蔦葛木曽棧 上 (文庫コレクション大衆文学館 く 1-3)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062620673

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいるとまるで演劇を見ているかのような気分になりました。音読しても楽しいかもしれない一冊です。下巻と合わせて読みましたがたくさんの人々が出てきて一つの大河ドラマのようです。五右衛門や木曽義明など歴史に出てくるような人々の名前や、陰陽道などの話も出てくるので楽しく読めました。
    是非どうぞ(^^)

  • ビブリア古書堂2に出てきた本です。あちらでは完本とのことで函入りでしたが、私は文庫版を。
    まさかじぶんが古本を買うとは・・・。気になってネットで探したら、定価の5割増しくらいだったので、これくらいならとポチッと。いや便利な世の中です。前回のたんぽぽ娘と言い、ネットがなかったら読むことなんかできなかった。

    内容はまだまだ前半戦といった感じ。とりあえず登場人物を出してきて、ってところですね。お話は後半に期待です。登場人物が多いんだ。忘れてしまいそうなくらい。鳰鳥が主人公かと思いきや、後半ぜんぜん出てこないし。後半の島君の話はなかなか良かったなあ。お吉の対決や兄紋十郎とのやり取りもね。
    ちょいちょい読めない漢字が(笑)。「驀地ら」で「まっしぐら」。「周章る」で「あわてる」。読めないねぇ。でも、昔はこのような表現をしていたのか、と思うと不思議というか感慨のあるものです。
    『狼の交尾う(つがう)ところを見ると見た人間を食い殺しにくる』なんて伝承があるのかしらね。『臨終(いまわ)の妄執は五百生』なんてのもすごい言葉だなあ。笄というのも初めて聞きました。昔の風習みたいなものを知るのは面白いですよね。
    よく昔にこんな荒唐無稽というか破天荒なお話、思いついたなあ、とか思ったけど。まぁでも、読んでないですけど、南総里見八犬伝とか封神演義とかもあったんですもんねえ。

    これを栞子さんが子供の頃読んだという設定になっていますが、作者の三上さんも子供の頃に読んだんですかね???

    • urarinchoさん
      ぐ、下巻が出てこない・・・ので、コメント欄に感想メモを。
      2012.7.25読了
      最後はやや失速か。双玉の原のあたりから「残りページ数足りな...
      ぐ、下巻が出てこない・・・ので、コメント欄に感想メモを。
      2012.7.25読了
      最後はやや失速か。双玉の原のあたりから「残りページ数足りなくない?」とか思ったら、やっぱりでしたね。あっけない幕切れ。まあ、こんだけのキャラクター出して、話があっちこっちに飛んで、それぞれにオチをつけるのはむずかしいですよね。まあでも、面白かった。次から次へとイベント発生。破天荒でしたねえ。
      右衛門と島君,右京次郎と小枝,市ノ丞と芳江姫がめでたく結ばれたのは良かった。花村右門と山吹もね。木村常陸介と中御門山尾も、人丸左陣と傾城小銀、もうまくいったのかな。こうしてみると夫婦が多いな。オースチン僧が愛を語ることも多かったし。キリスト教の影響なのかな?
      御岳冠者が主人公だったのか・・・それほど出番なかったけど。仇討もまさかの顛末。替え玉のお六が刺しちゃうし。
      上巻ではなかったのに、時々ナレーターというか第三者の説明が入るのが意外というか、気になる文体だったな。
      連載時は途中で筆をおいたのですね。二つのエンディング(と言っても1つは途中で筆をおいたバージョンですけど)載せられているのはなかなか粋な計らいと感じました。
      解説が良く書かれているなーと感心。指摘事項は的確、至極ごもっともと思いました。
      ところで、石川五右衛門はどうなった??結局そんなに悪い奴じゃなかったのかな?
      2012/07/28
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著者プロフィール

明治二十年(一八八七年)長野県に生まれる。早稲田大学在学中より演劇運動に参加。大学中退後、大阪朝日新聞社の演劇記者、松竹座の座付き作者となる。病を患い、長野県に戻り「講談倶楽部」「少年倶楽部」などに執筆、怪奇、幻想、耽美的な伝奇小説の第一人者となる。『神州纐纈城』は、昭和四十三年(一九六八年)復刊され、三島由紀夫に激賞される。昭和十八年(一九四三年)死去。

「2023年 『神州纐纈城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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