季節のかたみ (講談社文庫)

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  • 講談社 (1996年6月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (354ページ) / ISBN・EAN: 9784062632645

作品紹介・あらすじ

今朝の雲はもう居ません。その代わり、風が訪れてくれます。季節の移り変わりを見るのが、私は好きです。なにより有り難いのは、前向きの心でいられることでしょうか。時の移ろいを瑞々しい五感がキリリと掬いとった名篇。「くくる」「壁つち」「台所育ち」……。失った暮らしや言葉の情感が、名残り惜しく懐しく心にしみる、珠玉のエッセイ集。

みんなの感想まとめ

季節の移り変わりを瑞々しい感性で描いたこのエッセイ集は、日常の中に潜む美しさや心の豊かさを再発見させてくれます。著者の言葉は、まるで風のように柔らかく、心を落ち着ける力を持っています。厳格さと深い慈愛...

感想・レビュー・書評

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  • 頭の上に乳酪のかたやりを載せていると考えなさい、徐々にあぶらが溶けて、そのトゲトゲした心を柔らげてくれるからね、と。なるほど、頭上にあぶらを頂いて端坐し、うなじが肩が胸が徐々にうるおってくる、と思えば心は静まる。 六月はうるおう月、濡れそぼつ月、私は好きだ。

    ◆言葉遣いというのはこういうことなのだなと気付かされる。心を落ち着けたいときに読む本。

  • 一文字一文字を 慈しむように読みました

    幸田文さんが綴る言葉は
    まるで季節の風そのもののよう…



    父・露伴から受け継いだ厳格さと
    その裏にある深い慈愛…
    そして何気ない日常の景色を
    「宝物」に変えてしまう
    鋭くも温かい観察眼に圧倒されました!!



    他にも厳しくも 凛とした文章の中に
    時折のぞく人間味あふれるエピソードが愛おしい…

    どんなに時代が変わっても
    大切にしたい「日本人の心」がここには詰まっていました!

    この美しい緑の表紙を眺めているだけでも
    心が穏やかに清々しい気持ちにさせてくれます

  • 幸田文の文章が好きです。
    こんなふうに染みついた日本語を操れたらいいのに。
    自然豊かなところで生まれ育ったので共感できるところも多くあった。
    幸田文の生きた昭和の時代で生活したかったとは思わないけど、季節の移りはかわらないし四季を堪能していきたいなあと思った。

  • すごく怖いというか、叱られ感が凄い、読んでいて。
    少なくとも背筋伸びてますよね?と暗黙の圧があるようで。。。
    こうなってくると父と娘の緊張感に繋げたくなりますわな、致し方なし。
    こういったお方は今後なかなか出てくることないのは間違いなし。

  • 心が荒んでいるのか心に沁みる事なく終わる。
    情感の持てる人間になりたい。

  • 飾らない文章なのが良かった。時折出てくる父親からの話がどれも良くて、父親との関係はとても良かったんだなあと思った。「うちの中の教えは、出来の悪い部分を救ってやり、弱いところを養ってやる教えが良いように思うのです」という部分には心打たれた。自分の不出来は一生自分にまとわりつくものだから、それを親の言葉によって手当てできれば子どもにとってうれしいものはないのだと書いてあり、なるほどその通りだなと思った。

  • 細やかな感受性に引っかかる生活の事柄。この人の手にかかると練り直され、新しい味付けをされ読者に提示される。ゆったりとした気分でないと自分には堪能できないことがわかった。

  • 暮らしの手帳的、というか非常に生活という地面にしっかりと足をおろした「哲学」を感じさせる文章だな、と思う。そのあたりは親子の血は争えない。何気ないことを書いていながらはっとさせられるのは、こうした随筆の書き手として最高の手腕ではないか。男性にもおすすめ。

  • 「なくしもの」。
    妻がふと夫に嫌悪を抱く。
    すると、まるで心を見透かされたように夫から別居の打診をされる。家庭が一番落ち着くと言っていた夫なのに、と妻はいぶかしむ。

    妻が生き生きと働きだした結果、夫の目には「静かさと安らかさ」をなくしてしまったように映る。

    最初は妻の嫌悪から始まるのに、夫の言葉に私までガーンと衝撃を受けた。自身を貫く一言って、あると思う。

    「ドッコイショ」では、「人のからだは天然資源でできています」という言い回しが面白い。
    使えば減る。減るのは定めだが、荒廃させるのはむざんだと幸田文は結ぶ。

    彼女の文章に触れると、身体論ではないのにも関わらず、身体というものを改めて見直したくなるときがある。

  • 心の片隅でもいいから置いておきたいあたたかな知恵の本

  • こんな婦人に私はなりたい

  • 母に勧められて読者中。「旅」に惹かれました。これきくさんに言わせたい。めもめも。

  • 本棚から引っ張り出して15年ぶりに再読。好きな本て変わらないな。

  • 『なくしもの』に心震えた。
    梅雨の時期になると思い出しそう。
    夫婦という関係の切ない話。

  • 季節が変わる時期に読みたい幸田文のエッセイ集です。
    相変わらず目のつけどころが面白くて、読んでいると「ふふふ」と笑ってしまいます。

    例えば『家具』。「机というのは、ふしぎな家具だとおもう。誰でもが、やたらと何でも乗せてしまう」言われてみればそうですねー。

    『ぼけの皮』。ばけの皮ならぬぼけの皮をかぶって、あたりさわりなくすませるというちょっと大人の技を紹介しています。

    詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120414/1334407493

  • 季節感や、自戒することや、若いうちは自分もそうだったとか、職人さんは大抵嫁も職人だとか。感銘うけまくり。

  • 100202(a 100213)

  • いつでも、幸田文を読める気分でいたい。

  • 文さんの季節の感じ方に共感したり、はっとさせられた。いいなぁ、文さんの文章。ページをめくって、季節が巡ると、ワクワクする♪

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著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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