ペトロフ事件 (文庫コレクション―大衆文学館)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062620642

感想・レビュー・書評

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  • 作者の処女作であり、「宝石」長編推理小説懸賞第一席作品でもあり、読み応えバッチリです。
    満鉄の時刻表や風景描写が当時の雰囲気を伝えています。
    やはり、力量のある作家は、デビュー作から違いますね。

  • 舞台は昭和17年(1942年)10月の満州。ロシア人の富豪イワン・ペトロフが殺され、ロシア語通訳のため鬼貫警部が捜査に加わる。容疑者はペトロフの三人の甥でアントン、ニコライ、アレクサンドル。三人はそれぞれアリバイがあるが、金に困っており遺言状を書き換えられる前に叔父を殺すという動機があった。鬼貫は三人の中に犯人がいるとしてアリバイ崩しのため捜査を開始する。

    最初にニコライのアリバイが崩れる。犯行日時に一緒にいたと証言した中国人は太陰暦を用いていて、太陽暦を用いる日本人、ロシア人とは暦が異なる。このためアリバイは成立せず、ニコライは逮捕される。

    そこにニコライとアレクサンドルの婚約者ナタリヤが犯行日時に写真をとっていることがわかる。このためニコライのアリバイが証明され釈放される。しかし、反対にナタリヤと一緒にいたとしていたアレクサンドルのアリバイが崩れ逮捕される。

    この時、鬼貫はアレクサンドルが犯人ではないのではと疑っていたが、結核の疑いありとして東京に帰ることになってしまった。ナタリヤは鬼貫の捜査を引き継ぎ、アレクサンドルのため真犯人を探す。そんな中、アレクサンドルが犯行日時に叔父の家に行ったが叔父はすでに死んでいた。そこに荷物を届けに来た店員に叔父の声を真似して受け答えしたと証言した。これによりアントンのアリバイに疑いが生じる事となり、ナタリヤはアントンの捜査を開始する。

    列車で移動中のアントンには不自然なほど多くの目撃証言があったが、アレクサンドルの証言から犯行日時が数時間早まる目撃証言の合間に叔父を殺害し同じ列車に戻ってくることが可能であるとわかった。

    結核が間違いだとわかった鬼貫は満州に戻ってくることにした。乗った船が事故に会い行方不明になったかと思われたが、別の船に乗り災難を免れることができた。満州に戻った鬼貫はアントンと婚約者の郭運環の元を訪れる。ふたりにアントンのアリバイが崩れたというと郭運環は何気なくその場を離れ行方不明となる。彼女の行方を追った警察はイワン・ペトロフを殺したのと同じ銃で自殺した郭運環を発見する。

    アントンと郭運環が共謀して叔父を殺し、アントンは列車での偽のアリバイ工作を施した。郭運環に疑いが向かないよう叔父の死体発見後鬼貫の目の前でアントンが郭運環に電話をかける。電話の相手は郭運環ではなかったが鬼貫は郭運環だと勘違いし、郭運環は長い間疑いを避けられた。結局アントンも自殺し事件は集結した。

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