- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062631532
感想・レビュー・書評
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1996年発行、講談社の講談社文庫。この小説は特に絵が浮かぶ小説という気がする。この小説は政治的な場面がほとんどないだけに、中国風の景色が際立っているような気がする。とくに本文中の歴史蘊蓄はほぼないので、きれいに最後に向かって流れて気持ちいがいい。
あとがき:「漢字のこと語源のこと-あとがきにかえて-」(毎日新聞1991年7月17日)、解説:「解説」藤原正彦、備考:1992年講談社から刊行されたものの文庫版。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中国の漢時代、劉邦の息子文帝の皇后になった女性のお話です。
短編小説なので1日で読み終わりました。貧しいけれど教養を身に付け、心の清らかさを備えた人は魅力的ですね。
今、奴隷制度にナイーブな時期ですが、そのような時代を超えて現代があります。 -
竇猗房のけなげな姿が可愛らしく…… いや、萌える! 多くの宮城谷昌光作品の中で傑作と言って良いだろう。
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宮城谷さんの作品は読みづらい、という先入観があったのですが、この作品は文体も内容も平易で、非常に読みやすいです。
古代中国のお話は血で血を洗う抗争が多く、幸せをつかんだように見えても油断できないのですが、本作は正しいシンデレラストーリーで、安心して読むことが出来ます。
ちょっと『山椒大夫』が入っているかも。 -
物語は前漢王朝前期、呂太后が君臨している時代である。河北の貧しい名家の娘、猗房が宮廷に使えるチャンスにめぐまれる。彼女を含め兄弟たりも紆余曲折ありながら最後には宮廷の主となるのである。このシンデレラストーリーは涙なくして語れない。
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文字が大きく、内容も簡潔にまとめられているが、漢字の技巧によって平易な印象を与えない。初めて歴史小説を読む人には良いと思う。
老子の教えを愛する猗房はしなやかな考えを持つ、聡明な女性。
10人のうち、3人は若くして死ぬ、あまりに生きたがっている結果だ、という問答が印象的だった。 -
感動のドラマ
良かった^_^ -
宮城谷昌光は始めて読んだ。「みやぎや」ではなく「みやぎたに」と奥付のふりがなは書いてある。以後注意。
落ちぶれた名門の娘、竇猗房(とういぼう)が漢の王室に入ることになった。当時宮廷で威を振るっていたのはかの呂太后。
やがて猗房は呂太后から北方の代国の王:恒に贈られ、代国の竇姫(とうき)となる。
呂太后の死後、栄華を誇った呂氏一族は滅び、代王恒が皇帝となり、猗房は皇后となった。
文章がりんとしていていい。他も読んでみよう。