重耳 (上) (講談社文庫)

  • 講談社 (1996年9月12日発売)
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  • 本 ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633239

作品紹介・あらすじ

 

感想・レビュー・書評

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  • 中国歴史小説です。

    重耳(ちょうじ)は春秋時代の覇者である晋の英雄で、
    死んだ後は文公と呼ばれた実在の人物です。
    後半は、重耳の19年間に及ぶ苦難の放浪が書かれています。

    はっきり言って、重耳は切れ者でもないしかっこよくもありません。
    同じ筆者の『晏子』や『孟嘗君』の方が英雄然としています。
    むしろ、かっこいいのは彼を取り巻く家臣たちです。
    放浪中、立ち寄った斉で礼遇され、そこそこ良い暮らしをする内に、
    重耳は実家のこととかどうでもよくなってしまうんですが、
    家臣たちは重耳に酒をしこたま飲ませらせ、斉から運び出されます。

    ・・・重耳よ。

    それでも、わたしが『重耳』を選んだのは、重耳を中心とした魅力的な
    人物と、重耳の前に広がる広大な中国の大地が目に浮かぶからです。

    重耳は遅咲きながら名君となり、短いながら成功を収めます。
    決して華々しい人生ではないけれど、その性分は大らかで素直。
    人に愛されて助けられて、ここまで来たのだなぁ、重耳よ。

    仕事って、巻き込んだもん勝ちだと思う今日この頃。
    また、重耳の旅を読み返してみようかと思います。

    仕事でグチなんか言ったら、重耳に
    「わしを見よ。19年もさまよったのだぞ」って言われそう。

  • 中国春秋時代の晋の文公である重耳の物語。描写の濃やかさと人物の熱さで、宮城谷先生の歴史小説には毎回楽しませてもらっている上に、歴史の勉強にもなる。

    上巻では、晋が周によって封じられてより、翼の本家と曲沃の分家の二つに分立し、重耳の祖父である称が粘り強く宮廷工作を進めて本家の翼城を落として統一すると共に、これに乗じて曲沃を取ろうとする虢の国との戦いまでを描いている。重耳は初陣を果たして、翼攻めで軍功を挙げた駆け出しの状況。

    まだ先は分からないが、祖父ほどの器ではない詭諸の治世が暗雲のように漂い、いずれも大人物である異母兄の申生と同母弟の夷吾とのライバル関係も想起させるようなそれぞれの切磋琢磨が描かれている。

  • 20年前くらいに読んでた(年齢!!)宮城谷を再読する。
    わたしの遠い記憶の中では、太公望、晏子、重耳がおススメ。

  • 中国の春秋時代、周の文公から派した晋では翼を都とする一族と曲沃を地盤とする武公が生き残りをかけ覇を争う中、武公の息子詭諸に3人の男子が生まれる。

    晋国内での分裂とともに詭諸の3人の男子の後継争いが予想され早くもわくわく。

    時間がかかるが人物相関図を丁寧に描いておくと非常にわかりやすい。

  • 下巻読了後にまとめて感想とする。

    上巻は主人公重耳の誕生の背景と、晋という国の内紛。
    春秋時代初期の雰囲気が漂う。

  • おもしろい。

  • 感想などは、全巻読了後に。

  • 再読。
    下巻まで読了。

    重耳、すなわち晋の文公の生涯を描く歴史小説。重耳の祖父、称こと武公の時代から筆が起こされており、大長編だけれど飽きさせない。未だ伝説や神々が息づいている時代の空気を尊重しながら、しかも史実の説得力をも併せ持った硬派な小説。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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