空飛び猫 (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (78ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062632102

作品紹介・あらすじ

仲よし四兄弟、セルマ、ロジャー、ジェームス、ハリエットは、お母さんもため息をついたくらい、翼をはやして生まれてきた猫たちです。荒れた町から森へ飛んでいった彼らはハンクとスーザンの心やさしい兄妹に出会うのですが。ル=グウィンの世界を村上春樹さんが美しい日本語に翻訳した素敵な童話です。

感想・レビュー・書評

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  • catwings ル・グィンはゲド戦記原作者
    翻訳は村上春樹 翼ある4匹の子猫が母猫の下を旅立ち,自分の居場所を探す物語。生きる厳しさと夢ある世界が楽しめる。"太ったハミングバード"好き

  • 以前から気になっていた「空飛び猫」シリーズの1作目、原著と並行して読んでみました。

    都会の路地裏で生まれた4匹の子猫たちの背中には、美しい翼がはえていました。
    成長とともに子猫たちは飛ぶことを覚え、文字通りお母さんのもとを飛び立っていきます。
    ごみごみしていて食べ物も少ない都会より、もっともっと住み心地のよい場所を求めて…。

    著者であるル=グウィンの、そして翻訳を手掛けた村上春樹氏の、猫たちに注ぐ温かい眼差しが感じられる文章でした。
    猫を愛しているからこそ描ける、彼らのちょっとしたしぐさや表情がたまりません。
    そしてそれを引き立てる美しい挿画にもうっとりしてしまいます。

    巻末に村上氏による親切な訳注があり、原著を読むときの大きなヒントになりました。
    シリーズは全部で4作あるので、そちらも読んでみたいと思います。

    *文庫の書誌につけていますが、実際に読んだのは図書館で借りたハードカバー版。

  • 村上春樹さんの
    名前に惹かれて手に取った
    最後に猫たちが
    幸せになれそうな予感で
    終わっているのが良い
    そして挿絵がとても素敵!
    ポストカードになりそう
    続編もあるようなので
    読んでみたい...手に入るかな?

    岐阜駅本の市にて購入

  • 村上春樹さんの訳でこんな素敵な本を積読してた私。
    しかもシリーズ物。これは探して手に入れなければ。

    猫に羽が生えてる時点で素敵な童話の始まり。
    4兄弟が親から巣立つ話。

    大事にしときたい1冊。

  • (あらすじ)
    街で生まれた4匹の仔猫、何故か生まれた時から背中に羽が生えていた。そのうち空を飛べるようになったので、お母さんからずっと遠くまで飛んで行くよう促されます。

    4匹は旅をしながら徐々に田舎へと移って行きます。でも食べるもにを確保するのは、街でも田舎でも大変なことです。ある日末っ子のハリエットが人間の少女と出会い食べ物をもらいます。やがて他の3匹も人間の兄妹と仲良くなります。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    人間の子ども達と猫達の付かず離れずの距離感がいいです。そして人間の子ども達が賢かったことが猫達にとって良い結果になりました。

    個性を尊重する、とか、人権(猫権)を尊重するって一言で言っても、言うが易し。難しい事だと思います。

  • ずっと読みたいと思っていた、ル=グウィンの優しい空飛び猫の物語。
    あったかい気持ちになれた。
    母親の気持ちにもなれることで、味わいがさらに深まった。

  • 優しい本

  • かわいらしい挿絵も印象的ですが、何よりテキストを声に出して読みたくなります。音読すると心地いい。
    文庫なので挿絵は大きくないですが、読み聞かせや朗読会で子供も楽しめるんじゃないかと思います。

  • 「空飛び猫」ル・グウィン。村上春樹訳、講談社文庫。グウィンさん、については何も知りませんでしたが、アメリカの作家で女性で1929−2018だそう。「ゲド戦記」の作者として有名なようです。この「空飛び猫」は初出1988だそう。御多分に漏れず、村上春樹訳ということで衝動買い。

    背中に翼が生えている子猫の兄妹がいます。それが色々あって親元を巣立って旅に出でます。当然ながら飛んでいきます。不安もあります。兄妹で行きます。で、最終的に可愛がってくれそうな人間(子供)と巡り合う。

    それだけのお話です。薄いし、ほぼ絵本です。

    絵が結構写実的に可愛い。絵もグウィンさんだそう。それだけの話、ということがなんだかものすごくオゾン度の高い素敵な空気を吸ったかんじ。良い読書でした。続編もあるそうなので、おいおいと楽しむことにします。

  • ル=グウィンは初めての出会いだが、こういう少し不思議な物語は好き。(ゲド戦記は映画だけしか‥

    村上春樹の訳が物語をやさしいまま、届けてくれる。にんげん、といんげん、の言い間違いは、意訳らしく、本人はあまり上手くないっていってるけど、すごいなと思う‥

    豊かな文章は言わずもがなだけど、何より絵が良い!
    本当にそこらを何の気なしにくつろいでそうな猫の絵。翼が生えていることがむしろ自然のような。

    良著。

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著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

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