重耳(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.95
  • (102)
  • (94)
  • (107)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 700
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633239

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 中国歴史小説です。

    重耳(ちょうじ)は春秋時代の覇者である晋の英雄で、
    死んだ後は文公と呼ばれた実在の人物です。
    後半は、重耳の19年間に及ぶ苦難の放浪が書かれています。

    はっきり言って、重耳は切れ者でもないしかっこよくもありません。
    同じ筆者の『晏子』や『孟嘗君』の方が英雄然としています。
    むしろ、かっこいいのは彼を取り巻く家臣たちです。
    放浪中、立ち寄った斉で礼遇され、そこそこ良い暮らしをする内に、
    重耳は実家のこととかどうでもよくなってしまうんですが、
    家臣たちは重耳に酒をしこたま飲ませらせ、斉から運び出されます。

    ・・・重耳よ。

    それでも、わたしが『重耳』を選んだのは、重耳を中心とした魅力的な
    人物と、重耳の前に広がる広大な中国の大地が目に浮かぶからです。

    重耳は遅咲きながら名君となり、短いながら成功を収めます。
    決して華々しい人生ではないけれど、その性分は大らかで素直。
    人に愛されて助けられて、ここまで来たのだなぁ、重耳よ。

    仕事って、巻き込んだもん勝ちだと思う今日この頃。
    また、重耳の旅を読み返してみようかと思います。

    仕事でグチなんか言ったら、重耳に
    「わしを見よ。19年もさまよったのだぞ」って言われそう。

  • 重耳のお祖父ちゃんである称が、晋を一人前の国として認めてもらえるように頑張る話。
    称という人は野心家で、すごくよく考えて、よく働く。

    重耳は、聖人君子な兄の申生や、おとなしい優等生な弟の夷吾とは毛色が違って、特に目立ってすごいという訳ではないのだが、素直で、大器という感がある。
    器量という点では、劉邦に少し似ていると思った。

    称の孫3人を育てた先生もまたそれぞれ特徴があって、育てる人の影響ってあるんだなぁと思います。
    特に申生の先生の狐突は頭が良くて厳格で、かっこいいですね。

  • 読み始めはどうなることかと。中国の歴史は、人の歴史なり。

  • 『重耳』というのになかなか出てこない(笑) なぜなら、重耳の祖父の代からの物語であるから。もちろん、その方がわかりやすいので良いのですがね。ともあれ、上巻ということで、若き重耳の人物像を垣間見る作品でした。続いて中巻へ。

  • 最高です。

  • 重耳はまだ生まれて間もないところで魏の分家と本家の争いにどうなるかというところで、重耳が成長しその戦争に関わっていくところでこの巻は終了。 まあ、今回の主人公は狐突、孟嘗君での白圭みたいなもの。内容はおもしろいです。中巻へ! 

  • 紀元前6世紀、中国春秋時代の五覇の一人で、晋の文公と呼ばれた重耳という人物の話。晋の君主の家系の二男に生まれたが、秀才でもなく人気もなく特徴のない人物であったため兄弟の中でも目立たなかった。しかし、晩年は、誠実で実直な性格により国内外の色々な人たちから一目置かれるようになる。身内の争いごとにより国外に脱出し19年間諸国を転々とする亡命生活を経て、晋に戻り君主となる。重耳の話というよりは、重耳に仕えたすばらしい臣の面々の話ではないだろうか。幼少期の教育係の郭偃をはじめ、丕鄭、孤突、孤偃、孤毛、先軫、介子推などなど見事な人物が揃っておりこれら臣に支えられてなければ重耳は君主にはなれなかっただろう。臣の忠誠心に感動した。

  • やたらとエネルギッシュな主人公の祖父をはじめとして、登場人物に「嫌な奴」が少ない。テンポの良い話運びもあって、読んでいてさわやかな印象がある。主人公が活躍するのはまだまだ先なのか、影は薄い。

  • 2013年08月 01/41
    春秋ブームに乗って家の在庫から読み始めました。続けて読んでるので少しずつ位置関係があたまに入ってきます。
    中盤辺りの翼に攻めこむあたりから勢いがついてきておもしろい。

  • 宮城谷作品のなかでこれが最高峰だとおもう。これを読んだら続編のつもりで「沙中の回廊」を続けて読むのがよい。

全56件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

宮城谷 昌光(みやぎたに まさみつ)
1945年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。1991年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞、1994年『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年『楽毅』で司馬遼太郎賞、2001年『子産』で吉川英治文学賞、2004年菊池寛賞をそれぞれ受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。
2006年、紫綬褒章受章。2016年、第57回毎日芸術賞受賞、及び旭日小綬章受章。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『呉越春秋 湖底の城』など多数。また『風は山河より』など日本の歴史に題材をとった作品もある。

重耳(上) (講談社文庫)のその他の作品

重耳(上) (講談社文庫) Kindle版 重耳(上) (講談社文庫) 宮城谷昌光
重耳(上) 単行本 重耳(上) 宮城谷昌光

宮城谷昌光の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

重耳(上) (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする