のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫)

著者 :
  • 講談社コミッククリエイト
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062603331

作品紹介・あらすじ

遠い昔…そこに夢の楽園があった―――。 「美和」が売られて行く夜、亡くなった美和のお母さんが美しい火の玉になっておくり出した…。目に見えなくとも何かいる…。著者の原体験を描く感動の少年時代。

感想・レビュー・書評

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  • 「夏ものがたり―ものがたり12か月」の本の中で
    水木しげるさんが妖怪に興味を持った
    のんのんばあとの出逢いの話を読んだことがきっかけで
    ぜひ読みたいと購入した本書。

    のんのんばあは物事のすべてに垣根を持たず
    命を尊み、自然を畏れ敬い、子供とも同じ目線で
    大切なことを語りかけてくれるステキな人。

    まだ昭和の始まりの混沌とした日本の古き良きものと
    無知故に今の日本とはまた違った悪い面を抱えた時代。
    その時代の日本の大人としては柔軟かつ想像力に豊な父と
    大らかな母、兄弟、祖母のようなのんのんばあ、
    多感な少年期の水木さんに甘酸っぱさと切なさを
    教えてくれた女の子たちとの出逢いと別れ。

    大好きな"小豆はかり"や、「桜大の不思議の森」にも登場した
    "ひだる神"の話があったのもうれしかった!

    どんな生活の中で何を感じ、何を想い、どう成長してきたのか
    運命と縁に導かれて作られていく水木先生の誕生ストーリー。

    • nejidonさん
      あやさん、こんにちは♪
      のんのんばあ、懐かしいです!
      こんな風に年をとりたいと、ずうっと思っています。
      水木さんの漫画は小さな頃から読んでい...
      あやさん、こんにちは♪
      のんのんばあ、懐かしいです!
      こんな風に年をとりたいと、ずうっと思っています。
      水木さんの漫画は小さな頃から読んでいますが、ファンだと言ったら「ええ~!?」って女子に一斉にひかれたことがあります(笑)
      時は移り、それが今や・・分からないものですよね。
      久々に読んでみたくなりました。
      素敵なレビュー、ありがとうございます!
      2013/07/26
    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡nejidonさん

      nejidonさん、こんにちはー♡

      のんのんばあ、ステキですねー[^-^]
      変な枠がなくて、人の目を...
      [♥óܫò]∠♡nejidonさん

      nejidonさん、こんにちはー♡

      のんのんばあ、ステキですねー[^-^]
      変な枠がなくて、人の目を気にしたり
      見栄を張ったりすることなく、大切にすべきことを
      大切にできるように教えてくれる優しい分別のある大人で
      のんのんばあの1つ1つにじ~んとしますよね。

      水木さんで引かれるんですか!?
      水木さんの作品は鬼太郎ぐらいで、ほとんど
      子供の頃は読んだこともなかったんですが
      妖怪の本が大好きで、子供の頃からいろんな妖怪に夢中でした。

      虫もホラーも大好きだし、女子の感覚からは
      遠い…のかもしれません…[笑]
      切ないお話も多かったけど、のんのんばあの小説も買ってあるので
      これから読むのが楽しみです~っ[*Ü*]
      nejidonさんもぜひぜひ妖怪の夏をご一緒しませんか~♡[笑]
      2013/07/26
  • 水木しげる追悼の意を込めて再読。
    昔NHKでドラマをやっていたが、それが面白くて今でも鮮明に覚えている。
    境港=鬼太郎ロードで賑わっているが、賑わう通りを一本脇に入ると、ついと鄙びた港町が現れる。あそここそが、しげーさんの故郷なのだと、久しぶりに読んで実感した。
    1922年生まれのしげーさんが、12歳くらいの時の話だから、時は1934年とかその頃。この境港でも人身売買がされていたことが驚きだった。神戸の芸者置屋に売られて行く7歳の少女。東京から肺病で療養に来て亡くなっていく女の子。銀行で働く傍ら活動映写機を使って映画館を始めたり、「勉強なんて落第しない程度にやっておいたらええ、今は今でしか財産をいっぱい作ったらええ」と言うへたれだけど素敵なお父さん。
    鬼太郎よりももっと現実的な世界だけに、リアルな時代を生きる人を感じられて面白い。

    子どもだからってごまかさないで真剣に話してくれるのんのんばあと、しげーさんは十万億土で再会していることだろう。
    それにしても、コテコテの境港弁は、鳥取歴弱冠2年の私にはまだまだ到底未知の言葉だでね。

    ——————————————————
    それはなあ
    千草さんの魂がしげーさんの心に宿ったけん心が重たくなっちょるだがね。
    でもしばらくするとその重たさにも慣れるけん。心配はいらんよ。
    身体は物を食うて大きくなるけど
    人の心はなあ いろんな魂が宿るけん 成長するんだよ
    小さい頃からいろんな物を見たり触ったりしてきちょるだろ
    石には石の魂があるし 虫には虫の魂があるけんなあ
    そげんさまざまな魂が宿ったけんしげーさんはここまで成長したんですなあ
    でも ときに宿る魂が大きすぎることがあってなあ
    これから先はもっともっと重たい魂が宿るけんなあ
    でもしげーさんの心もその重たさをもちこたえるぐらいに大きくなって
    大人になっていくんだでね

  • その悲しみは宝物だ。えけ思い出をもらったな。勉強なんか落第しない程度にしたらええ。それよりいまは今でしか作れん財産をいっぱい作ることだ。それがいつか役に立つ時がくるけんなあ。

  • 水木しげるの少年時代を綴った漫画。エッセイなどでよく出てくるのんのんばあが年は離れていても水木さんの友達のようでおかしい。ガキ大将をめぐる争いがすさまじく、よく死人が出なかったなと思う。水木さんが恋する女の子と常に悲しい別れになるのが切ない。昔は簡単に人が死んでいった。そういう時代に妖怪信仰があったのは自然なことなのだろう。水木さん一家も味わい深い。何度でも読み返したくなる名作。

  • 密かに水木先生の最高傑作と思ってます。

  • 生(き)そのままに表される、密度の濃い漫画。

  • 漫画だからさらっと読める。
    時代や地方性など、今、私たちが生きる現実とは
    多々違うこともあるけど、大事なことは変わらないんだなあと思える。

    のんのんばあの言うことには、重みがある。
    お父さんもダメ親父のように見せかけて、
    ちゃんと大事なことを言っていた。
    「その悲しみは宝物だ。ええ思い出をもらったな。勉強なんか落第しない程度にしたらええ。
    それよりいまは、いまでしか作れん財産をいっぱいに作ることだ。それがいつか役に立つときがくるけんなあ。」
    「男にとって女は教師だよ。学校なんかじゃ教われないいろんなことを教えてくれる。
    学校なんかやめてもええが、女に恋することをやめたらあかん。」


    千草を亡くし、悲しみに暮れるしげーさんに
    話すのんのんばあの話は、私にも優しく響いた。

    亡くなった人の魂が自分の心に宿るから、
    心が重くなる。
    でもしばらくすると、その重さにも慣れるから、
    心配はいらない。
    身体は物を食べて大きくなるけど、人の心は
    いろんな魂が宿るから成長する。
    もっともっと重い魂が宿っても、その重たさを
    もちこたえるぐらいに、人の心も大きくなって
    大人になるのだと…

    ものすごくじんときた。
    こんなことを言ってくれる大人がそばにいたこと、
    作者の水木さんは幸せだったんだなあと思う。

    この世は、人間だけが幅を利かせて
    生きて良いわけではなく、ちゃんとあちらの世界の
    人?物?にも敬意を表さなくてはいけないこと、
    しみじみと感じる。

    ところどころに出てくる妖怪も、怖いけど
    どこか可愛いところもあって、日本の風土や
    風習に由来してるんだろうなあと思わせるところが
    ある。小豆ばかり…が特に好き。

    ラストのお話、美和ちゃんのお話は
    切なかったなあ。
    1人浜辺でゆらゆらと揺れる光、
    美和のお母さんと話す姿、きっと本当に
    お母さんの魂だったんだろうなあ。
    自分で決めて、神戸に芸者として売られて
    行くことを受け入れていた。

    不幸の中にある幸せの芽…
    生きる目標が定まったということはある意味、
    幸せかもしれない。

    大事な場面で出てくる、お父さん、
    良いこと言うなあ。ら
    あの時代、本当に子供が売られるみたいこと、
    あったんだろうなあ。

    のんのんばあが言うには…
    こちらが優しい気持ちで向き合うたら、
    霊も優しくなるもんでなあ。
    あるんだろうな、私には見えない世界も。
    面白かった。水木さん、すごい。

  • どこからどこまでが、フィクションでノンフィクションなのか不思議なお話
    作者の水木しげるにとっては全て本当のことなんだろうなぁ、と
    不思議体験をこんな日常茶飯事は大変だろうけど、妖怪にはやっぱりあってみたいなぁと童心に帰りました

  • ほのぼのとした温かい気持ちになれる漫画。

  • 新刊(文庫・千葉2)
    ※蔵書?下北沢あるかも?

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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