地獄の奇術師 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.17
  • (21)
  • (49)
  • (158)
  • (28)
  • (9)
本棚登録 : 657
感想 : 86
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630153

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 当時新本格派なんて知らずに読みふけったなかの1冊! 綾辻行人先生や有栖川有栖先生、歌野晶午先生、我孫子武丸先生を呼んでたらあとがきに必ずでてくる作家に二階堂黎人先生の名が!
    デビュー作品を読んだらノックアウト!オドロオドロした雰囲気がよく名探偵二階堂蘭子がまたよくてね!
    あの当時は幸せな読書体験だったな〜

    はやく蘭子事件簿読みたいね〜

    ぜひ〜

  • 再読。自宅本。円居挽のルヴォワールで「二階堂蘭子」の話が出てきたので、読みたくなった。
    昭和42年を舞台としたガチガチの怪奇趣味ミステリ。地獄の奇術師と名乗る怪人がトランプを残し、殺人予告をし、一族を皆殺しにしていく。衆人環視の密室など事件も盛りだくさん。戦時中の悲劇、悪魔祓い、黒ミサなどなど、本格モチーフ満載。
    まず、二階堂さんの小説は合わない人はまったく合わないと思う。夥しい量の注釈、海外ミステリに対する蘊蓄、そして最終章に代表されるこじ付けに近いロジック展開など、辟易する部分もある。
    当たり外れも多く、いまいちな作品も多い。
    ただ、初期蘭子シリーズは、ボリュームたっぷりで本当に面白いので、是非読んで欲しい。

  • 横溝。乱歩。クイーン。カー。怪奇。探偵。密室。あらゆる要素を詰め込みました。でも、そんなにうまく行きませんでした!!な作品。
    トリックは一部関心するところもあり、クイーンやカー好きなら、( ̄ー ̄)ニヤリとする展開や設定は好き。
    最後に駆けての神がかりな展開を許容できるなら、むしろハマりそう。私は笑いました。嫌いじゃない。

  • 本格ミステリーに対する気負いが著者にあったのかもしれない。
    20年以上も前の物語でもあるし、多少の古さは仕方のない面もある。
    それにしても、このうんざりとするほどの注釈の多さは何だろう。
    読んでいて気になってしかたがなかった。
    トリックはミステリー慣れしている人にとっては驚くほどのものではない。
    何よりも伏線の張り方がわかりやすすぎて、真犯人が容易にわかってしまう。
    ミイラ男の登場だけでも「えっ?」と思っていたのに、限られた登場人物の中に犯人がいると考えればおのずと真犯人の姿が浮かんできてしまう。
    妙に浮いてみえた惨殺方法も、横溝的な雰囲気を出したかったのだろうか。
    犯行の動機やアリバイなどに大きく関わるものではなかっただけに、何故殺害方法をあれほどまでに残虐にしたのかよくわからなかった。

  • 蘭子さんデビュー作、良くも悪くも懐かしいというか…。いろいろぶっこまれまくりです。青春ミステリとも言えそうだし、乱歩のような怪奇的要素。うん、いろいろ乱歩だ(笑)作中では古今東西の名作に触れられ、二階堂氏のミステリ愛のようなものを感じます。おかげで読んだことない物の、ネタバレを食らった気も。先ほども言ったとおり、ミステリ愛が強すぎて乱歩を筆頭に作品の背後に先達の方々が見え隠れしているように感じました。とはいえ、この古めかしい雰囲気も結構好き、蘭子のムカッとこさせる言動もかわいいし、もう少し追跡です。

  • 『人狼城の恐怖』が面白かったので、二階堂黎人の初期作をまとめ買い。でも、本作は後にE・クイーン『十日間の不思議』を読んだら、動機も手口もそっくりじゃない? って思ってしまったのである。

  • 地獄の奇術師 二階堂黎人
    読みました。
    面白かった。
    シリーズ物最高です。
    次回作を明日から読みたい。

    推理小説、探偵小説、ガイドが参考になる。

    まだまだ知らない作家作品がある。
    入手したい本がまた増える。
    順番待ちの本がまた増える。
    すべて読むため長生きしなければいけない。
    いい本しか読みたくない。
    時間を無駄にしたくない。

  • この雰囲気このトリック

    久々にミステリーの王道に出会った感じ

  • ミイラのような異様な格好をした人物が
    自宅周辺に現れた。

    一体どういう男で、何の目的が…という
    分かりやすい所から始まった、と思ったら
    ものすごく絡み合って不可解な事件に。

    言われてみれば、と振り返るところもありますし
    そうだったのか、と驚く場面も。
    今と違う、戦争終わってちょっと、という時代なので
    こんな複雑な人間関係ができた、ともいえるかと。

  • 江戸川乱歩風の探偵小説。
    面白いけど漫画。動機がおどろおどろしくて意味不明。トリックを楽しむ探偵小説。

全86件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

二階堂黎人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×