台所のおと (講談社文庫)

著者 : 幸田文
  • 講談社 (1995年8月2日発売)
3.90
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  • レビュー :99
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630276

作品紹介

台所のおとは幸田文さんが書かれた短編集です。10編の短編からなっています。台所の炊事するときの音は普段意識しない音です。そんな音に注目して美しい文章で幸田文さんが表現している短編です。昭和の女性の日常などが丁寧に描写されていることも読みどころの一つです。現代でのんびりと生活している自分を見つめ直すことができます。

台所のおと (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 表題作の「台所のおと」ほか9つの短編集。
    昭和の時代のしっとりとした味わいのあるお話です。

    女性の「内助の功」ともいえる細やかな倹しさのなかにも
    芯のしっかりとした骨太さがみえて凛とした佇まいがとても美しい。

    そんななかに時折ぶっとんだ(と思う...)言葉遣いが織り込まれていて
    思わず ん?...と目が点になってしいます。(笑)

    その言葉遣いは、著者さんと作品の描かれた時代からして
    古い言葉なのかもしれませんけれど、私にとってはとても斬新で新鮮。
    面白くてユニークでくすりと笑えて、なんだか心がぽっと
    あったかくなるようでした。

    ・二階の二タ部屋ぶっこぬきの仕事場

    ・自分の気持ちがうじゃじゃけそうでいやだ

    ・電車も傘もリヤカーもみなのろくさい

    ・私勝手なおしゃべりでございますが
    ひとこと素っぱ抜きを申し上げさせて頂きます

    全部がそうといわけではないと思いますけど
    江戸言葉だったりするのでしょうか。

  • 本棚を整理していたら幸田文さんの「台所のおと」が出てきたので、布団の中に持っていって読み直す。やっぱり、この小説はすごくいい。私にとって、すごくすばらしい。志賀直哉の「小僧の神様」も大好きだが、同じような質のじーんと来方だ。いい小説って、こうして何度読んでも、すっかり初めてのように感動する。(高山なおみ)

  • 十編の珠玉の短編。時計が時を刻む音が聞こえてくるようなゆったりした時間の中で切ない物語が展開する。読んでみると現代は忙し過ぎて、家族を思う余裕も無いという事実に気付き、愕然とした。たまには携帯電話もテレビも止めて、ひっそりとした空間でゆったりとした時間を過ごすことも大切なのかも知れない。

  • 美しい文章と、決して退屈しないその流れのよさにうっとりしてしまう。
    静かな場所でゆっくり読みたいと思った。
    表題作の「台所のおと」と、「雪もち」が特に好きです。
    どの作品も、五感の鋭さ、芯の強さが、女性らしさを際立たせている。

  • 短編集でありながらエッセイのような読み心地。
    人生、日常においてのそこかしこで感じてきたことをこんな風に言葉にできたら素晴らしい。
    折に触れて読み返したい一冊。
    「台所のおと」「食欲」「一人暮らし」が特に良かった。

  • 台所のおと
    幸田文には珍しい創作された短編が入っています。
    やはりエッセイのほうがいいかも。

  • 個人的に、結婚適齢期以上の女性に読んでほしい一冊。
    夫婦とは、老いとは、何か、をつかむ端緒になるはずだ。
    中でも「祝辞」は、女性でなくとも、家庭を持つ全ての人に読んでもらいたい。

  • 表題作を含む10篇の短編集。
    本当に強い女性というのは、この作品に出てくる女性たちのことを
    言うんだろうなと思った。
    大きな声で主張を述べたりエネルギッシュに活動したりするのではなく、
    動かしがたい状況に寄り添って生きていくような女性。
    もしいつか結婚や出産をする時が来たら、その時こそ読み返したい。
    どの話も良かったが「祝辞」が特に印象的だった。
    幸田露伴の娘さんだとは知らなかった。

  • 病を患い床に伏せる料理人の夫と、その夫の代わりに台所に立ち料理をつくる妻の物語。
    台所のおと。包丁で切る音、鍋にふたをする音、ざるを使う音…。妻の立てる「音」にじっと耳を澄ませ、いい音だとほめる。音、とは人を表しているのである。決して派手ではない日常にも、小さくきらきらひかるものがある。

  • ちょっと古い本を久々に読み、昔の日本の暮らしの様子、亭主関白、貧しさなど、
    良いところも悪いところも同時に触れることができ、どこか襟をただされるような気持ちになった。
    短編集だったが、どれも大きな余韻を残したまま終わった。
    もちろんその余韻で嫌な気持ちになることもなく。
    ただ、病気、看病する者の苦しさ、貧しさといった負の部分が多くかかれているため、
    読んでいてずしりと重い気持ちになることもあった。
    「祝辞」が一番好き。

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