花の歳月 (講談社文庫)

  • 講談社 (1996年1月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784062631532

作品紹介・あらすじ

 

みんなの感想まとめ

平易な文体で描かれた古代中国の物語が、読者を引き込む魅力を持っています。由緒正しい家柄の娘が老子の教えを胸に、皇后へと成長していく過程は、まるで正しいシンデレラストーリーのようで、安心して楽しむことが...

感想・レビュー・書評

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  • 由緒正しき家柄ではあるが困窮している家の娘が、老子の教えを胸にして皇后になるまでの話。
    時は高祖劉邦から次世代の歴史小説。

    平易な文章で読みやすく、おもしろかった。
    後半の展開が早くて「どんどん解決していく」感がすごかったけれど、安心できるハッピーエンドで読後感が良かった。

    それにしても、呂皇后(呂后・劉邦の奥さん)の恐ろしさよ!本当に「人」なのか・・・。

  • 宮城谷さんの作品は読みづらい、という先入観があったのですが、この作品は文体も内容も平易で、非常に読みやすいです。
    古代中国のお話は血で血を洗う抗争が多く、幸せをつかんだように見えても油断できないのですが、本作は正しいシンデレラストーリーで、安心して読むことが出来ます。
    ちょっと『山椒大夫』が入っているかも。

  • 1996年発行、講談社の講談社文庫。この小説は特に絵が浮かぶ小説という気がする。この小説は政治的な場面がほとんどないだけに、中国風の景色が際立っているような気がする。とくに本文中の歴史蘊蓄はほぼないので、きれいに最後に向かって流れて気持ちいがいい。

    あとがき:「漢字のこと語源のこと-あとがきにかえて-」(毎日新聞1991年7月17日)、解説:「解説」藤原正彦、備考:1992年講談社から刊行されたものの文庫版。

  • 前漢の文帝の妻であり,武帝の祖母である竇猗房の話.
    リアルおちぶれてすまん人生を過ごしていた猗房の転機は10歳の頃.呂太后が諸国の王の妻を探していたとき.紆余曲折を経て代国王の妻となった猗房は王の寵愛を一身に受ける.代国王はやがて漢の皇帝になる.
    猗房が代国へ向かう前日か当日,猗房の弟である広国は人さらいに攫われ,10年以上奴隷として過ごす.ひょんなことから皇后の弟であることを主張し,認められる.
    物語の最後の広国と蘭の話が最高.

  • 中国の漢時代、劉邦の息子文帝の皇后になった女性のお話です。

    短編小説なので1日で読み終わりました。貧しいけれど教養を身に付け、心の清らかさを備えた人は魅力的ですね。

    今、奴隷制度にナイーブな時期ですが、そのような時代を超えて現代があります。

  • 竇猗房のけなげな姿が可愛らしく…… いや、萌える! 多くの宮城谷昌光作品の中で傑作と言って良いだろう。

  •  物語は前漢王朝前期、呂太后が君臨している時代である。河北の貧しい名家の娘、猗房が宮廷に使えるチャンスにめぐまれる。彼女を含め兄弟たりも紆余曲折ありながら最後には宮廷の主となるのである。このシンデレラストーリーは涙なくして語れない。

  • 文字が大きく、内容も簡潔にまとめられているが、漢字の技巧によって平易な印象を与えない。初めて歴史小説を読む人には良いと思う。

    老子の教えを愛する猗房はしなやかな考えを持つ、聡明な女性。
    10人のうち、3人は若くして死ぬ、あまりに生きたがっている結果だ、という問答が印象的だった。

  • 感動のドラマ
    良かった^_^

  •  宮城谷昌光は始めて読んだ。「みやぎや」ではなく「みやぎたに」と奥付のふりがなは書いてある。以後注意。
     落ちぶれた名門の娘、竇猗房(とういぼう)が漢の王室に入ることになった。当時宮廷で威を振るっていたのはかの呂太后。
     やがて猗房は呂太后から北方の代国の王:恒に贈られ、代国の竇姫(とうき)となる。
     呂太后の死後、栄華を誇った呂氏一族は滅び、代王恒が皇帝となり、猗房は皇后となった。

     文章がりんとしていていい。他も読んでみよう。

  • 前漢の第5代皇帝・文帝の皇后であり、第6代皇帝・景帝の母である竇猗房(とういぼう)を主人公に据えた歴史小説。短い作品で、各登場人物の描写も少ないながら、それぞれに存在感がある。
    漢字にまつわる宮城谷昌光のあとがきも面白い。

  • 心洗われる「大人の童話」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=078384

  • ・1/31 読了.本棚にあったから読んでみた.中国の古代が舞台の感動の物語.難しい見慣れない漢字が使われてたりしてなかなか興味深い.

  • 宮城谷昌光さんはどうも初めてのようです(読んだことがあると思い込んでいたのですが、間違いだったようです)。
    全体的に扇情的な大きな盛り上がりは無く、淡々と話が進みます。なんだか伝記のような感じの作品です。
    客観的というか、主人公達を冷静に外から見て、物語が綴られているようです。個人的にはもう少し感情移入したほうが好きなのですが、これはこれで一つのスタイルと思います。
    それにしても、確かにこの作者の漢字に対するこだわりは大した物です

  • やっぱり宮城谷さんは、日本語がきれい。

    でも、もっと長い話が読みたかったなー
    自分の長編好きを再認識。

  • 文字は大き目だし、ページ数も少な目で、いったいどんな風に話が進むのかと首をひねっていたのですが、読み始めたら、その手軽な字数からとは思えないほどしっかりと色々な情景・人間関係が伝わってきて、驚きました。あとがきなどの漢字の使い方の話にも感銘を受けざるを得ません。

  • 時代は前漢王朝前期・呂太后の専制下、名家ながら没落した竇(とう)家の娘、猗房(いぼう)が、推されて漢の宮中に出仕することから話は始まる。
    貧しいながら助け合って暮らす家族と別れ、宮中に入るわずか十歳の彼女。
    彼女を支えていたのは、父が語ってくれた「老子」の教えと、兄の励ましの言葉。

    所々にみられる老子の教え。

    「上善は水の若し」-最上は水のようなもの。水は万物を潤し、争うことをしない。そして水は上から下へと流れる、即ち謙ることを表す。

    「高は下をもって基となす」-高いものは低いものを基本としている。

    「禍か福の倚るところ、たれかその極をしらん」-禍は福のもたれかかるところとなり、福は禍の潜むところとなる。誰一人としてその大本は分からない。

    なるほど、面白い。

    残される家族のことを懸念する、猗房に言った兄の言葉も良いですね。

    「こういうことは、たしかに人によって選ばれるのだが、その人を動かした天の神から選ばれたことになる。天の神から選ばれたのに、それを断れば、一生不幸になってしまう。おまえが不幸になって喜ぶ者は、うちには一人もいやしない」

    中国三大悪女の一人といわれた呂太后が、夫である劉邦(高祖)の死後、劉邦の専らの寵愛を受け、呂太后の実子を排そうと企んでいた戚姫を捕らえて、手足を切断させ、眼球をくりぬき、耳を焼き、声の出せぬよう薬を飲ませ、厠に据えて「人彘(人ブタ)」と罵っていたというところはグロテスクです。
    ここまでする実の母の姿を見て、皇帝になった恵帝はショックを受けて執政を放棄してしまう。
    まあ、そんな姿を見たら、トラウマになっちゃうでしょうね。

    猗房の幼い弟、広国が誘拐されて、奴隷にされてしまう話も切ない。
    同じ奴隷で姉のように可愛がってくれた藺(りん)が、殺されかけた広国を救うために、辱めを受ける場面もやるせない。
    奴隷には抗う術などないと思い知らされるシーン。

    ラストは綺麗に纏め上げられていて、少し物足りない気もしますが・・。
    司馬遷の「史記」をもとに描かれた作品。
    史実に基づいているだけに、怖いなと思う場面が印象的。

    かなり、簡潔な文章なので想像とかは膨らみにくい感が。

    余談ですが、最初に郷父老が猗房に会って、推するに相応しいか見定める場面。
    ---男女を問わず、人を鑑(み)るには、まず声だ。

    声の大小、明暗、澄濁は、生まれつきの品格であると郷父老は考えているというところに、興味を持った私。
    良い声はそれだけで、「徳」を備えているということか・・。
    羨ましい・・。

  • 短い内容だった、が、この人のもうちょっと長い小説を読みたいと思った。

  • 世界遺産ハロン湾へ行くバスの中で読了。
    お話自体は正統派のシンデレラストーリーなのだが、何よりも表現の仕方が非常に詩的。
    これくらいの内容だからこその表現方法なのかもしれない。
    他の作品はこうではなかった。
    中国古代小説初めての人に非常におすすめ。
    仏教の影響を受ける前の中国である。

  • 自分にとって初めての宮城谷作品。
    短くて読みやすい。宮城谷さんを知らず、作品に触れてみたい人には最適の一冊でしょう。中国史をガッツリ味わいたい人には他の作品の方が良さそう。
    正直なところ、あとがきの宮城谷さんの文体についての解説の方が面白かった。
    独特の文体の妙を味わえます。(ひらがなが多く、特別な意味を込めたい箇所で漢字を多彩に使い分けて状況・感情の機微を表現する)
    本書はすっと読めるので何とかなりましたが、
    他の長編では登場人物が多そうで、メモを取らないとついて行けなさそうだと感じました(;^ω^)

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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