フラットランド たくさんの次元のものがたり (講談社選書メチエ)

制作 : 竹内 薫  アイドゥン・ブユクタシ 
  • 講談社
3.92
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本棚登録 : 151
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062586535

作品紹介・あらすじ

2次元=平面世界(フラットランド)の住人に、3次元=空間世界(スペースランド)はどう映るのか? 
4次元以上の世界は、どう想像できるのか?
「次元」の本質をとらえた古典的名著、待望の新訳!
アイドゥン・ブユクタシによる3次元の外へ誘う写真シリーズ《フラットランド》 特別収録

感想・レビュー・書評

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  • 2次元世界の生活とそこから見た他次元を書いた本
    各次元の捉え方が面白い。

    n角形の役割の話は冗長な気もするけど、当時の生活の風刺になっているからこういうものと考えるしかない。
    n次元から見たn-1、n+1次元の描写がわかりやすい
    とはいえ3次元世界の自分に4次元を考えるのは難しかった

  • 次元とは不思議なものだ。三次元の世界が当然だと思っているが、世界は多次元、10次元だという考えもあると言う。
    でも、どんなに想像してみても、四次元がどのようなものか頭に描くことすらできない。
    本書では二次元から一次元を訪ねたり、三次元から二次元を訪ねたりすることで、次元の成り立ちを垣間見せてくれる。
    また、低位の次元に住む者が、夜郎自大にように自らを理解し、視野を広げることができない滑稽さを描くことで、自己充足、自己満足に陥ることの愚かさを教えてくれる。
    このような本が100年以上も前に書かれたとは驚いた。

  • 30年前、高校生だった頃に読んだ本(正確にはこの本そのものではなく、そのアイデアを紹介する読み物)の再読。当時、「その次元では見えないはずのものを、より高次の次元から見るがごとくメタ的に認識していることの不思議さ」に心を奪われたのを覚えている。今はその新鮮さを同じように味わうことはできなくなってしまったが、次元のもつ普遍的な不思議さについては十分追体験することができた。

  • "こんな国では、いわゆる「立体」が存在しないことには、すぐに気づくだろう。(中略)三角形や四角形やその他の図形を見分けることぐらいできるはず。そう思うだろう?ところが違うんだ。そんなもの見えるどころか、ひとつの形と別の形を区別することすらできない。見えるのは直線だけ。"

    ----------
    (以下、長くメンドくさいですが、要するに超オススメです)

    1次元、線。
    2次元、平面。
    3次元、立体。
    4次元、、、、

    我々は何次元に生きているのか?というのは中々に面白い問題です。宇宙兄弟にもでてきた野口宇宙飛行士の「3次元アリ」の話とも遠からず。メタに考えることの難しさと面白さが物語仕立てで楽しめます。

    ノーラン監督の「インセプション」では高次元や現実の多層構造を映像や物語で、同監督の映画「インターステラー」では、高次元空間を映像として、表現していました。またアニメ「インサイドヘッド」では、ゴミ処理炉(?)でどんどん次元が下がっていき最後は線になりかける、というシーンも。

    (高/多)次元を言語で表現するのはかなり難しいため、映像表現自体で説明(解釈)させることはすごい。でも、それ以上に言語表現(と少しの平面図解)だけで、(高/多)次元を表現してる本書はすごい。

    多次元を生き抜くために大切なのは、
    ・自分の生きている世界は、自分が考えているよりも高/多次元である可能性があると認識すること。
    ・言語や視覚だけではなく五感をフル活用して、その世界を捉えるよう働きかけること
    ・そして、自分の生きている世界よりも高/多次元な世界が存在する可能性があると認識すること

  • 「井の中の蛙」という言葉を思い出させる。我々はもしかしたらポイントランドの生物なのかもしれない。

  • フラットランド(二次元)の住人の正方形が、スペースランド(三次元)の住人である球から三次元の世界を教えてもらうが、言葉の説明では理解できず、実際に三次元の世界に連れられて初めて分かった。そして、三次元の住人に対して、より高次元の四次元を見せてくれと懇願された球の困惑。正方形がラインランド(直線)、ポイントランド(点)の住人へ世界はもっと広いと説明しても、理解してもらえない。

  • 学生購入希望で購入した図書(平成29年度)
    【所在】3F開架
    【請求記号】414||AB

    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=182030

    これまでに学生購入希望で購入した図書の一覧は
    http://www.lib.tut.ac.jp/irai/kibo.html#konyu_kibolist
    こちらで確認できます 

  • 2009年発行の「フラットランド」より、シンプルでわかりやすい。
    (イアン・スチュワートの解説が優れているので、それはそれで大名著です。)
    アボットの先進性に驚くばかり。
    何度読んでもおもしろい本だなぁ。
    頭が混乱してくる写真もまたとても美しい。

  • 相対論よりも30年以上も前に高次元をやさしく解いた名著の新訳。第一部の「不適切な表現」にはちょっと戸惑うかもだかど,最後には中和されるので読み通して欲しい。零次元,一次元,二次元,三次元,四次元以上の高次元,と幾何学の世界が広がる様子,それまで限られていた物の見方を乗り越えて,視野が開けていく様子が,物語を読むことで分かってくる。

    以下に,読みながらの感想を本文を引用しつつ掲げるとこんな感じ。

    “いきすぎた女性差別的表現をかなり削除”p.12した改訂版を底本にしてるようだけど,それでもかなりきつい表現が続出するのにドン引きしつつ読んでいる…。

    第一部はフラットランドの住人が,三次元世界の読者に,二次元の世界を説明していく趣向。そこでは女性が直線で,兵士や労働者階級は鋭い二等辺三角形という設定なのだが,
    “彼らは、すべての辺が同じ長さというわけでもなく、人間らしい図形じゃないから、自然法則が適用されないんだ。”p.30

    “ごく稀にだが、二等辺三角形の両親から正真正銘の正三角形が生まれることだってある。そこまでたどり着くには、代々、慎重に結婚相手を選び、生まれてくる子どもの辺が等しくなるよう、長いことつつましく自制を続け、忍耐強く、計画的に二等辺三角形の知性を伸ばし続けなければならない”p.30

    こんな優生思想,当時でこそ広く受け容れられてたとしても(進歩的思想でさえあった),2017年に再び世に出すっていうのは随分思い切ったというか…。

    数学的内容は名著と思うんだけど,なかなか過激というか……
    “たまに奴隷のような身分から正三角形が生まれることは、ひたすら惨めな存在である、その階級の者たちへの希望の光となるだけでなく、上流階級にとっても喜ばしい…自分たちの特権を損なうことなく、下層階級から革命が勃発するのを防ぐ絶好の障壁になる”p.31

    よく,手塚作品とかでPC的な注釈がつくことがあるけど,この新訳でもその点もう少し分かりやすく注意喚起(というか,立場表明)しておいた方が良かったのでは,と感じる。

    これ,フラットランドという異世界の中で閉じた話なのではなくて,著者を含めた当時の「上流階級」の人々がこういう認識を共有していたのは確かなのだし,訳者の竹内薫さんも「風刺だと感じた」として終わりにしないで,「もちろん現代では否定されるべき考え」と言い切って欲しかったかも。

    ロボトミー的な記述も。
    “国側の医者が、反逆者の中でも知的なリーダーの辺を、手術で縮めたり伸ばしたりして正三角形にして…特権階級に組み込んでしまうことだってできる。基準に満たない大多数には、自分も貴族になれるかもしれないと思わせて国立病院に入院させ、そこで一生、名誉ある監禁生活”p.32

    読了。
    第一部があまりにもだったのでいろいろ書いちゃったけれど,頭を冷やして第二部までちゃんと読んで,著者が(同時代の)ヴィクトリア期の女性蔑視・身分差別に疑問を呈してるってことが理解できました。あーびっくりした。

    いやだってこんなのが女性に関する法律って紹介される。風邪で死刑とか,フラットランドやばすぎるし,第一部はこういう記述がこれでもかって出てくる
    “小舞踏病、ひきつけ、激しいくしゃみを伴う風邪など、不随意の動きをする病気にかかっていると診断された女性は、即刻、破壊される”p.34

    まえがきでもうちょっと警告もらってから読み始められるとだいぶ違ったかなあ…。
    表紙と巻末に収録されてる不思議な構図の写真たち(トルコの写真家アイドゥン・ブユクタンの作品),なかなか素敵でした。
    どうやって撮ったんだろう?

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