- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062632911
作品紹介・あらすじ
親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、一億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は?女流ハードボイルド作家誕生の'93年度江戸川乱歩賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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親友の女性が1億円を持って失踪。ヤクザから共犯と疑われて探すはめに。捜索をしていくうちに明らかになっていく真相。独特な世界観で進んでいき、最後まで楽しく読めた。
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再読かな?記憶なし。人物像がわりとはっきりと、矛盾がなくて良かった。格好良い男を登場させるのは罪だ。不男ならその後の展開などないから、それだけで結局顔かよと思ってしまう。25年前とは思えない程古臭くもない。ディテールに拘ってるなという感想。
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★3つは、かなり辛口(^^ゞ
決して派手な話じゃないんだけど、引き込ませるストーリーだし。
テンポもいいから読みやすい。次々現れる展開も意表を突いていて面白い。
ていうか、ヤクザの金の持ち逃げの話から、ヘンタイショー、ネオナチと膨らんだ挙句、平和島のボートレースまで萎んだかと思ったら、実は……と、なんとバラエティに富んだ展開なんだろう!って。
たぶん、この本が出た当時読んでいたら「すっげ―面白い!」と言ってたと思う。
ただ、『OUT』と『柔らかな頬』を先に読んじゃうと、キャラクターがミョーにダブるような気がしちゃって(^^ゞ
著者ってさ。こういうタイプ好きだよね、みたいな(爆)
主人公の性格はもちろんなんだろうけど、成瀬とか、あと君島みたいなタイプも意外に好きなんだろうな―と想像しちゃうと、どのタイプも好きになれない自分としては、な~んか鼻白んじゃうのだ。
辛口ついでに言っちゃうと、亡くなった主人公の旦那のキャラがよくわからないんだよね。
断片的に出てくる旦那のキャラを想像すると、この人と主人公はお互いのどこに魅かれ合ったんだろう?と思ってしまうのだ。
そういう意味で言うと、失踪した燿子に主人公がなんでそこまで友情を感じるのかもよくわからない。
まー、人と人の関係って、理屈じゃなく腐れ縁だったり。
もしくは、特に気が合わなくてもメリットだったり、そこにいるのがたまたまその人だけだったということで続くものだからなー。
なんて、面白いのにグダグダ文句を並べてしまうのは、著者の世界観と自分の世界観が根本的に合わないからだと思う(爆)
本格からハードボイルド、社会派も含めて、ミステリー小説に何より必要なものって、ロマンチックさと哀感だと思うのだ。
トリックだとか、変人キャラの探偵、あるいは嵐の孤島だの密室だのといったお決まりの展開なんてものはあくまでお飾りにすぎない。自分はそう思うのだ。
そして、それって、実はこの著者も、そう思っているような気がするのだ。
でも、著者の感じるロマンチックさと哀感と、自分の感じるそれらはかなり違う。
というか、相当違う(^^ゞ
だから、自分は著者の小説を面白く読みながらも、常に反発を感じる。
そういうことなんだと思う。
そんなわけで、著者のファンとなってしまった自分は、これからも著者の本に少ない★をつけるつもりだ(爆)
おまけ
「大事なのは変だと感じる“感性”と、何故だと考える“想像力”だ」
上記は、主人公の前にふらっと現れた父親の言葉だけど、これは、ネットを利用する自分たちが肝に銘じておかなければならないことだなーなんて思った(^^; -
桐野さんの作品は読んでる方だけど、これは何だか雰囲気が違うと思ったらかなり初期の作品だった。
でも、25年も前に書かれた割にはそれ程古臭さもなく違和感なく面白った。
村野ミロ探偵シリーズの第一弾らしいけど、このシリーズ自体知らなかった。
ミロは、気が強いのか、情に脆いのかいまいち分かりにくい人でこの主人公に感情移入しにくい部分はあったので、このシリーズは読まないかも。
女性のハードボイルド物って微妙。 -
なんだかいつもと雰囲気が違うと思ったら、デビュー作だったようで。
面白かった。
登場人物が勝手に顔まで想像できるような感じ。
シリーズみたいなので続きも読みたい。 -
第39回江戸川乱歩賞受賞作品。
女性版ハードボイルドミステリーです。
主人公はミロという女性で、この女性が事件に巻き込まれながら、そのなぞを解明していく物語となっています。この人、強い!と思っていたら、本書に出てくる女性はみなしたたかな強さを持っていました。
ストーリーとしては、主人公の友人であるノンフィクションライターが1億円をもったまま行方不明になります。その彼女の男は暴力団関係との関係をもっており、その男とミロは暴力団から一緒に1億を持ち逃げしようとしていると疑いをかけられます。
結局、その男と一緒になって、事件の解明していって、1億と友人を探し出そうとする物語になっています。
1億はどこにあるのか?
友達はどこにいるのか?
事件の真相は?
といったところがポイントかなっと。
次々に話が展開していき、後半になって、一気に複線が回収されて、なるほどなぁって思わせる物語になっています。
しかし、残念ながら、本書中に語られる東ベルリンのネオナチの話や死体写真愛好家やSMの話など、ディープな話のわりに、「え、それだけの伏線?」っといった感じで、ちょっと、その辺は無理があるのでは?と思ってしまうところでもあります。
なぜ、ネオナチ??(笑)
っということで、これだけでなく、ほかにも納得できない記述もありますが、話自体としては、楽しく読むことができました。
アマゾンの書評を読むと、このあとシリーズものになるみたいですね。機会があればまた読みたいと思います。 -
序盤から中盤にかけては、なかなか物語の面白味にかけている感じがした。しかし、後半は一転して、怒涛の勢いで伏線を回収し、予想しなかった展開へ。
いや、強いていえば、最後のどんでん返しだけは予想通りだった。 -
なるほど~
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ハードボイルドは苦手だとハッキリ認識した。
著者プロフィール
桐野夏生の作品






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