国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 9757
レビュー : 865
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630863

感想・レビュー・書評

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  • 心を奪われたのは、ずっと昔のことなのに。
    人生のどのタイミングでも鮮明に蘇る

    それは 好き、という言葉では"たぶん"軽々しくて、自分を構成するものが 全てその人の力によって動かされるほどの激しい感情

    おそらくそれは、自分の力ではどうすることもできない不可抗力的なもの。
    中間的な中間は存在し得ないからこそ、苦しくなる

    珍しく、2回読み返した本。

  • 何気に初•村上春樹。
    食わず嫌いだったので、ハナから斜めな感情で読み始めた。
    まどろっこしい文体が現代小説っぽいなー
    と、数ページ読んではやめの繰り返しだった。
    今日、改めて途中からスタート。
    どんどん引き込まれていった。

    登場人物は少ないながらも、全員が濃ゆいストーリーを与えている。
    主人公の葛藤、と書いたら稚拙すぎるが、人を愛する事、どうすることも出来ない事、自分の感情と、それによって影響される事象。
    複雑かつシンプルなコトに囲まれて、生きている人々。

    「とても残念なことだけれど、ある種のものごとは、後ろ向きには進まないのよ。それは一度前に行ってしまうと、どれだけ努力をしても、もうもとに戻れないのよ。もしその時に何かがほんの少しでも狂っていたら、それは狂ったままそこに固まってしまうのよ」
    は印象的なセリフ。

  • 村上春樹に登場する人物はいつもジャズとクラシックが好きで透明感があって、コミュニケーションが苦手で、どことなく世を捨てている。笑付き

  • 村上春樹はこれで三作目かな。長編は読みたくなかったので量的には丁度良かった。話の展開は他の作品と同じようにエロい描写が多い。また、主人公が悩み苦しむ様も似通っている感がある。しかし、何故か引き込まれて夢中で読んだが、個人的には夫々の登場人物がその後どうなったのか気になる。

  • “この言葉の言い回し、すごく素敵だな”ってふと
    手が止まったページにはよく、ドッグイアしながら
    読んでいるのだけど、村上春樹の本はいっつも
    折りまくっちゃうから本の端がベコベコになります。

  • 自分に欠けているものを忘れるために新しい環境へ変化しても、同じ欠落でしかない。人生が変化しても私自身は変化しない。常に何かに追われながら、何かを捨てたり、失ったりしていく人生なのだ。

  • 2日で一気に読んでしまった。大好きな本に追加。
    切ないー
    すべてを捨ててしまってもいいと思える恋。心が震える恋。その後の絶望感。
    すごく共感できた。

  • 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読了して以来、何となく、過去の作品が気になって中古屋に前々から気になってたので買ってみた。


    「誰かの人生というのは結局のところその誰かの人生なんだ。君がその誰かにかわって責任を取るわけにはいかないんだよ。ここは砂漠みたいなところだし、俺たちはみんなそれに馴れていくしかないんだ。なあ小学校の頃にウォルト・ディズニーの『砂漠は生きている』っていう映画見たことあるだろう?」
    「あるよ」と僕は言った。
    「あれと同じだよ。雨が降れば花が咲くし、雨が降らなければそれが枯れるんだ。この世界はあれと同じなんだよ。虫はトカゲに食べられるし、トカゲは鳥に食べられる。でもいずれはみんな死んでいく。死んでからからになっちゃうんだ。ひとつの世代が死ぬと、次の世代がそれにとってかわる。それが決まりなんだよ。みんないろんな生き方をする。いろんな死に方をする。でもそれはたいしたことじゃないんだ。あとには砂漠だけが残るんだ。本当に生きているのは砂漠だけなんだ」

    言葉の反復技法は今も昔もその表現方法は変わらないんだな、と感じた。「僕」に関わる性と邂逅と欠落と喪失。そして、周期的に論じられる村上春樹流「三十五歳問題」論はそれぞれの作品を通しても通じるものがある。これらが村上春樹を、村上春樹たらしめる所以なんだろう。一人称「僕」でなる物語は、客観視ではなく、あるいは形而上的に、主観的にみることによって狭小な「僕」のミクロな世界となって、そうすることによってそのことが、「青春文学」と呼ばれる作品形態の一端を担っているのだろう。


    「私の中には中間的なものは存在しないし、中間的なものが存在しないところには、中間もまた存在しないの」


    「太陽の西には何があるの?」と僕は訊いた。
    彼女はまた首を振った。「私にはわからない。そこには何もないのかもしれない。あるいは何かがあるのかもしれない。とにかく、それは国境の南とは少し違ったところなのよ」
    ナット・キング・コールが『プリテンド』を歌うと、島本さんも小さな声で昔よくやったようにそれに合わせて歌った。

    プリテンニュアハピーウェニャブルウ
    イティイズンベリハートゥドゥー


    国境の南、太陽の西。
    良い言葉。

    • 悠然卿さん
      こちらこそわざわざコメント残していただき光栄です。
      ありがとうございます。
      今後とも拙い感想ですがよろしくお願い致します。
      こちらこそわざわざコメント残していただき光栄です。
      ありがとうございます。
      今後とも拙い感想ですがよろしくお願い致します。
      2013/05/10
  • 村上春樹版「夜明けの街で(東野圭吾)」といった感じ。1Q84もそうだけど、幼馴染とか小学校の同級生でどうしても忘れられなくて、その人と再会して…っていう流れが多いような気がする。島本さんみたいな微笑みの女性になりたい。ついでに僕が妻にいきさつを説明するシーン、あんなこと言われて「いいわよこれからも一緒にいましょう」なんて言えるものなんだろうか。できすぎた妻なように思う

  • 大学生の時に読んですごい大人の話というか、大人になればこういう恋愛が分かるようになるのかなぁと思った。
    10年弱ぶりに読み返したら、年齢の問題ではなく、私にはこういう恋愛観は理解出来ないわ、と納得した。
    こんな謎だらけの異性って確かに気にはなるだろうけど、これだけ本人から事情を話してもらえなかったら自分はこの人の中に入っていけないと思って諦めると思う。
    しかも自分に家族がいるなら尚更ね。

    何事にも満足感は持続しないって話なのかなぁと思った。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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