新版 双極性障害のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

制作 : 野村 総一郎 
  • 講談社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062598132

作品紹介・あらすじ

ひと目でわかるイラスト図解
《講談社 健康ライブラリーイラスト版》

【「最高」から「最低」へ気分が激変! うつ病とはどう違う?】

双極性障害は、躁とうつが入れ替わり現れる心の病気です。
うつ症状の時に受診するとうつ病と診断されることが多く、正しい診断まで時間がかかります。うつ病と同じ種類の病気とされてきましたが、うつ病に効く薬は、双極性障害では症状を悪化させることもあります。そのため、なかなか改善しないうつ病はじつは、双極性障害だったということもあります。また、躁状態のときには、本人に病識がなく、そのまま突っ走ると仕事、人間関係、財産など、多くの大切なものを失ってしまいます。
発病は全年齢にわたりますが若い世代に多く、双極性障害の特徴の一つに衝動性があるため、ADHD(発達障害)と誤診も合併もしやすいという問題もあります。本書は双極性障害の原因、診断の難しさと正しい見極め方、新薬など最新の情報を盛り込み、わかりやすく解説した一冊です。

【本書のポイント】
*双極性障害はうつ病と似ているが別の病気
*初診時にうつ状態で受診した場合、うつ病と診断されることが多い
*治らないうつ病は、双極性障害の可能性も
*双極性障害のうつ状態は、うつ病とは薬が違う
*うつ病の薬の副作用で躁状態になることも(躁転)
*躁状態は絶好調、陽気な性格にもみえ、病気かもしれないと気づきにくい
*躁状態では、家族や周囲を巻き込んでトラブルを起こすことが多い
*発病は若い世代に多く、発達障害のADHDと合併も誤診もしやすい
*病的な躁か、うつか自己診断ができるチェックシート付き

【本書の構成】
第1章 躁とうつが入れ替わりあらわれる
第2章 大きくみると二つのタイプがある
第3章 発病の原因やきっかけは、単純ではない
第4章 薬物療法と認知療法を中心に
第5章 日常のなかで本人や周囲ができること

感想・レビュー・書評

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  • 双極性障害のことがよくわかる本
    野村 総一郎

    • 双極性障害は本人の社会生活に大きな影響を及ぼす心の病気です。また、再発しやすいという特徴もあります。

    • 再発することが大きな特徴!
    双極性障害の特徴のひとつとして、高い再発率があります。うつ病の再発率も約60%とかなり高いのですが、双極性障害の場合は90%以上という統計もあります。

    • 1型のあらわれ方!
    双極1型障害と診断されるのは100人に1人弱です。発症は20代前半に多く、男性と女性との性差はみられません。

    • 海馬での細胞新生が抑えられている?
    長期的にストレスを受け続けると、コルチゾールというホルモンの分泌が増えます。すると、脳の細胞が新生しにくくなり、一方で古い細胞が死滅して海馬がどんどん萎縮していくことが、関与しているともいわれています。

    • 神経伝達物質の働きのトラブル?
    双極性障害では、セロトニンなどの神経伝達物質がうまく情報を伝えられない状態にあります。原因は、セロトニンの量の問題というより、働きになんらかの不具合を生じているためと推測されます。

    • 受容体のトラブル?
    神経伝達物質はうまく働いているのに、それを受け取る受容体のほうにトラブルがあって正しく情報が伝達されないのではないかという考えもあります。

    • 双極性障害は、ストレスや睡眠不足や生活リズムの乱れといった、身近なことがきっかけで発症します。また、結婚や仕事の配置替え、退職など、ライフイベントもストレスとして誘因となります。

    • 慢性的なストレスにより脳細胞の新陳代謝が滞る。ストレスを受けた脳には悪影響が及んでしまうのではないかと考えられています。

    • ストレスの影響。
    ストレス反応には、主に2つの経路が分かっています。
    ・カテコラミンが増える。血圧上昇。心臓、血管に負担。
    ・ステロイド(コルチゾール)が増える。
    血糖値上昇。糖尿病のリスク高まる。➡️とくに脳へ影響。海馬減少。

    • 双極性障害になりやすいのは、社交的で明るい人ということがわかってきました。

    • 社交的で親切でユーモアのある循環気質の人は、一般的に社会では好ましい性格として受け入れられます。周囲の気分を盛り上げ、快活に、バリバリと仕事をこなすところは、社会的に成功をおさめやすいタイプといえます。

    • 気分が不安定になる原因にはいろいろありますが、じつは季節の光の変化も隠れた原因のひとつなのです。

    • 治療期間はうつ病より長い。
    うつ病の場合は、通常1〜2年で治療が終わります。しかし、双極性障害は一般的に、長期化しやすい傾向があります。再発率が高いため、症状が治まっても、再発を予防するために薬を飲む必要があるのです。本人は症状が治まるとすぐに薬をやめたり、職場復帰しようとしますが、焦らず時間をかけることが、再発防止に大切です。

    • 双極性障害では、脳内の神経細胞がストレスに弱く、働きに不具合が生じていると考えられています。リチウムがなぜ効くのか、いくつか仮説がありますが、下記の2つの作用が注目されています。
    ・神経保護
    リチウムには、傷ついた脳の神経を保護する働きや、細胞死(アポトーシス)を抑制する働きがある。
    ・神経新生促進
    リチウムには、記憶や感情を司る海馬という領域で、新しい神経細胞をつくる働きを促進する。

    • もともとリチウムイオンを含んだ水には、気分を鎮静させる作用があるとされてきました。気分安定薬は、その特徴を活かしてつくられた薬です。

    • 双極性障害はうつ病よりも再発率が高いため、効果のあった気分安定薬はそのまま継続します。一般的には、症状が落ち着いてから1年ぐらいは薬を飲み続けることが多いようです。
    双極性障害は再発が多い病気です。少しでも予兆を感じたら薬を飲みましょう。たとえ「一生薬を飲むこと」と言われても、毎日飲むわけではなく、病気とつきあいながら飲んでいくのです。「薬さえ飲んでいれば一生こまらない」と、考え方を変えることをおすすめします。

    • うつや躁になるときは、ものごとのとらえ方や考え方が、誤ったパターンに陥っています。その代表的なものに、絶対思考、視野狭窄、結論への飛躍、誤認という4つの分類があります。
    自分ではなかなか気づいていませんが、こういったパターンがあることを知らないと、修正することもできません。思考をすぐに修正できるよう、今までと違う見方・とらえ方をしていくように意識しましょう。

    • うつや躁に陥ってしまう思考のかたよりは、いうならば「心のクセ」のようなもの。自分ではきづきにくいものですが、できるだけ丁寧に、少しずつ、ゆっくりと、冷静に、客観的に、自分をみつめ直しましょう。

    • かたよったとらえ方にこだわっていると気づく!
    長年しみついた思考や認知のクセは、一朝一夕には変えられません。しかし、もののとらえ方が多くあるなかで、自分がひとつにこだわっていたことを知ると、新しい自分がみえてきます。過去へのこだわりを捨て、新しい生き方へと軌道修正できたとき、回復していることが多いのです。

    • こだわりを捨てる!
    ・ほどほどに役立っていればいい。
    ・たまに頼られるぐらいでいい。

    • 自分をしっかりさせて病気と付き合う!
    病気との取り組み方しだいでは、症状をコントロールし、発症する前と同じような生活をとりもどすことも可能です。

    • 疾患を受け入れる!
    双極性障害は長期化し、再発しやすい疾患ですが、そのことをきちんと受け入れてとりくみ、つきあっていきます。
    ・病気であることを受け入れる!
    診断を受けた直後はショックを受けても、現実を見据える。
    ・薬を飲む!
    治療のために薬が必要だと認め、処方通りに飲む。
    ・主体性をもつ!
    歩いているのは自分、医師や家族は横にいるだけだと思う。医師や家族ではなく、病気を治すのは自分だと考える。
    ・病気を悪化させない!
    積極的に治療に取り組み、悪化させるリスクをあえておかさない。
    ・症状を再発させない!
    自分だけでなく周囲にも協力してもらい、兆候があったら早めに対処する。
    ・生活する!
    病気をじょうずにコントロールして、穏やかに生活する。

    • 双極性障害はリズムが乱れる病気!
    生活リズムを保つうえでもっとも避けたいのは、徹夜です。徹夜をすると高揚感が生まれ、躁を発症しやすくしてしまいます。たった一晩のてつやでも、気がつけば不眠症になっていることも少なくありません。
    徹夜はぜったいに「すべきではありません」が、それ以外では、「〜したい」程度の柔軟な姿勢で、生活リズムを整えていきましょう。

    • 徹夜は避ける!
    たった一晩の徹夜がきっかけで、不眠症になる人も。躁を招きやすい睡眠不足は、双極性障害の人にとって大敵です。

    • アルコール依存症!
    アルコール依存症と、双極性障害は合併しやすい傾向があります。
    アルコール依存症と双極性障害を併発すると、いっそう飲酒に走りやすくなります。重度のアルコール依存状態をつくりだすとともに、双極性障害も悪化の一途をたどります。自殺者が非常に多いのも特徴です。

    • ストレスをまったくゼロにすることはできません。しかし、無用なストレスは出来るだけ回避したり、受け取り方によって軽くすることで、ずいぶん状況は変わってきます。普段の生活に楽しい事を増やす。

    • 深呼吸をするだけでもリラックスできる!
    深呼吸や腹式呼吸は、リラックスする方法のもっともシンプルで基本的なものです。大事なのは呼吸法。ゆっくりと深い呼吸をすることで、自律神経の副交感神経が優位になります。その結果、血圧が下がり、脈拍が落ち着いて、緊張状態を解いてくれるのです。
    自律神経はストレスに過敏に反応しますが、この働きを意識的に調整することができるのが、唯一、呼吸だけなのです。

    • 双極性障害は、とても再発率が高い病気です。そのため、再発を予防するとともに、再発の予兆をできるだけ早くとらえ、適切な治療をすることが求められます。

    • 1日で変わってしまうこともある!
    昨日まで普通に生活していた人が、急にうつ状態になったり、うつ状態の人が一夜明けたらパワー全開の躁状態になっていることも。異変に気づいたら、速やかな対応を。




    野村 総一郎
    双極性障害のことがよくわかる本

    [①躁ととうつが入れ替わりあらわれる。]
    双極という病名どおり、躁とうつの2つの極に揺れ動きます。自分ではコントロールができません。とくに躁のときには自覚がなく、本人は最高の気分だったりします。ところが家族はふりまわされて疲労困憊。本人の社会的な損失も小さくありません。

    P18「躁症状」
    <気分が高揚し、万能感に満ちあふれる>

    •思考面
    思いつきばかりで集中できない!
    ・アイデアがこんこんと湧き、気分爽快、酒に酔った時のような状況。
    ・ものごとを楽観的にとらえ、できそうもないことでもすぐに決断する。
    ・話し続かなくてはというプレッシャーを感じる。
    ・記憶の外に遠ざかっていた過去の思い出がよみがえってくる。

    •行動面
    ブレーキがきかず、つっ走る!
    ・新しい計画を野放図にたて、動き回る。
    ・お金を湯水のごとく使い、借金まですることも。
    ・周囲の人間と衝突する。職場では上司や同僚を怒らせ、結果として自分の評価を落とす。

    P20「うつ症状」
    <エネルギーが枯渇し、気分が落ち込む>
    双極性のうつ状態の症状は、普通、日常的に感じる憂うつな気分よりも、もっと思いものです。落ち込むだけでなく、心のエネルギーがなくなったように、感情そのものが、停滞してしまいます。

    •感情面
    憂うつで苦しいほど!
    ・悲哀感、絶望感が強く、悲観的。
    ・イライラする。
    ・周囲が楽しそうにしていると、うるさく感じたり、自分の暗い気持ちが浮き彫りになって、つらくなる。
    ・つらさすらかんじない、なんの感情も湧かないと言う人もいる。
    ・人間として自分が他人よりも価値がないように感じる。
    ・自分自身を責める。

    •思考面
    悲観的にしか考えられない!
    ・ものごとを後ろ向きにとらえ、悪い事態のみが視野に入る。
    ・なんの希望もなく、未来になんの展望もなく感じられ、自信もない。
    ・思考力や集中力が減退し、決断できない。なにを着たら良いか、なにをたべたらあよいかという小さな決断までおっくうに感じる。
    ・ちょっとした刺激が気に障って、怒りが湧きやすくなる。
    ・自己否定の妄想にとりつかれる。

    •行動面
    なにも手につかない!
    ・毎日慣れた仕事や火事、あるいは食事や入浴など基本的な生活への意欲も削がれ、日常生活にも支障が出てくる。
    ・なにかやらなければと焦るが、実際にはできない。
    ・ソワソワして意味もなく歩き回ったりすることも。
    ・ひとづきあいが悪くなる。誰にも会いたくなくなる。
    ・症状が重篤になると、自殺願望が強くなる。

    •身体面
    ひどい疲労と体調不良!
    ・早朝や深夜に目が覚めてしまい、以後眠れなくなる。
    ・眠ることができてもすぐに目が覚めてしまう。うつの不眠の苦しさは一般的な不眠よりも大きい。
    ・あらゆる欲望が低下し、食欲も落ちる。
    ・疲れやすい、頭痛がする、手足がしびれる、寒気がするなど、なんとなく体の具合が悪くなる。めまい、肩こり、吐き気、口が渇く、などの症状も。

    •あらゆることがつらくなる!
    病的なうつの本質は、「エネルギーの欠如」。あらゆることに対して意欲が湧かなくなり、自分の好きな趣味や道楽すらおっくうになります。無理にやってみても、かえってエネルギーが枯渇して、悪化するばかりです。

    P22「影響」
    <社会的、人間関係的な損失が大きい>
    双極性障害は本人の社会生活に大きな影響を及ぼす心の病です。特に躁状態を繰り返すうちに、仕事や家庭を失うなど、人生そのものが大きく損なわれることがあります。

    •失うものがあまりに大きい!
    双極性障害は躁とうつを繰り返す病気ですが、本人の損失が大きいという重要な特徴があります。よら深刻なのは、躁状態のときです。また、再発しやすいという特徴もあります。薬によって病気をコントロールまたは予防していくことも欠かせません。





    [②大きくみると2つのタイプがある]
    双極性障害は、症状のあらわれ方によって、1型、2型、気分循環性に、タイプ分けされています。ただ、気分循環性は診断がとても少ないので、本書では1型と2型を中心に解説しています。

    P32「診断②」
    <双極性障害とうつ病の特徴を知る>
    双極性障害はうつ病との見極めが困難です。近年まで同じ病気とされていたほどです。しかし、この2つをよく見ると、それぞれの特徴があることがわかります。

    • 2つの病気の違いはどかこにある?
    うつ病には抗うつ薬が聞きますが、双極性障害にもっとも効果があるのは気分安定薬です。

    P34「1型」
    <躁とうつが同程度にあらわらる>
    双極性障害ほ躁状態を伴う双極1型障害と、軽躁状態を伴う双極2型障害に区分されます。1型は躁もうつもはっきりあらわれるので、より診断がつきやすいタイプです。

    • 1型はより典型的で、損失が大きい!
    双極性障害には、症状によって1型と2型があります。双極性障害は以前「躁うつ病」とよばれていましたが、この病名には、1型がほぼあてはまります。

    • 再発することが大きな特徴!
    双極性障害の特徴のひとつとして、高い再発率があります。うつ病の再発率も約60%とかなり高いのですが、双極性障害の場合は90%以上という統計もあります。個人差がありますが、最初の発症から次の病相まで8年くらいの間隔が多いといわれ、再発を繰り返すたびにどんどん間隔が短くなる傾向があります。

    • 双極性障害の影響の及び方!
    躁状態が重症化すると、最後は仕事を失ったり、離婚せざるを得ないような状況に追い込まれます。

    •1型のあらわれ方!
    双極1型障害と診断されるのは100人に1人弱です。発症は20代前半に多く、男性と女性との性差はみられません。家族内でみられることが多いため、遺伝の影響も考えられます。

    P36「2型」
    <躁が軽いのでうつ病と間違えやすい>
    うつ状態は1型と同じでも、躁状態の部分が軽い双極2型障害。躁が軽い=軽躁とはいえ、病気が軽いというわけではありません。うつ状態の期間が長く、慢性化する傾向があります。

    •こじらせたり、とりかえしのつかないことにも!
    2型の患者さんは目覚しい成果を上げて「成功者」となることもあります。また、軽躁状態は性格や個性とみなされ、その不安定さが本人をより魅力的にみせる可能性すらあります。

    •2型のあらわれ方!
    双極2型障害の生涯有病率も1型とほぼ同じで1%くらいとされています。

    •うつ状態
    1型の患者さんよりも心の病気ですごす期間が長く、生涯の50%にも及ぶというデータもある。つまり、うつ状態がずるずる続く。





    [③発病の原因やきっかけは、単純ではない]
    どうしてこの病気にかかったのか考えることは、むだだとは言えません。双極性障害の場合、病気になる前の性格をみると、診断の助けになることがあります。また、再発することが多いので、発病のきっかけを知ることは、予防の一助にもなるのです。

    P52「原因」
    <遺伝子、成育歴、脳、考えられる事>
    双極性障害の原因はまだはっきりと解明されていません。しかし、科学的な研究から、遺伝子や育った環境、生物学的な問題が複雑に関係しているのではないかとかんがえられています。

    「脳」
    •海馬での細胞新生が抑えられている?
    長期的にストレスを受け続けると、コルチゾールというホルモンの分泌が増えます。すると、脳の細胞が新生しにくくなり、一方で古い細胞が死滅して海馬がどんどん萎縮していくことが、関与しているともいわれています。
    ・海馬とは?
    大脳辺縁系の一部。主に記憶を司り、感情に大きくかかわる部位。恒例になっても細胞が増加することが分かっています。

    •神経伝達物質の働きのトラブル?
    双極性障害では、セロトニンなど神経伝達物質がうまく情報を伝えられない状態にあります。原因は、セロトニンの量の問題というより、働きになんらかの不具合を生じているためと推測されます。
    ・神経伝達物質とは?
    神経細胞の先端シナプスから放出され、別の神経細胞の受容体にとりこまれる物質。セロトニンなど50種類以上があります。

    •受容体のトラブル?
    神経伝達物質はうまく働いているのに、それを受け取る受容体のほうにトラブルがあって正しく情報が伝達されないのではないかという考えもあります。

    •脳の情報ネットワークは、セロトニンなどの神経伝達物質が、神経細胞から神経細胞へと瞬時に電気信号を伝えることで、成り立っている。

    P54「誘因」
    <ストレスと睡眠不足が大きなきっかけ>
    双極性障害は、ストレスや生活リズムの乱れといった、身近なことがきっかけで発症します。まだ、結婚や仕事の配置換え、退職など、ライフいべんともストレスとして誘因となります。

    •生活のリズムが乱れることに弱い!
    私たちが規則正しく生活できるのは、朝、日光を浴びることによってメラトニンというホルモンが生成、分泌されているからです。このメラトニンは、心を安定させる作用のあるセロトニンからつくはれ、覚醒と睡眠のリズムをコントロールしています。しかし、朝になっても光を浴びず、夜型生活が続くとメラトニンの働きは鈍り、その原料となるセロトニンの働きにも影響を及ぼします。

    P56「発病のしくみ」
    <ストレスにより脳細胞の新陳代謝が滞る>
    適度なストレスならば、向上心を高めるなどよい方向に作用します。しかし、あまりに大きいストレスは要注意。ストレスを受けた脳には悪影響が及んでしまうのではないか、と考えられます。

    •慢性的なストレスでホルモン分泌が乱れる!
    脳は、ストレスを感じると、大脳辺縁系の海馬で不安や恐怖、怒り、悲しみなどの情報を起こすとともに、視床下部に情報を伝え、ステロイドやカテコラミンというホルモンを分泌させます。これらのホルモンは、ストレスからみをあために、体と心を臨戦態勢に切り替える役割をしており、ストレス状態が終われば、もとに戻ります。
    しかし、りすとらされて職がみつからないなど、慢性的なストレスが続くと、ホルモンの分泌量が制御でかなくなり、いつも臨戦態勢に陥ってしまうのです。

    •ホルモンとは?
    脳から指令を受け、副腎皮質や甲状腺などで分泌される物質のこと。非常に微量ですが、体の代謝などをコントロールする重要な働きをしています。
    ストレスに対応するホルモンは、主に副腎皮質から分泌されるステロイド(コルチゾール)と、交感神経と副腎髄質から分泌されるカテコラミンという2つがあります。

    •ストレスの影響!
    ストレスがどのように脳に影響を与えるのか、そのしくみが解明されてきました。ストレス反応には、主に2つの経路が分かっています。

    ①カテコラミンが増える
    ストレスが慢性化し、カテコラミンが多く分泌されると、血圧が上昇するため、血管や心臓などに負担をかけます。ひどい場合は脳梗塞を起こす可能性があります。
    ⬆️
    ・カテコラミン本来の役割
    血管を収縮させて、心拍数を増やし、血圧を上昇させます。けがしても、すばやく出血を止められるように、血小板の凝集能を高め、胃の粘膜血流を低下させる働きがあります。

    ②ステロイド(コルチゾール)が増える
    ストレスが慢性化し、ステロイドが多く分泌されると、血糖値が高くなり、糖尿病のリスクが高まります。また、免疫機能は後回しにされるため、細菌に感染しやすく、胃潰瘍になる可能性もあります。
    ⬆️
    ・ステロイド本来の役割
    血圧を上昇させるとともに、膵臓のインシュリンの分泌を抑えて、血糖値を高め、脳に糖を送って頭の回転をよくしようとする作用があります。

    •特に脳へ影響
    ステロイドの分泌が一定量になると、海馬の脳細胞の新生が抑えられることが、ネズミの実験で証明されています。海馬は、過去の記憶によってストレスを評価、振り分けし、同時に感情を起こすところ。この部分の細胞が減少してしまうと、ストレスに対して適正な反応ができなくなってさまうのです。

    P58「病前性格」
    <社交的で明るい人が高リスク>

    •双極性障害
    ⬇️
    循環気質
    ⬇️
    社交的で明るく、ユーモアのあるタイプです。周囲の人の潤滑油的な役割を果たします。しかし、気分が高揚しているときと、沈み込む時期が周期的にあり、そのじょうきょうによって気分や思考を変える面があります。

    •うつ病
    ⬇️
    粘着気質
    ⬇️
    まじめで几帳面、義理堅い性格で、一度手がけた仕事は忍耐強くやり遂げようとします。しかし、そのぶん、ストレスをためやすく、自分の考えややり方は変えようとしない頑固な一面もあります。

    •ステレオタイプ的にきめられないが!
    社交的で親切でユーモアのある循環気質の人は、一般的に社会では好ましい性格として受け入れられます。周囲の気分を盛り上げ、快活に、バリバリと仕事をこなすところは、社会的に成功をおさめやすいタイプといえます。

    •病前性格は昔から研究されている!
    双極性障害はその症状から、近年まで、「躁うつ病」と呼ばれていました。昔から認識されていた病気で、病前性格についても、多くの説があります。いずれの説でも、うつや躁を誘発しやすい性格があり、その性格ゆえになかなか抜け出せないと考えられています。

    「季節」
    <春と夏は躁、秋と冬はうつが多い>
    秋冬にうつ状態だった人が、春夏になるとスイッチが入ったように、躁状態になることがあります。これは、季節による日照時間の変化が原因で、うつや躁を誘発さたいるためと考えられています。

    •じつは光が重要
    気分が不安定になる原因にはいろいろありますが、じつは季節の光の変化も隠れた原因のひとつなのです。
    因果関係は不明だが光と関係があるとされる。光刺激が減少すると脳内のセロトニンが減る、光刺激で体内時計が乱れるなどしょせつある。

    •光の浴び方が躁とうつに影響する!
    これは、季節によって日照時間や光の量、強さが変化するためです。体内時計を司るメラトニンの分泌の量やタイミングのずれが影響するとみられます。

    •メラトニンとは?
    睡眠と覚醒のリズムを制御する物質。暗くなるとメラトニンが分泌されて眠くなり、明るくなるにつれ減少していきます。夜間に照明をつけていると分泌のタイミングがずれます。日中に光を浴びないと十分な量が分泌されません。





    [④薬物療法と認知療法を中心に]
    双極性障害はうつ病より、治療が困難な傾向があります。治療を続けられるかどうかは、周囲の協力もかかわってきます。薬物療法が基本ですが、認知療法も有効です。軽症の場合には認知療法だけで改善するとも言われています。

    P64「概要」
    <うつ病より治療が困難になる2つの理由>
    双極性障害は、うつ病よりも治療が難しく、長期化する傾向にあります。しかし、家族や周囲の人の協力を得ながら、気長に治療を続けていれば、必ずよい方向に向かいます。

    •治療の柱
    薬物療法と精神療法は、治療の基本。車の車輪として必要なものです。しかし、それだけでは十分ではありません。症状を誘発する生活習慣の改善や、日常生活の注意も重要なポイントです。

    •精神療法
    ・主に認知療法を中心にする。
    ・本人だけでなく、家族にも受けてもらうことがある。

    •薬物療法
    ・気分安定薬を主体にする。
    ・経過をみて量や内容を変えたり、抗うつ薬を追加する。

    •日常生活
    ・リズムをととのえる
    ・睡眠をきちんととる
    ・ものの考え方

    •治療期間はうつ病より長い!
    うつ病の場合は、通常1〜2年で治療が終わります。しかし、双極性障害は一般的に、長期化しやすい傾向があります。再発率が高いため、症状が治まっても、再発を予防するために薬を飲む必要があるのです。本人は症状が治まるとすぐに薬をやめたり、職場復帰をしようとしますが、焦らず時間をかけることが、再発予防に大切です。

    P66「薬物療法」
    <双極性のうつ状態は、うつ病とは薬が違う>
    うつという症状でも、双極性とうつ病では治療方法が違います。双極性のうつ状態に、安易に抗うつ薬を使うと、さらに症状を難しくしてしまうことがあるのです。

    •中心となる薬物療法
    うつ病と、双極性のうつ状態どは、中心的に用いる薬が異なります。
    ・うつ病!
    抗うつ薬が中心。
    SSRI、SNRIなどが使われる
    ・双極性のうつ状態!
    気分安定薬が中心。
    ラモトリギン、リチウムなどが使われる。

    •双極性のうつ状態への特効薬はまだ不明!
    躁とうつは正反対の症状なので、薬も正反対の作用のものを用いると思われがちです。しかし、これは、気分が大きく上下に乱れた状態です。薬で安定させれば、躁にもうつにも効くことになるのです。これを気分安定薬といいます。
    気分安定薬は、特効薬というほどではありませんが、現在、双極性障害の治療と再発予防で効果が認められた第1選択の薬です。
    うつ病の治療に用いる抗うつ薬は、基本的に用いません。抗うつ薬によって躁転を起こす可能性があるためです。

    ・気分安定薬と安定剤は別物
    安定剤という薬を聞いたことがあるかもしれませんが、これは気分安定薬ではありません。デパスやソラナックスなどこ抗不安薬(マイナートランキライザー)のことを、安定剤とよぶことがあるのです。気分安定薬とは違うので、混同しないように。

    ・病相とは?
    双極性障害があっても、ふだんはそうでもうつでもない状態で暮らしています。しかし、躁になったり、うつになったりすることがあり、この時期を病相と呼びます。

    • うつ状態
    気分安定薬(ラモトリギン、リチウム)、抗精神病薬から始めます。効果がみられない場合は、慎重に量を増やすか、別の薬に変更か併用することを検討します。

    • 躁状態
    最初に気分安定薬のリチウムを使います。ただし、躁状態の問題行為が激しく、すぐに症状を抑えなければならない場合は抗精神病薬を併用します。
    効果が得られない場合は、ほかの気分安定薬(バルプロ酸)への変更、抗精神病薬の追加や変更(抗精神病薬単独利用)が選択肢です。それでも効果が得られない場合は、気分安定薬を2錠以上使う、ほかの薬に替える、通電療法を検討します。

    「薬物の作用」
    <脳内の神経細胞を保護、再生する?>
    もともとリチウムイオンを含んだ水には、気分を鎮静させる作用があるとされてきました。気分安定薬は、その特徴を活かしてつくられた薬です。

    • 気分安定薬の作用
    双極性障害では、脳内の神経細胞がストレスに弱く、働きに不具合が生じていると考えられています。リチウムがなぜ効くのか、いくつか仮説がありますが、下記の2つの作用が注目されています。
    ・神経保護
    リチウムには、傷ついた脳の神経を保護する働きや、細胞死(アポトーシス)を抑制する働きがある。
    ・神経新生促進
    リチウムには、記憶や感情を司る海馬という領域で、新しい神経細胞をつくる働きを促進する。

    • 気分安定薬を中心に使う
    双極性障害では、うつにも躁にも、気分安定薬を中心に使うのが、標準的な治療になっています。
    気分安定薬のうち、リチウムは主に爽快さを伴う躁や中程度までのうつによく使われます。不快さを伴う躁にはバルプロ酸を用いる傾向があります。
    ラモトリギンはうつの場合にまず使うお薬です。効果がみられない場合や重症なうつがある場合は、ラモトリギンにリチウムの併用や抗うつ薬の併用も検討します。

    • 薬はいつまで飲み続けるの?
    ・ひとまず一年を目安に維持療法に移行も!
    双極性障害はうつ病よりも再発率が高いため、効果のあった気分安定薬はそのまま継続します。一般的には、症状が落ち着いてから1年ぐらいは薬を飲み続けることが多いようです。ただし、下記のような人は、もう少し長く飲む必要があります。
    維持療法をするケース
    ①重症の躁が1度でもあった。
    ②2回以上の躁があった。
    ③重症のうつを繰り返している。
    ④家族歴がある。

    ・薬のやめ方に注意が必要!
    薬をやめるときには、血液中の濃度を確認しながら、量を徐々に減らします。急激にやめると再発の危険があるためです。
    双極性障害は再発が多い病気です。少しでも予兆を感じたら薬を飲みましょう。
    たとえ「一生飲むこと」といわれても、毎日飲むわけではなく、病気とつきあいながら飲んでいくのです。「薬さえ飲んでいれば一生こまらない」と、考え方を変えることをおすすめします。

    P76「認知療法①」
    <思考のコントロール法をおぼえる>
    認知療法は、双極性障害に対してもっとも効果がある精神療法です。思考のかたよりや誤りに気づくことによって、再発の予防にもなります。まずは、自分の思考パターンをチェックしてみましょう。

    • 陥りがちな思考パターンを知る!
    うつや躁になるときは、ものごとのとらえ方や考え方が、誤ったパターンに陥っています。その代表的なものに、絶対思考、視野狭窄、結論への飛躍、誤認という4つの分類があります。
    自分ではなかなか気づいていませんが、こういったパターンがあることを知らないと、修正することもできません。
    かつて躁やうつにとらわれたとき、そのきっかけに自分がこのような思考パターンに陥っていなかったかを思い出してください。また、思考をすぐに修正できるように、今までと違う見方・とらえ方をしていくように意識しましょう。
    もうだめだ、と自分に0点をつけていないか。50点や80点でもいいと考えよう。

    「認知療法②」
    <客観的に、冷静に、丁寧に、を心がける>
    うつや躁に陥ってしまう思考のかたよりは、いうならば「心のクセ」のようなもの。自分では気づきにくいものですが、できるだけ客観的に、冷静に、丁寧に、自分をみつめ直しましょう。

    • 医師の指導を受けながら、主体的に!
    医師と患者さんがやりとりを重ねながら、患者さんが主体的に日々の自分の認知や思考のパターンをチェックし、自分の状態をコントロールしていくことがとても重要なのです。

    • かたよったとらえ方にこだわっていると気づく!
    長年しみついた思考や認知のクセは、一朝一夕には変えられません。しかし、もののとらえ方が多くあるなかで、自分がひとつにこだわっていたことを知ると、新しい自分がみえてきます。過去へのこだわりを捨て、新しい生き方へと軌道修正できたとき、回復していることが多いのです。

    • こだわりを捨てる
    なににこだわっているのか、わからなければ捨てようもありません。日頃のせりふのなかに、そのヒントがあります。
    ほどほどに役に立っていればいい。
    たまに頼られるぐらいでいい。

    P82「うつに転じたときに自殺に走らないで」
    • 躁の時の自分に愕然とする!
    うつ病では比較的症状が軽い病気の初めと回復期が、自殺の危険性が高まる時期です。むしろ重症になると、自殺を実行する気力もなくなってしまうためです。
    双極性障害の人では、躁からうつに転じたときがもっとも危険です。躁のときの、ギャンブルや買い物、支払い不能の契約、といったさまざまな自分の行動に対して愕然とし、一気に自殺に走ってしまうことがあります。

    • すこしでも頭に浮かんだら助けを求める!
    「自殺するしか方法はない」という考えは、思考パターンが非常にかたよった考え方です。自殺以外にも解決策はたくさんあります。それらを、あえて自分から削除していないでしょうか。自分が悩んでいる問題は本当に解決不能なのか、自殺以外の解決方法はないのか、冷静に見直してみたください。
    自殺念慮の強さは、さまざまです。軽く思う程度のことが、いつのまにか強い願望に変わる前に、思考をコントロールして、自分の本当の考えを発見する必要があります。もし、自殺のことが頭に浮かんだら、家族や医師、電話相談など、周囲に助けを求めることをためらってはいけないのです。





    [⑤日常のなかで本人や周囲ができること]
    治療は専門医に受けますが、心の病気は医師まかせではなかなか改善しません。ものごとのとらえ方や生活リズムの調整など、日常のなかでしかできないことが多々あります。周囲の対応も重要な要素です。

    「本人①」
    <見失っていた自分をとりもどす>
    長年、うつや躁の症状に苦しんでいると、うつや躁ではない自分を忘れがちです。しかし、発病前の本当の自分をみつめ直し、新たな自分を立て直していこうすることが治癒への近道なのです。

    • 自分をしっかりさせて病気と向き合う!
    うつや躁の症状に苦しめられ、長年にわたって悪戦苦闘してきた人も少なくありません。なかには、なぜ自分がこんな病気になってしまったのなと嘆いたり、病気を否定したりする人もいます。
    しかし、病気との取り組み方次第では、症状をコントロールし、発症するまえとおなじようなせいかつをとりもどすことも可能です。
    それには、うつや躁の症状ばかりにめを奪われず、症状のないときの自分の生活を思い出す必要があります。あなたは本来どんな人だったのでしょうか。そこに、本来の自分自身の姿が見えてきて、もしかしたら症状の原因が隠れていることに気づくかもしれません。そのうえで、新たに生活を立て直していくことが、治療と再発予防には重要なポイントになるのです。

    • 疾患を受け入れる!
    双極性障害は長期化し、再発しやすい疾患ですが、そのことをきちんと受け入れてとりくみ、付き合っていきます。
    ・病気であることを受け入れる!
    診断を受けた直後はショックを受けても、現実を見据える。
    ・薬を飲む!
    治療のために薬が必要だと認め、処方どおりに飲む。
    ・精神療法を受ける!
    精神療法について意味や必要性を理解したうえで受ける。
    ・主体性をもつ!
    医師や家族どはなく、病気を治すのは自分だと考える。
    ・病気を悪化させない!
    積極的に治療にとりくみ、悪化させるリスクはあえておかさない。
    ・症状を再発させない!
    自分だけでなく周囲にも協力してもらい、兆候があったら早めに対処する。
    ・生活する!
    病気を、じょうずにコントロールして、おだやかに生活する。
    ・歩いているのは自分、医師や家族は横にいるだけだと思う。

    • 治療の不安は解決しておく!
    薬物療法では、多くの場合、何度も薬の量や種類を変え、組み合わせを試行錯誤しながら、効果の高い薬をみつけていきます。その過程で薬を過剰に怖がったり、人から聞いた話を鵜呑みにして、不安を抱く人もいますが、これもうつの症状である可能性があります。あいまいな情報にはまどわされず、医師とよく話し合い、治療の不安は解決しておきましょう。

    P86「本人②」
    <生活のリズムをととのえる>
    双極性障害の人では、一日の生活リズムが乱れ、一定しないことがよく見られます。しかし、生活リズムの乱れは、症状の引き金になったり、悪化させる原因になります。

    • 双極性障害はリズムが乱れる病気
    生活リズムを保つうえでもっとも避けたいのは、徹夜です。徹夜をすると高揚感がうまれ、躁を発症しやすくしてしまいます。たった一晩の徹夜でも、気がつけば不眠症になっていることも少なくありません。
    徹夜は絶対に「するべきではありません」が、それ以外は、「〜したい」程度の柔軟な姿勢で、生活リズムをととのえていきましょう。
    食生活では、できるだけ健康的な食事を決まった時間にとると、生活リズムが安定してきます。
    また、適度な運動は、気分を晴らすだけでなく、疲労感をもたらし、よい睡眠につながります。

    • 睡眠のリズム
    たった一晩の徹夜がきっかけで、不眠症になる人も、躁を招きやすい睡眠不足は、双極性障害の人にとって大敵です。徹夜は避ける。

    • オススメの方法!
    ・床につく時間を決めておく、とくに週末にはずらさないように。
    ・ベットは眠るための場所にして、休養などに使わない。
    ・寝るまでに、徐々に心身を落ち着かせる。
    ・入浴などで、疲れをとってから寝る。

    ・ 就寝直前には避けたいもの:理由
    コーヒー:カフェイン
    パソコンやスマホ:脳を刺激する
    テレビや本:興奮する
    運動:筋トレは避ける。軽いストレッチ程度ならよい。
    ツイッターやライン:止まらなくなりがち。

    • 食事のリズム
    ・ 1日3食、だいたい決まった時間に食べる。
    ・自分で料理してみる。
    ・アルコールを飲み過ぎない。
    ・間食を取り過ぎない。
    ・寝る1時間半から2時間前には食事をすませる。

    • アルコール依存症
    アルコール依存症と、双極性障害は合併しやすい傾向があります。
    タイプは2つあります。ひとつは、もともと双極性障害の人が、飲酒することで抑うつ感を晴らしたり、気分の高揚によって大量飲酒をする場合です。その結果、依存状態が形成され、アルコール依存症を併発します。
    もうひとつは、アルコール依存症の人が、長年の飲酒による生体リズムの乱れやストレス、脳内の生物学的変化などから、双極性障害を引き起こす場合です。
    アルコール依存症と双極性障害を併発すると、いっそう飲酒に走りやすくなります。重度のアルコール依存状態を作り出すとともに、双極性障害も悪化の一途をたどります。自殺者が非常に多いのも特徴です。

    • 活動(運動)のリズム
    ・ 散歩、買い物など、1日1回は外を歩く。
    ・ 家の内外を掃除する。
    ・ 犬の散歩コースを少し長くしてみる。
    ・ 万歩計をつける。
    ・ 朝、日の光を浴びる。
    ・ 旅行のときにリズムが乱れやすいので注意する。

    「本人③」
    <ストレスにふりまわされない>
    ストレスをまったくゼロにすることはできません。しかし、無用なストレスはできるだけ回避したり、受け取り方によって、軽くすることで、ずいぶん状況は変わってきます。

    • ふだんの生活に楽しいことを増やす!
    同じできごとに対しても、うつのときと躁のときでは、ストレスの感じ方が違います。例えば、うつの時は、変化や新しいことに弱く、ついていけなくなります。一方、躁の時は興奮しやすく、イライラしがちです。
    これらの感じ方の違いを自分で理解しておけば、気分に振り回されないようになります。できごとを冷静にとらえ、ストレスにふりまわされないようになるのです。
    また、1日の予定表をつくり、できるだけ楽しいことを組み込むようにすると、毎日が心穏やかに過ごせるでしょう。

    • ストレス解消にすすめられること
    ・瞑想、マインドフルネス
    ・掃除
    ・おしゃべり
    ・読書
    ・散歩
    ・体を動かす
    ・音楽を聴く
    ・庭いじり
    ・ヨガ
    ・料理
    ・リラクゼーション

    「本人④」
    <リラックスのための自己レッスン>
    心身のリラックスは、イライラや緊張、怒り、不安といった症状を和らげてくれます。日頃からリラックスする方法を身につけておくと良いでしょう。

    • 深呼吸するだけでもリラックスできる!
    深呼吸や腹式呼吸は、リラックスする方法のもっともシンプルで基本的なものです。大事なのは呼吸法。ゆっくりと深い呼吸をすることで、自律神経の副交感神経が優位になります。その結果、血圧が下がり、脈拍が落ち着いて、緊張状態を解いてくれるのです。
    自律神経はストレスに過敏に反応しますが、この働き
    意識的に調整することができるのが、唯一、呼吸だけなのです。

    P94「本人・周囲②」
    <再発、予兆を見逃さないように>
    双極性障害は、とても再発率が高い病気です。そのため、再発を予防するとともに、再発の予兆をできるだけ早くとらえ、適切な治療をすることが求められます。

    • 助けを求める!
    うつ状態や躁状態になる前、いつもよりイライラや緊張を感じる場合があります。予兆を感じたら、すぐに助けを求めましょう。
    飲酒量が増えたり、イライラ、不眠、極度に神経質、など躁うつ共通の症状がある。

    • 1日で変わってしまうこともある!
    昨日まで普通に生活していた人が、急にうつ状態になったり、うつ状態の人が一夜明けたらパワー全開の躁状態になっていることも。異変に気づいたら、速やかに対応を。

    • 再発かも!
    異変を感じたら、すぐに受診して服薬など適切な対応を受けましょう。また、休養できるよう職場や家庭での工夫も必要です。

    P96「周囲①」
    <治療は周囲の協力があってこそ>
    大事な家族や同僚が、双極性障害に苦しんでいたとしたら?周囲で見守る人間としてすべきは、病気の症状に振り回されることではなく、治療の協力者になることです。

    • 受診のすすめかた!
    うつの時は判断力がにぶり、躁の時には自覚がありません。受診は、周囲がリードして、本人を説得しましょう。

    ・ うつのとき
    自分が情けない、責任は自分にあると思っている。
    ・ 躁のとき
    自覚がない、自分は絶好調と思っている。

    • 家族や周囲が治療を続ける力に!
    うつや躁の症状があると、家族や周囲の人は大変な迷惑を被る事があります。家族に暴言を吐いたり、社会的信用を失墜させるような行動をしてしまう場合も、少なくありません。
    それに巻き込まれる家族にしてみれば、症状が治まったら、それまでの本人の行動を批判し、反省を促したいという気持ちが出てきたとしても当然です。
    しかし、それは逆効果なのです。
    躁の時に起こした問題を、一番反省しているのは本人です。そのうえ、周囲から責められると、一気にうつに転じ、場合によっては自殺に走る危険性もあります。
    双極性障害の人が、自殺をふみとどまってあいるのは、家族に迷惑をかけたくないという思いです。家族が、治療を続ける支えになっていることを忘れないでください。

    P98「周囲②」
    <孤立させない事がもっとも重要>
    双極性障害にとって、もっとも危険なものが、自殺です。自殺を思いとどまる理由の多くは、やはり家族など人との絆です。自殺へ向かって本人の背中を押すのは、孤立です。

    • ひとりになりたがっていても放っておかない!
    双極性障害の人がひとりになりたがったら、家族や知人としてできることは、近くにいて、いつもあなたのことを気に掛けています、というメッセージを伝えることです。死ぬのはよくないなどと、お説教するのではなく、なにげなく普通の会話をすることが、本人の孤立感を和らげます。
    もし、本人の口から「自殺」という言葉が出てきても、うろたえてはいけません。「死にたい」と思っているその気持ちをよく聞いてあげるだけで、本人の気持ちが楽になるものです。
    そして、できるだけ早く医療機関を受診します。


















  • 確かに読みやすく、マンガもなくて真面目に書いてあるけど…それだけに読むだけで鬱になりそう。気合いを入れて読むべし!

  • 旧版と比べて薬の情報が更新されている。薬のまとめの表がわかりやすくて良い。

  • 20180106読了

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