国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 9761
レビュー : 865
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630863

感想・レビュー・書評

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  • 一人っ子特有のものってあると思う。
    恋に恋してる、というか…
    ハジメくんも島本さんも、恋に落ちてるとか愛し合ってるとかじゃなくて、2人での逃避行とか心中とか、ロマンに恋してるのかなと思った。
    きょうだいがいると、有紀子みたいな家庭的で安心できる相手で満足できるのかな。
    村上春樹も一人っ子???

  • 二十数年ぶりに読み返した。というか、読んでいたことすら忘れていた。当時のオイラにはきっと理解ができなかったんだと思う。ハジメと島本さんの十二歳の時分の恋くらいしか想像ができなかったんだ。大人になってからそのとき果たせなかった想いを埋めようとするのはわかるけど、現実は残酷で当時のままのふたりでもう一度出会えることは難しい。結婚をしていたり子どもがいたりして大切なものが増えていたり、あるいは失っていたり。オイラにしたら嫁とふたりの子どもよりも大切なものって考えにくい。家族から疎まれていてもそう思う。後戻りはできないんだよね。有紀子の言うことは正しいと思う。ハジメは過去のロマンティックな自分をお金でちょっと買い戻したのかも。生きるのに必死ないまのオイラにはそんな風に見えた。

  • 洗練された文章が読みやすく、面白かった。前半の、主人公と何人かの女の子との関わりがみずみずしいような重苦しいような感じがいい。後半は所々がよくわからず。島本さんの行動が気に入らない場面もあった。

  • 1度目は夢中で読んだのにストーリーを聞かれても男女のスゴイ恋愛の話・・?と新刊の前に再読。でも全く!ほぼ1行も覚えおらず驚愕。

    人の魂の深淵と対話していくとハジメのような現象が起こるのだろう。社会で生きてくためには魂の核を追い、囚われていては生きられない。究極の魂にたどり着いてはいけないのかも。そんなことを思うと日本人の曖昧な意思表示は安全策みたい。

    村上春樹の小説は読後、心になにも残らない、何を書いているのかわからないと言う人もたくさんいるけど、今回みたいに覚えてない事実に通じるかと思った。それは何も残らない作品を書いているのではなく、深い核に迫りくると凡人は忘れてしまうっていうか、深いところに一緒にたどり着けない。そして、たどり着いてしまうことも危険。だから忘れてしまうのかな。社会でちゃんと生活すればするほど。主人公がしまっておいた封筒を亡くした途端にいろんなことがあいまいになって忘れていくのと同じに。


    最後の夫婦の会話がキモだと思った。自分の深いところ、あるいは罪に囚われていて、周りの人間に何も訪ねてはいない。自分だけのひとつの世界の外には同じ尊重すべき世界がいくつもいくつもあることを忘れてはイケナイ。それも答えのひとつになる。

    デユーク・エリントンの曲が出てきて、この本の前に読んだ「うたかたの日々」とリンクして、魂は現実にはない世界で生きられる感覚が音楽と共に流れる。

  • 地元に戻ることを決め、東京で過ごす最後の一週間、東京が舞台の物語を読みたいと思い買った本。
    有楽町のカフェで毎日少しずつ読み進めた思い出深い作品。

    もともと村上春樹の文体が好きではなかったが、この作品は、なぜか読める。
    大人の恋愛はこんなにも苦くて深いものなのか。

    バーに行ったらダイキリを頼むようになった。

  • 何か に囚われてしまった人の話 という印象。一昔前のブンガクとやらみたいな。

    読んでいて結構重い気分になったが最後に救われた気がする。

    至高体験と穏やかな幸せ
    幻想から日常へ

  • 僕が生まれてすぐほどに書かれた本。432hzのピアノメドレーを聴きながら徐々に引き込まれて一気に読んだ。就活中なんだけど、こんなテンションでいける?やりたいこと、なりたい自分、やりたいことをするためにはならなければならない自分?わかんないもん。リスク大きいし。もっともっと色んな本読んで、音楽聴いて、旅して、人と話して、経験して、タフになりたい。

  • 感想だけで言えばなんだこの最低さ、と思う節はとてもあるんだけど、振り返ってそれが誰に咎められるというのか、ということに有希子さんの言葉に気付かされる。

    約束など、できない。もしかしたら、はいつだって存在するし、自分が歩いてきた後ろにできたガチガチに固まってしまった過去と、選ばなかった未来という名のもうひとつの過去を比較しても何も生まれやしない。塗り替えることなど、できやしない。いつも最善を選んできたつもりで、新しい自分を踏み出したつもりで、でもそれはなにかに蓋をして上から重ねているだけなのかもしれない。

    彼女はどこへ行ったのか。何かが途絶えてしまう感覚。今まで自分の持てるものすべてを降り注いでいたそれが、ぷっつりとつまらなくなる瞬間。誰かに裏切られた時、大切な人を喪ったとき。そんな喪失感と毎日を生きていく。きっと誰もが、そうなんだろう。私は私でしかなく、きっと誰にも私がなにを考えているのかわからないように、誰かの喪失感に気づいてその感情に寄り添うことなんて本人にしかできやない。例え、そうだとしても、人は、大切な人を赦して、妥協ではなく、認めて、なんの確証のない未来を、ひとつずつ寄り添う努力をして生きていくんだろう。

    そんな思いを抱えて、それでも彼女は綺麗に微笑むんだなあ、とそんなことを思った。

  • 妻子のいるバーを経営する男が偶然、子供の頃好きだった女性に出会ってしまい、その人の事が頭から離れられなくなってしまう話。とても面白かった。

  • 村上春樹の小説に出てくる女性はどうしてこうも、本当にめんどくさいのに魅力的なんだろう。主体の男性と女性だけが輝いていて残りの世界はすべて色褪せて見えてしまう。この小説自体の感想としては、村上作品にはめずらしく、一見とても現実的な話だけれど、実はいちばん抽象的で概念的な小説なんじゃないだろうかという印象。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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