眩暈 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1373
レビュー : 126
  • Amazon.co.jp ・本 (708ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630795

作品紹介・あらすじ

切断した男女の死体が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。「占星術殺人事件」を愛読する青年が書きのこした戦慄の日記がさし示すものは何か。醜悪な現実世界に奇想の作者が驚天動地のトリックの矢を放つ。ミステリの新たな飛翔を決定づけた傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 大学2年から数十年ぶりに読み返した今回は、分析的な読み方を心掛けた甲斐もあって、数々の粗、都合の良さや強引さが目立った。

    致命的なのは、インドネシアで殺人を犯す事に、実は何も必然性がない事。これは正に発見だった。
    魅力的な謎の創造のために登場人物が踊らされてしまったのだ。これは作者の傲慢さ以外何物でもない。

    しかし、数十年経っても色褪せぬ内容と、抜群のリーダビリティは確かに存在した。
    読者を愉しませんがための過ちと受取ろう。

  • 再読。未亡人との濡れ場はなんだったんだ...。

  • 最初の百数ページがとても怖かった。不気味でグロテスクで、わけがわからなくて怖い。『占星術殺人事件』を愛読する青年が記した妄想としか思えない手記の内容が、御手洗の推理によって現実味を帯びてくる。提示される謎のうちのいくつかは、じっくり考えれば読者でも解答に辿り着ける。色々な可能性を自分なりに考えるのが楽しかった。石岡が江ノ電に乗って調査に向かう場面が好き。数年前に旅行で訪れた、鎌倉の独特の景観が懐かしい。

  • いきなり、大きい字の子どもの手記から始まってちょっとぎょっとした。
    叙述トリックなんだろうなあ、これどうやって実際にあったことになるんだろう、と最初から思いながら読んだけど、分かったのはひとつだけだった。

    隠された4階っていうのはわくわくする。
    でも内情はかなりグロテスクで、なんていうか、耽美みたいなのが足りなくて残念。

    御手洗が石岡くんに対して酷い。
    石岡くんも御手洗に対するトキメキ?がなくなった風だけど、それより御手洗が酷いし、藤谷を出しちゃったら石岡くん要らなくなっちゃう


    別に面白かったんだけど、なんとなく後味が悪い。

  • 最初意味わかんなかった
    知性が退化してるぅ( ´_ゝ`)

  • 「占星術殺人事件」を愛読する青年の戦慄すべき日記。そこには荒涼たる世界の終焉が広がり、切断された男と女が合成され両性具有者となって彼に語りかける。醜悪な現実と蠱惑の幻想世界が今、驚天動地のトリックによって大いなる融合をはたす---------新たなミステリーの空域を雄々しく飛翔する島田庄司の圧倒的傑作!

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    背表紙に書いてあった上記の文章を見たら読まずにいられないでしょう、ヤッパリ。あまりにも突拍子なく強引な推理展開。でも面白かった。細かい部分が結構そそる。

  • いや、むちゃくちゃですよほんと、ややグロな

  • 自身の「本格ミステリー宣言」を強く意識して書いたのが本作のようです。

    その作風とは、より「詩美性」「幻想性」のある謎の提示と、「精緻な論理的推理」による謎解きがベースになるものの、従来以上に論理性と幻想性サイドを強調すべきとする。

    そして以上の経緯が書かれた、綾辻行人氏との対談を含む「本格ミステリー宣言Ⅱ」中の「眩暈が内包していたもの」では次のような話が。

    この対談後にあった時綾辻氏が自身の次作のトリック構想について語ったらしく、それが島田氏が10年来温めていた構想(「眩暈」)と同じアイディアだったことから、慌てて本作を書いて発表したらしいのだが、もしそうなら、島田氏も正直に綾辻氏の構想を聞いた時に自分も同じ構想を持っていると言うべきでした。

    結果的には綾辻氏の作品(発表年から推測すれば「時計館の殺人」だと)は「眩暈」よりも数か月先行されて発売されたようなのですが・・

    では、本作の感想です。

    長い。

    そして、精神異常者(手記を書いた人間ではない)が真実を語ったようにみせる手法はトリックとしては最低です。

    これなら、どんな不可能な状態も創造できます。

    どう考えても、彼が宣言した論理性を重んじる本格ミステリーとは程遠いやり口です。

    野崎六助氏の解説も難解です、というかミステリー小説を1冊読むのにこんな予備知識を必要とされること自体が興ざめです。

  • いやはや凄い。どう考えても現実とは思えないことを論理的に説明していく。御手洗がこれは事実だと気づくきっかけとなった渦巻きの考察も素晴らしい。なぜ乾燥機がついているのかとかなぜレモンを香織が絞ってあげたのかとか細かいところが全て一つの真実を構成する要素だったなんて。これぞ本格ミステリ。

    島田さんの著作は、絶対リアルとは思えない摩訶不思議で非現実的な物事を僅かな隙間から論理で崩していく作品が多い。しかし、それらの中でも特に今回の事件は本格性を強く感じた。

  • 面白かった!同じ文章でも見える情景が異なるこの小説ならではの美しさ…

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著者プロフィール

島田 荘司(しまだ そうじ)
1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。
1981年、『占星術殺人事件』でミステリー界に衝撃的なデビューを果たして以来、累計600万部に達した名探偵・御手洗潔シリーズや、刑事・吉敷竹史のシリーズを中心に数々の傑作、意欲作を発表。
2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の立ち上げ、選考を務めるなど、新たな才能の発掘と紹介にも積極的に取り組み、名実ともに現代本格ミステリーの旗手となっている。
近著に『アルカトラズ幻想』(2012年 文藝春秋)、『星籠の海』(2013年 講談社)、『幻肢』(2014年 文藝春秋)、『新しい十五匹のネズミのフライ ジョン・H・ワトソンの冒険』(2015年 新潮社)がある。

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