石の花(4)激戦編 (講談社漫画文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062602587

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  • 261p クリロとイザークを前に、ブランコが言う。

    (ブランコ、前の戦争の時もこうだったのかい? いつまでもいつまでもこんなみにくい争いが続くのかい!?)
    あの対戦が終わったあと、もう こりごりだと思った……。
    しかしまたおっぱじまりやがった。
    人間てェのはしようがねェバカどもだ……。
    しかし……なあ二人とも。
    人間の最悪ばかりを見るな……。
    人間の美しさばかりを見るな……。
    おれがいえるのはこのくらいのことだ……。

  • ハーケンクロイツ ニーチェ キリスト 豚 ユダヤ人 ヒトラー 三つの宗教 五つの民族 パルチザン ユーゴスラビア

  • 2022.7.10市立図書館
    1943年冬から夏。連合国からの支援を待ちつつドイツ軍に追い詰められ耐え忍ぶチトー指揮下のパルチザンの内部も一枚岩からは程遠く、捕虜や老人や子どもなど弱い立場のものほど虐待されたり見捨てられたりする現実がつらすぎる。老も若きも素人も総出での銃での応報がはてしなく続き、読んでいるだけでもしんどい。しかし、ファシズムに抵抗するという立ち位置は一見同じでも平等を理想とする共産主義と反共、保守派らが建前として協力し合いながら本音では信じ合えずひとつになれないのはいまの日本の政治とも重なるような気がした。
    国がめちゃくちゃになってしまったクリロともともと流浪の民のイザーク、立場も考えもちがう二人の友情はかけがえがない、なんとかずっと続いてほしいと願わずにいられないし、そうした信頼関係なくして平和は取り戻し得ないだろう。
    マイスナー大佐の屋敷から逃げ出したフィーは収容所にもどり、ミントはつかまりながらもあちこちをつないでは逃げ、謎を追い続けるイヴァンは孤児の少女と知り合う。次巻で物語はおわるが、みんな再会できるのだろうか? そして、あのふしぎな先生はどこかからひょいと現れるのだろうか?

  • 20180321読了
    1996年発行。連載は1985年。兄と弟、どちらの闘いも読んでいて苦しい。3人目の主人公でもある弟の友人女性はドイツ軍人のもとから収容所へと移る。複雑な歴史を、巧みな人物配置とストーリー展開でこんな作品にまとめあげる才能!

  • 断捨離、2013春。

  • 第二次大戦中の旧ユーゴパルチザンを描いたもの。40年以上前のものですが、ユーゴ内戦を起こすに至った要因は、第二次大戦前から何も変わっていなかったことがよくわかります。

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著者プロフィール

坂口尚(さかぐち ひさし)
1946年5月5日生まれ。高校在学中の1963年に虫プロダクションへ入社。アニメーション作品『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』等で動画、原画、演出を担当。その後フリーとなり、1969年、漫画雑誌「COM」誌に『おさらばしろ!』で漫画家としてデビュー。以後多くの短編作品を発表。アニメーションの制作にも断続的に携わり、24時間テレビのスペシャルアニメ「100万年地球の旅 バンダーブック」「フウムーン」等で、作画監督、設定デザイン、演出を担当。1980~82年、代表作の一つとなる『12色物語』を執筆。1983~95年にわたって、長編3部作となる『石の花』『VERSION』『あっかんべェ一休』を発表。1995年12月22日逝去。1996年、日本漫画家協会賞 優秀賞を受賞。

「2019年 『坂口尚 トム=ソーヤーの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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