空飛び猫 (講談社文庫)

  • 講談社
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本棚登録 : 821
感想 : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (78ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062632102

作品紹介・あらすじ

仲よし四兄弟、セルマ、ロジャー、ジェームス、ハリエットは、お母さんもため息をついたくらい、翼をはやして生まれてきた猫たちです。荒れた町から森へ飛んでいった彼らはハンクとスーザンの心やさしい兄妹に出会うのですが。ル=グウィンの世界を村上春樹さんが美しい日本語に翻訳した素敵な童話です。

感想・レビュー・書評

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  • 以前から気になっていた「空飛び猫」シリーズの1作目、原著と並行して読んでみました。

    都会の路地裏で生まれた4匹の子猫たちの背中には、美しい翼がはえていました。
    成長とともに子猫たちは飛ぶことを覚え、文字通りお母さんのもとを飛び立っていきます。
    ごみごみしていて食べ物も少ない都会より、もっともっと住み心地のよい場所を求めて…。

    著者であるル=グウィンの、そして翻訳を手掛けた村上春樹氏の、猫たちに注ぐ温かい眼差しが感じられる文章でした。
    猫を愛しているからこそ描ける、彼らのちょっとしたしぐさや表情がたまりません。
    そしてそれを引き立てる美しい挿画にもうっとりしてしまいます。

    巻末に村上氏による親切な訳注があり、原著を読むときの大きなヒントになりました。
    シリーズは全部で4作あるので、そちらも読んでみたいと思います。

    *文庫の書誌につけていますが、実際に読んだのは図書館で借りたハードカバー版。

  • (あらすじ)
    街で生まれた4匹の仔猫、何故か生まれた時から背中に羽が生えていた。そのうち空を飛べるようになったので、お母さんからずっと遠くまで飛んで行くよう促されます。

    4匹は旅をしながら徐々に田舎へと移って行きます。でも食べるもにを確保するのは、街でも田舎でも大変なことです。ある日末っ子のハリエットが人間の少女と出会い食べ物をもらいます。やがて他の3匹も人間の兄妹と仲良くなります。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    人間の子ども達と猫達の付かず離れずの距離感がいいです。そして人間の子ども達が賢かったことが猫達にとって良い結果になりました。

    個性を尊重する、とか、人権(猫権)を尊重するって一言で言っても、言うが易し。難しい事だと思います。

  • ル=グウィンは初めての出会いだが、こういう少し不思議な物語は好き。(ゲド戦記は映画だけしか‥

    村上春樹の訳が物語をやさしいまま、届けてくれる。にんげん、といんげん、の言い間違いは、意訳らしく、本人はあまり上手くないっていってるけど、すごいなと思う‥

    豊かな文章は言わずもがなだけど、何より絵が良い!
    本当にそこらを何の気なしにくつろいでそうな猫の絵。翼が生えていることがむしろ自然のような。

    良著。

  • 4匹の子猫の兄妹には翼が生えています。お母さんもなんでしょうねこれは、と思っていますが、ある日荒れた都会から飛び立つ為に授かったのだと気付き、4匹を遠くのふさわしい場所へと送り出します。

    子猫なだけでもかわいいのに、ふわふわの羽が生えてるんです!
    触ってみたい〜((*´∀`*))

    親からの独立や、他の動物との関わり方など子猫達の成長も見られて微笑ましいお話でした。

    続編も読んでみたいと思います。

  • 20111105
    背中に翼をつけて生まれてきた猫の四兄弟、セルマ、ロジャー、ジェームス、ハリエット。棲みにくい街を離れて遠くの森へ飛んで行った彼らが、優しい人間の兄妹に出会うまで。
    村上春樹訳。

    ↓お気に入り(笑)
    ***
    「いんげんを見たのかい?」とジェームスが言いました。
    「それを言うならにんげんだろう」とロジャー。

    "A human bean?" said James.
    "A human being?" Roger said.
    ***

  • 空を飛べたらいいのになあ。
    私たちが子どもだったころ、誰でも一度は夢見たことがあるはずだ。いや、大人になってからだって、そんな願望を抱くことはあるだろう。しかし、実際のところ、「空を飛べる存在」になれたとして、その後に、いったいどんな困難が待ちうけているのか、私たちはそこまで想像したことがあっただろうか。
    アーシュラ・K・ル=グウィンの『空飛び猫』シリーズには、好むと好まざるとにかかわらず、翼を与えられ、空を飛ぶ能力を持つことになった猫たちが、どのようにして様々な迫害や困難を乗り越え、孤立を克服し、その能力を正当に使いこなし、自分たちの幸せを見つけていったか、という過程が描かれている。

    第一作『空飛び猫』では、大都会の裏町のごみ捨て場に生まれ育った、翼のはえた空飛び猫たち兄妹四人(ハンサムなロジャー、かしこいセルマ、親切なジェームズ、小柄なハリエット)が、ジェーン・タビーお母さんの再婚を機に独り立ちし、空を飛んで汚れた暴力的な街を脱出し、深い森の中で力を合わせて様々な困難を乗り越え、美しい平和な田舎の「丘の上農場」にたどり着き、ハンクとスーザンという心優しい兄妹のもとに落ち着くまでの経緯が描かれている。

    心に残る言葉があったので引用する。ジェーン・タビーお母さんの言葉だ。

    「もしもお前が良い『手』をみつけたら、もう自分で餌を探す必要はなくなるんだよ。でもそれがいけない『手』だったら、それは犬よりもたちが悪い」。

    おそらく、世界中の猫たちにとって、一番の幸せは、やさしい良い「手」に出会うことなのだろう。
    私の好きな漫画に、大島弓子の『綿の国星』というのがある。これは、擬人化して描かれた猫たち(猫が人間に猫耳や尻尾がはえている状態で描かれている、今風に言えば、「萌え」な感じのキャラクター設定である)の視点で紡がれるお話であるが、その中に「点茶」という野良猫が登場する。点茶は行き倒れていたところを「時夫」に助けられ、主人公の「ちび猫」が暮らす諏訪野家で介抱されて元気を取り戻すのだが、何不自由なく暮らせる飼い猫になるのが夢で、ことあるごとに悪戯をしては、未だに弱っているかのような振りをしてちび猫に濡れ衣を着せ、あわよくば自分が諏訪野家の猫に取って代わろうと企むのである。
    私なんかは、この話を読んでいて「まったくひどいことをするやつだ」と憤ってしまうのだが、そんなひどいことを平気でしてしまえるくらい、飼い猫になることは猫たちにとっての宿願だったのではないかと思う。

    他の人(猫)とは違う能力(これは、「才能」であると同時に、「呪い」であるとも言える)を持つ彼らならば、なおさら保護してくれるあたたかい存在が必要だったはずだ。
    様々な困難を乗り越え、ハンクとスーザンというやさしい兄妹に出会うことができた空飛び猫たちは本当に幸せだったろうと思う。

  • 村上春樹訳の児童書。羽が生えた子猫たちの冒険。挿絵も猫の柔らかさが伝わってくるようで優しい可愛い話だった。

  • 尻切れトンボな終わり方に納得できず。続編を読みたい。

  • 夢があるな〜

  • 村上春樹訳、ル=グゥインの寓意的ファンタジー。とても心暖まるお話ながら、人間社会への痛烈な批判が隠されています。シリーズ通して読むことをおすすめします。

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著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

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