国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

著者 : 村上春樹

• 講談社 (1995年10月4日発売)

感想・レビュー・書評

[まさんの感想 · 2023年8月25日]

中年になっても、恋愛にこんなに翻弄されるならやってらんねえわ〜って思った。
「海に降る雨」の比喩表現、著者の作品によく出てくる。

[nimosaya さんの感想 · 2023年8月19日]

キザ男とミステリアスな女性
エロいところが全然エロくない

[ぷれいあばすさんの感想 · 2023年6月7日]

不倫話。島本さん謎くて好き。

[TrsHさんの感想 · 2023年4月22日]

男の身勝手な物語。
3人の女性を傷つけた挙げ句、自己憐憫に塗れた言い訳をするのはなかなかすごい。
ただハジメくんの苦悩もなんとなく自分の人生で重ねられる部分もあり。
最後、ハジメくんの背中を叩いたのは誰なんだろう。誰もがあり得るように思える

[Suwamuさんの感想 · 2022年11月26日]

「国境の南、太陽の西」感想

主人公の中に存在するシミをじっと眺めているかの様な話だった。

サラッと内容だけならただの不倫小説である。
しかし、一々謎が多く考えさせられてしまう。

[show5さんの感想 · 2022年9月23日]

何度目かの読了。歳をとったせいもあって昔とは随分と異なる感想を抱くのだけれども、僕にとってはこの作品が村上春樹だという思いは変わらない。

[ありさんの感想 · 2021年12月7日]

自分には何か欠けている、そしてそれを埋められるものを探している、と一度でも考えたことがあるのなら、読んで後悔はないと思います。自分がつねづね考えていたことがまとまった形で言語化されていて、すきっとしたし、胸がいたいとも思った。

登場する女性がみな、芯があってすてきなので、じっとりとした雰囲気の話ではあるがそこまで落ち込まなかったかも。落ち込んだけれど。

禿ワシは芸術と明日を食べるのね？

[いぬさんの感想 · 2021年2月7日]

再々々々々々読くらい。
好きな箇所は同じだけど、刺さるところは毎回違う。
倫理的には褒められたことではないし、女の立場から言ったら「都合のいいこと言わないでよ」となる。

けど！
私はこの本が好きなのだ、それこそ"吸引力"を感じるレベルで。

そのへんにある何もかもをお盆に載せて持っていきたくなるような笑顔を持つ島本さん。
そして表情という名前で呼ばれるはずのものがひとつ残らず奪い去られていたイズミ。
彼女たちは対照的ではあるが、ハジメにとって意味するところは同じなんだろう。


そして、島本さんは「イエス」か「ノオ」しかないのよ、中間はないの、と言うが、それは幻想でしかない。
現実世界を生きる私たちは、中間を取るしかない時もあるし、むしろその方が多いと思う。
そうして生きているうちに、ある日自分の中で何かが死に、太陽の西へ西へ歩き続けて、自分自身も地面に倒れて死んでしまう。
なんとなくだけど、そんな気がした。

[わっかーさんの感想 · 2020年7月4日]

この小説を端的に表してしまえば、『不倫小説』となってしまうが、それを越えた純愛が描かれているように感じた。

主人公が少年時代に好きだった人を相手に思い悩む描写の一つひとつが真に迫っていて、私に共感を与えてくれた。

本を読みながら、私の昔の恋愛が頭の中を何度も過ぎった。私も少しばかり、頭で考えすぎてしまうタチなのかもしれない。
もっと直情的に恋愛をしたいなーと考えさせられた。笑





以下、自分なりの考察。

この物語の中で、序盤が美しい恋愛として書かれている。このことが後のストーリーに影響するのだと考える。

大人になって主人公の前に現れた島本さんは、主人公が憧れたけど過ごせなかった少年時代の偶像だったのではないだろうか。

だからこそ、主人公は少年時代に持っていた輝きを島本さんに向けて発することができたのだと思う。そして、その現実は実際には起こってないものだったから、島本さんは忽然と失われてしまう。

人生は選択の連続であり、最後には、主人公は実際的な選択をする。その葛藤と選択の中に苦しくも美しい恋愛を含めた素晴らしい作品でした。

[ひでぽんZさんの感想 · 2020年6月11日]

なんだか不思議な感じで結局何だったんだろうって終わり方だった。ただ読みやすいしそれなりに面白かったけど、主人公何あまりにも子供っぽくてわがままで腹がたった。
結局今回の浮気は反省していて別れたくないけど自分はこんな人間だからもう二度と浮気はしないとは約束出来ないけどそれでいいでしょ。ってことでしょ。有紀子はよくゆるしたな。世の中そういう男がもてるのかなぁ。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。