなる、というようなことも本書には書いてあります。先鋭化したものを辿っていって言葉で解きほぐし、基礎の段階から再定義しなおすなど、言葉をさらに紡いでいくことによって、先鋭化すら乗り越えられるんじゃないか、という可能性をこのあたりから感じました。きっと性急じゃなければ、光は見えるのです。

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著者プロフィール

慶應義塾大学環境情報学部教授。
専門分野:認知科学、人工知能、デザイン学。

「2023年 『総合政策学の方法論的展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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