金雀枝荘の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 116
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062632966

感想・レビュー・書評

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  • 201705読破

  • 大胆で驚いた

  • いわゆる「館モノ」。館の名前の読み方のむつかしさは,全「館モノ」の中でもトップクラスだろう。「えにしだ」と読む。
    完璧に封印された館で,グリム童話の「狼と七匹の子やぎ」に見立て,6人を殺害するという事件が起こる。金雀枝荘では,70年近い前に使用人の無理心中事件も起こっており,完璧に封印された館での殺害は,その呪いのようにも思われた。
    金雀枝荘は,実業家の「田宮弥三郎」が建てた館である。ドイツからエリザベートという娘を妻に迎えたが,わずか二年しか一緒には住まなかった。
    大量殺人事件が起こってから1年後のクリスマスに,生き残った田宮乙彦,松田杏那,松田類,鈴木冬摩の四人の田宮弥三郎のひ孫と,冬摩が連れてきた笠原美江という「霊が見える」という女性,そして謎の男「中里辰夫」の5人が事件に巻き込まれる。
    真相は,中里と乙彦は知り合いで,中里は乙彦から呼ばれて金雀枝荘にやってきた,乙彦の兄だった。乙彦と中里は,金雀枝荘で管理人をし,心中をした瀬川直吉という使用人の孫であった。弥三郎は,エリザベートが不倫をし,子どもを産んだので,乙彦以外の孫は自分の血を引いていないと思っていた。弥三郎は,自分の子どもを瀬川直吉に託したという過去があり,瀬川の子孫こそ自分の血を引くものと考え,瀬川子孫である瀬川栄吉の子を養子として引き取った。それが乙彦だった。弥三郎は,乙彦に全ての財産を引き継がせたいと考え,乙彦にほかのひ孫の皆殺しを託す。そして,乙彦が実行犯として殺人を実行した…というストーリー。
    人物描写がやや薄っぺらく,ドラマ性はあまりない。凝ったプロットのミステリで,「新本格」としてひとくくりにされそうな話。及第点ではあるが,傑作というほどではない。エリザベートという霊的な存在を絡めているので,綾辻幸人の人形館の殺人に近い肌触りである。★3かな。

  • 普通に面白い。
    ただ、本格ミステリーのトリックとしては若干の物足りなさを感じざるを得ない。また、犯人は予想は出来るかもしれないが、論理的に断定することは難しい。別に、そのことが問題になるわけではないが、フーダニットではないことを意味している。いや、ま、それが駄目とかそんな話じゃないんだけど。
    現在では出尽くしている感のある孤島密室物として、バランスが取れていて面白いことは間違いない。文章も軟らかで読みやすく、最後まで一気に読ませられる。
    ただ、既にパターン化されている安定感からは抜け出せておらず、良くも悪くも上手すぎる作品になっている。
    (ミステリ好きで)読んで損した。と思う人はほとんどいないと思うが、刺激を求めている人にとっては若干の物足りなさを感じるのでは。などと余計なことを考えた。

  • 登場人物の数が多い点を除くと、
    館もののミステリーとしてはすっきりした印象の作品。

    物足りなさのようなものと裏表ではあると思うけど
    複雑なトリックや館の込み入った構造で勝負というより
    館の雰囲気を楽しみながらスラスラと読める軽さが魅力。

    序章が終章になっている作りはすごく綺麗にハマっていて
    それがなんだか強く印象に残った。

  • 館もののミステリーはお腹いっぱいの気があったが、これはかなりの良作だった!かなり奇怪な事件なうえ事件は数度起こり、しかも登場人物が三代にわたる家系からなるという多さだったが、トリックといい話の展開といい、理解し易く読み応えも抜群。エンディングでのエリザベートの霊云々の話は少し安易な気がしたが、冒頭の「序章という名の終章」を読み返すと気持ちよく落ち着く。

  • うーむ、これぞ本格!って感じですな。
    犯人はかなり早い段階から分かってしまったが、そのバックボーンまでは読めなかった!なんか、金田一少年にありがちな話だが、面白かった。

  • おもしろかった!
    いわゆる断絶された別荘もの。
    使い古されたネタだけど、その扱い方があっさりしていながらおもしろい。
    こねくりまわしすぎて、わけわからん状態になっている本も多いだけに、わかりやすさが気持ちいいです。
    いかにもな、本格風の登場人物とか、序章という名の終章とか、いい感じですねー。
    今邑彩のイメージが変わりました。

  • 金雀枝の花が満開に咲くころ、1年に1度、かれらがこの館を訪れる。また、あの季節が廻って来た…。完璧に封印された館で発見された、不条理キワマル6人の死。過去にも多くの命を奪った「呪われた館」で繰り広げられる新たな惨劇、そして戦慄の真相とは。(紹介文参照)
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    古本屋で購入した1冊。装丁から古めかしくて、本格的な匂いが漂っている作品だなぁと思う。
    初め、登場人物が多そうで覚えられるか不安だったが、過去の記述と現在と未来で分けられているので、すんなりと頭に入ってきた。そこが本当にすごいと思う。
    今回は全然犯人が分からず(というかどういうストーリー展開になるかも分からず/苦笑)流れに任せるまま読んだが、そこは今邑さん、きちんと2転3転してくれて満足だった!

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