- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062602587
感想・レビュー・書評
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261p クリロとイザークを前に、ブランコが言う。
(ブランコ、前の戦争の時もこうだったのかい? いつまでもいつまでもこんなみにくい争いが続くのかい!?)
あの対戦が終わったあと、もう こりごりだと思った……。
しかしまたおっぱじまりやがった。
人間てェのはしようがねェバカどもだ……。
しかし……なあ二人とも。
人間の最悪ばかりを見るな……。
人間の美しさばかりを見るな……。
おれがいえるのはこのくらいのことだ……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハーケンクロイツ ニーチェ キリスト 豚 ユダヤ人 ヒトラー 三つの宗教 五つの民族 パルチザン ユーゴスラビア
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2022.7.10市立図書館
1943年冬から夏。連合国からの支援を待ちつつドイツ軍に追い詰められ耐え忍ぶチトー指揮下のパルチザンの内部も一枚岩からは程遠く、捕虜や老人や子どもなど弱い立場のものほど虐待されたり見捨てられたりする現実がつらすぎる。老も若きも素人も総出での銃での応報がはてしなく続き、読んでいるだけでもしんどい。しかし、ファシズムに抵抗するという立ち位置は一見同じでも平等を理想とする共産主義と反共、保守派らが建前として協力し合いながら本音では信じ合えずひとつになれないのはいまの日本の政治とも重なるような気がした。
国がめちゃくちゃになってしまったクリロともともと流浪の民のイザーク、立場も考えもちがう二人の友情はかけがえがない、なんとかずっと続いてほしいと願わずにいられないし、そうした信頼関係なくして平和は取り戻し得ないだろう。
マイスナー大佐の屋敷から逃げ出したフィーは収容所にもどり、ミントはつかまりながらもあちこちをつないでは逃げ、謎を追い続けるイヴァンは孤児の少女と知り合う。次巻で物語はおわるが、みんな再会できるのだろうか? そして、あのふしぎな先生はどこかからひょいと現れるのだろうか? -
20180321読了
1996年発行。連載は1985年。兄と弟、どちらの闘いも読んでいて苦しい。3人目の主人公でもある弟の友人女性はドイツ軍人のもとから収容所へと移る。複雑な歴史を、巧みな人物配置とストーリー展開でこんな作品にまとめあげる才能! -
断捨離、2013春。