非合法員 (講談社文庫)

  • 講談社 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (506ページ) / ISBN・EAN: 9784062632294

みんなの感想まとめ

現代の国際政治の裏側を描いたこの作品は、冒険小説の名手、船戸与一のデビュー作であり、圧倒的なスピード感と熱気に満ちています。主人公の神代恒彦は、日本人でありながらCIAの非合法員として、権力に翻弄され...

感想・レビュー・書評

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  • デビュー作風ということで

  • 冒険小説の雄、船戸与一のデビュー作。
    こういうのを読んでしまうと、うまい人はやっぱり最初から面白いもの書くんだなあとしみじみ痛感してしまう。
    まあそれはともかく。

    現代の国際政治の裏側を舞台とし、そこに生きる人々を描き続けている船戸与一。必然的に登場人物は一癖も二癖もある人物ばかり。また、他ではなかなか描かれない、中南米や中央アジア、東南アジアなどの国の人を登場人物としてみることができるのが、船戸作品の特徴か。
    それは、現代政治がそれら辺境地域を欧米諸国(時には日本も)しいたげ、搾取し、代理戦争を行うことで否応無しに進んできたからであろう。

    だからなのか、作者の目は常に虐げられてきた人たちへ注がれている。
    この作品でもそうだ。
    主人公の神代恒彦は、日本人でありながらCIAの非合法員(イリーガル)として非合法な仕事を生業としている男だ。今回の仕事に選んだパートナーは、ナチの人体実験の落とし子であるドイツ人と、ベトナム戦争の英雄と呼ばれていたベトナム人。
    いずれも、権力に翻弄されてきた男たちだ。


    彼らの仕事は、メキシコの革命運動の指導者を暗殺すること。
    三人はその仕事を無事に終えるが、ベトナム人に金を持ち逃げされてしまう。さらに、神代とドイツ人を誰かが狙撃してくる。
    狙撃してきたのは、誰が、なんの目的でなのか。ベトナム人は何故金を持ち逃げしたのか。
    ふたりはベトナム人・グエンを追ってカリフォルニアへ向かう――。

    圧倒的なスピード感と、むせ返るような熱気が最初から最後まで、物語を支配している。
    アメリカを舞台に、アメリカに支配されてきた男、女が繰り広げる戦いの物語となっている。

    当時の国際情勢がわからなくても読める、ある種悲しい物語。
    いかにも船戸与一のデビュー作といった感のある、船戸与一エッセンスが凝縮された作品だ。

  • なぜか手に取った本。一度読んでるんだが、内容は完全に忘れていた。相変わらずの面白さ。

  • 【選んだ理由】
    好きな作家なので

    【感想】
    一気に読んでしまった。お風呂での読書には最適だが、のぼせてしまうきらいがある。

  • 名作と言う事で読みました。
    ちょっと、古いかな?
    内容が、ありえない世界

  • 【ネタバレあり】
    船戸作品初読の「山猫の夏」がとても良かったので、船戸作品を読みたいと思い手にとった作品です。偶然にも船戸与一のデビュー作だったようで。

    全体的な印象としては、次から次によく人が死ぬな~という印象を持ちました。それと、ストーリー自体が散漫な感じもしました。特に、次から次に登場してくる人物と主人公との絡み合いが複雑に絡みあっていくような展開を期待させつつ、意外にも淡白な関係で終わってしまうところが少々残念でした。ベアランアーしかり、桧垣真人しかり、もうちょっと絡みがあっても良かったかなと思いました。

    それと、こういう裏社会に生きるものを描いた作品としては高村薫「リヴィエラを撃て」が私の中では最高峰であり、どうしても比べてしまいます。勿論、作品的には異なるジャンルになるでしょうが、比べてしまうのです。その点からも、ちょっと見劣りは否めませんでした。

    最後に、やはり、作品への思い入れが深まるか否かは主人公への感情移入の程度によると思います。その点でも今回はいまいちでした。

    船戸与一作品:2冊目読破。
    読書期間:2009.4.24~5.13

  • 船戸ワールドの処女作とも言える作品。非合法員(イリーガル)の存在を身近?に感じた。

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