天上の虹(2) (講談社漫画文庫)

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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062606837

感想・レビュー・書評

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  • 大田皇女が娘、大伯おおくを生む

    熟田津に 船乗りせむと月待てば
    潮もかなひぬ いまは漕ぎいでな

    にぎたづで、船出の時をえらんでいたが
    潮のながれが理想的になったから
    さあ、こぎ出そう いま

    斉明天皇さいめいてんのうが亡くなる。
    継ぐのは、間人皇女で、仲天皇と記録される

    鸕野讃良皇女、男子草壁皇子くさかべのみこを生む

    大田皇女、病いの中で、息子大津を生む

    大友皇子は、父中大兄皇子に頼み、十市皇女と結婚する

    仲天皇、亡くなり、遂に中大兄皇子が天智天皇として 即位する

    大田皇女、亡くなる

    柿本人麻呂、鸕野讃良皇女と出会う 22歳

    歌はまず自分の心がなくてはよめません
    自分の心の視線を定めることがいちばんたいせつですが、ほかの人の気持ちになりきってうたうこともまた
    まるでほかの人生を生きるような喜びがあります 人麻呂

    茜さす 紫野ゆき標野ゆき
    野守は見ずや 君が袖振る

    紫草の 匂える妹を憎くあらば
    人妻ゆえに 我恋いめやも

    蒲生野にて薬狩

  • 子らにせがまれ二冊目。
    7.船出(熟田津に)
    8.大田皇女
    9.白村江の戦い
    10.間人皇女
    11.近江大津宮
    12.天智天皇
    13.蒲生野(茜さす、紫草の)
    讚良16歳から22歳、祖母の死、息子の誕生、叔母の死、姉の死、人麻呂や不比等とのであい、叔父で夫となった大海人への思慕を深めつつ父の中大兄を超えた強い存在となることを目指して学び決断していく。
    好みを言えば山岸凉子系のほうが好みで、この作品は女性漫画らしすぎるというかどろどろしてサービスショットが多すぎるような気がするけれど、テーマと話の流れは興味深い。

  • 第2巻では、白村江の戦いで日本が大敗し百済は滅亡する。あわてて防御態勢を整える中、遂に天智天皇が即位する。漫画では、激動の時代を背景にした人間ドラマが繰り広げられる。斉明天皇、間人皇女、大田皇女が次々に亡くなり、残された人々の運命を変えていく。

  • この2巻を読んで、額田王という女性は何と魅力的な人だろう~と思いました。
    当時の権力者、中大兄皇子に見初められた額田王は恋人である中大兄皇子の弟、大海人皇子との仲を無理やり引き離される。
    それだけで、そんな男を愛せるものか・・・と思うけれど、額田王はその状況をしなやかに受け入れる。
    それは自分に無理を強いるものでなく、見ていてとても自然で・・・。
    それもただ尻軽な女という印象は全くない。

    「男に生まれたら良かった」と言う讃良皇女に彼女は言う。
    「男の人は自分が手に入れた愛を信じます。女は-たとえ手にはいらなくてもたとえ別れても-自分がどれだけその人のことを思っているかで愛をはかります。自分しだいです。女の愛は。」
    「そしてそういう女の強い愛の力が-目に見えないところで男の人を動かしているのです。あなたもいまにわかります。讃良さま。歴史をつくるのは女です」

    こういう女性こそが本当に賢い人だと思う。
    しかも、彼女は自分に与えられた状況を受け入れるだけでなく、その中で力強く生きようとする。
    誰もが恐れる権力者であり、自分の血を分けた母親、妹にすら冷たい人間だと思われている中大兄皇子の心の奥の淋しさを知り、彼を心から受け入れる。
    帰ろうとする中大兄皇子に、
    「明日もきてくださるかしら?むりはいいませんけど・・・」
    「きていただけたらうれしいわ」
    と言う。
    愛する女性からこんな事を言われて嬉しくない男性がいるだろうか。
    何て素敵な言葉だろう。
    孤独な男にとってこれ以上の言葉があるだろうか。
    女性として、何て素晴らしい態度だろう・・・!
    と、見ていて感動した。
    聡明で美しいだけでなく、思いやりもある。
    こんな最上の女性はそうそういない。
    私が男だったら、こんな女性を絶対手放したくない!と思う。
    そして、同性としては憧れの眼差しで見てしまう。

    この物語の主人公、讃良皇女はそれとは正反対の女性だと思う。
    聡明で当時の世相を見る目をもつ讃良皇女は夫である大海人皇子に「戦友」と呼ばれ頼りにされる。
    率直で強い性格の讃良皇女。
    しかし、男性の目から見ると、女性としての魅力には欠け、女性として愛されない孤独な心を抱えている。
    額田王に比べると固い印象の讃良皇女。
    だが、まっすぐに前を見て進む力強い彼女の姿には額田王にない魅力を感じる。
    同じ人間に二つの魅力を求めるのは土台無理なのだと、この二人の女性を見て感じた。
    しなやかにしなる枝のような額田王とまっすぐに伸びる竹のような讃良皇女。
    対照的でありながら、二人ともとても魅力的だ。

  • 自分でもおそろしいほどに
    日本史(だけじゃないけど)を知らないので、
    いっぺんに天皇の名前(と顔。漫画だけど)を
    5人も覚えてしまって、なんだか賢くなった気分。笑

  • 2010.04.29

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著者プロフィール

里中 満智子(さとなか まちこ)
1948年、大阪市生まれの漫画家。大阪芸術大学教授。
1964年に第1回講談社新人漫画賞を受賞、16歳でデビュー。そのため、大阪市立桜宮高等学校を中退する。
日本書紀からギリシャ神話まで、スケールの大きな物語を数多く手掛け、漫画や文化の普及に向け多くの活動に関わっている。
代表作として『天上の虹』『海のオーロラ』『アリエスの乙女たち』『あすなろ坂』ほか多数。1972年『あした輝く、姫が行く』で講談社出版文化賞、1982年『狩人の星座』で第6回講談社漫画賞、2006年に日本漫画家協会賞文部科学大臣賞をそれぞれ受賞した。

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