人形は眠れない (講談社文庫 あ 54-7)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062632270

作品紹介・あらすじ

お久しぶりです。妹尾睦月です。今回は、私の住む街で起きた連続放火事件に腹話術師の朝永さんと人形の鞠夫が果敢に挑戦します。その最中、なんと私に言い寄ってくる好青年が現れて、もう大変。と、とにかくときめいて、そしてちょっぴり切ないひと夏の出来事の御報告です。

感想・レビュー・書評

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  • "人形探偵コンビ”シリーズ・第3弾。連続放火事件発生。その最中、腹話術師に、恋敵が出現!? 今回はちょっぴり切ない……、ユーモア・ミステリー。

  • 3+

    再読

  • ミステリー要素もあったりすんだけどと、終始ゆるいムードな本著。

    今回はおむつの気持ちにスポットされてます。

    短編が軸だけど、長編さながらにメインテーマもあり、これまでの2冊とはまた雰囲気が違っているのがよかった。

    たまにはこうゆう雰囲気の本もありだな。

  • 少しゾッとするような話や、微笑ましい話、謎解きのエッセンスと、様々なストーリーが絡み合いながら進む。それでいてやはり物語全体を包むふんわりとした空気感は相変わらずで、安心して読める。

  • 【胸の中の声はどんどん大きくなる】

    鞠夫シリーズ第三弾。二重人格は漫画やドラマではよく見かけるけど、本当にいるのだろうか。記憶喪失もそうだけど、僕の世界は狭いから比較にならなくても、余りにも幻想過大過ぎる。

    波たった心を少し穏やかにしてくれるから、僕は難しくない本も大好きだ。きっと今日読んだのは正解。厄日だと嘆かずに最後にこの本を読んだことを足して平和な一日だったことにしよう。

  • あとがきに著者自ら書いているように、短編の面白さを兼ね備えた長編だった。鞠夫誕生の謎、放火事件の真相、そして、睦月に惚れ込む関口という男の謎。一つ一つ解決していく。
    しかし私はこのシリーズ自体にあまり惹かれなかった。我孫子武丸さんには絶望的なストーリーを期待しているからだろうか。

  • 人形探偵シリーズ3作目
    短編をつなぎ合わせて、ちょっとずつ絡ませた長編
    ただ、その絡ませ具合が一本筋の通ったものの方が個人的には好み

    朝永さんの過去とかおむっちゃんの家族とかの情報も出てきた
    これは推理小説として読むよりもキャラ小説として読んだ方がよい

    ただ、描写にバブリーな匂いがするあたり、時代背景が懐かしく感じる

  • 人形探偵シリーズ三作目。女性視点のほのぼのとした語り口で日常が綴られてゆくせいか、サスペンスはなく、どちらかというと恋愛小説のような趣の本シリーズですが、三作目はこの色合いが強いような気がします。
    「放火魔」、「予告状」、「密室」等々といったタイトルを持つ章で構成されているもののあくまで本筋は恋愛もの、といった感がありますね。

    あとがきにありますが、作者さんもそういった視点で書いているとのことなので、恋愛小説にミステリ、というつもりで読むと納得でしょうか。
    そんなわけなので、サスペンス一杯のミステリを読みたいという人にはお勧めしないです。一応、最後の最後にちょっとだけ怖いオチがあるのですが…それは、まあ、いいでしょう。


    これは偏見かもしれないけど、個人的には中学生や高校生といった世代の方にお勧めしたいですね。文章のテンポも良く読みやすいですし、本シリーズの語り手女性の心情や、その表現が面白いのでちょっと笑ってしまいます。

    巷にある前提条件を知っていないと楽しめないような冗長文章を読むよりも、簡潔なその文章自体で楽しめるものを読んだ方が、今後の読書ライフにプラスとなるような気がします。特に小説は絵がなく文字だけの世界。文章から想像力を巧まして楽しむのが基本だと思うんです。これを繰り返して行くと、いわゆる「行間を読む力」がつくんじゃないかな。もっと言うと、メールや言葉のやり取りだけで、相手の意図がイメージできたり、こちらの意図を伝える際の表現が増える。

    絵を否定するわけでは決して無いけど、小説も人を豊かにしてくれます。お勧め。

  • 見ていて飽きない、見がいのある背中を探さなければ


    2巻をとばして読んでいるらしい。
    「殺戮にいたる病」が気持ち悪くて一休みに明るいのが読みたくて読み始めたら同じ我孫子武丸。祟りかもしれない。

    少し「殺戮にいたる病」ネタ入り。同時に読んでいるから気のせいかもしれない。

    おむつの考えが普通かもしれないが怖い。
    自殺してくれて良かった。とか、
    恋人がいるのにデートする。とか、
    二重人格者を一刀両断。など。
    あっさり他人の傷つく事を言う人だ。下品な物言いじゃない方の口がきたないタイプの人だ(お話しなのに入り込み過ぎ)

    第一章 二次会にて
    第二章 鞠夫誕生秘話
    第三章 ドライブ
    第四章 放火魔
    第五章 予告状
    第六章 密室
    第七章 夜の冒険者たち
    エピローグ
    あとがき
    文庫版あとがき
    解説…河内実加(漫画家)

    マンガになってたんや( ゚д゚)

  • ―――そして、哀しいかな。そういう日本で育ったわたしはやはり、夢を追う人の支えになってあげたいとも思うのだ。女は一生、男の人の後ろを歩いて背中を見ていろ―きっと、そういうふうに育てられてきたのだ。せめて女に出来るのは、見ていて飽きない、見がいのある背中を選ぶことくらいだ―――(p21

    幼稚園に勤める妹尾睦月(通称おむつ)と腹話術師の朝永嘉夫。彼の操る人形であり、
    頭脳明晰な名探偵、鞠小路鞠夫が日常?に起こる様々な事件をユーモアに解決していく…
    すっごくラブコメです!!こっぱずかしさを思いっきり楽しめる人にオススメなミステリ。
    特にこの『人形は眠れない』のp209以降はテレずには読めないと思います(笑)
    3巻で完結かと思いきや『人形はライブハウスで推理する』が発売していてビックリ!!
    (いつの間に!?)漫画化もしています(作者は河内美加さんですね、こちらもオススメ!)

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に、『人形はこたつで推理する』にはじまる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』『裁く眼』『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『修羅の家』などがある。小説の枠を越えマルチに活躍し、ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作でも知られる。

「2022年 『監禁探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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