解体屋外伝 (講談社文庫 い 65-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633000

感想・レビュー・書評

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  • そもそも絶版していたことすら知らず、浅田寅ヲさんのコミカライズ既読。
    先に読んだからか、好みの問題か、寅ヲさんの方が面白かった。

  • 「暗示の外に出ろ。俺たちには未来があるんだ」
    洗脳を解く解体屋という仕事にすごく興味が湧いた。デプログラムした時、洗脳される前に戻るか、否、全てが無になる、そのままでいると壊れる、新たな洗脳が必要だ。という部分、これが人間なんだな、と思った。
    宗教などはわかりやすいが、それだけに限らず、人間何かしらに影響を受け、それを自分の中で定義づけ、無意識にそれに縛られて生きていると思う。
    暗示の外に出ろ、という言葉は何かにとらわれがちな時にかけてあげたい言葉である。
    しかし、これ自体、すでに君は暗示の中であるという洗脳だ。

  • 洗脳しようとする組織に立ち向かう洗脳外し者。単なるやり取りではなく、頭の中や洗脳外しのプロセスを言葉でビジュアル化する表現力はすごいとしか言いようがない。
    文章が難解な部分も多々あるが、展開がスピーディで飽きさせない。ただ、ヒロインがイマイチ魅力的でないのが不満。

  • アンジノソトニデロ…オレタチニハミライガアル
    洗脳屋と洗脳はずし屋の戦いを描いた、先駆的SFアクション作品。

  • 前作「ワールズ・エンド・ガーデン」に登場した解体屋(デプログラマー)に焦点を当てたスピンオフ的作品。
    近未来の退廃的ディストピアの雰囲気は残しつつも前作よりもテンポよく進む物語は、より映像的に読むことができるだろう。
    物語が展開されるジオラマそのものは狭いものだが、精神世界に言及した舞台は広大。
    「暗示世界の外に出ろ」という言葉が著者からのメッセージ的に登場してくるのが印象的だった。
    『ウルトラバロックデプログラマー』の題で漫画化されて連載中らしい。小説の方もぜひ復刊してほしい。

  • ドライブ感が心地よいサイエンス・フィクション。
    かと思いきや、うーん。
    壮大なメタファー。
    かと思いきや、うーん。
    これはほとんど現代日本でしょう。
    高度資本主義社会の処世術としても受け取れる。

    三人称で語られるので、それぞれのプレイヤーになって楽しめます。
    文章の推進力というよりも、テレビゲームのような躍動感が原動力の小説かと。

    あと、書かれていることは、いとうせいこう氏本人のメソッドでもあるのかなあ、と。

  • 「ワールズエンドガーデン」の外伝。随分前の本だけど、今でも面白いと思える傑作。「暗示の外に出ろ。俺たちには未来がある。」
    失われた○年とか言って閉塞している我々に一番必要な言葉かも。

  • いとうせいこうは言葉の魔術師だ。

  • せいこうさんの本の中で一番好きです。

  • おもしろかった!
    ロジックというか言葉遊びというか。
    こういうの、初めて読んだからすごく新鮮に感じたな。
    オススメされたので、いきなりこれを読んだのだけど、
    やっぱり前作も読んでみよう。

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著者プロフィール

1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など、様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』(河出文庫)で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ―植物生活―』(新潮文庫)で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』(河出文庫)で第35回野間文芸新人賞を受賞。近著に『「国境なき医師団」になろう!』(講談社現代新書)など。

「2020年 『ど忘れ書道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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