重耳(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.95
  • (113)
  • (115)
  • (117)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 987
感想 : 65
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633239

作品紹介・あらすじ

黄土高原の小国曲沃の君主は、器宇壮大で、野心的な称であった。周王室が弱体化し、東方に斉が、南方に楚が力を伸ばし、天下の経営が変化する中で、したたかな称は本国翼を滅ぼして、晋を統一したが…。広漠たる大地にくり広げられる激しい戦闘、消長する幾多の国ぐに。躍動感溢れる長編歴史小説全三巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中国歴史小説です。

    重耳(ちょうじ)は春秋時代の覇者である晋の英雄で、
    死んだ後は文公と呼ばれた実在の人物です。
    後半は、重耳の19年間に及ぶ苦難の放浪が書かれています。

    はっきり言って、重耳は切れ者でもないしかっこよくもありません。
    同じ筆者の『晏子』や『孟嘗君』の方が英雄然としています。
    むしろ、かっこいいのは彼を取り巻く家臣たちです。
    放浪中、立ち寄った斉で礼遇され、そこそこ良い暮らしをする内に、
    重耳は実家のこととかどうでもよくなってしまうんですが、
    家臣たちは重耳に酒をしこたま飲ませらせ、斉から運び出されます。

    ・・・重耳よ。

    それでも、わたしが『重耳』を選んだのは、重耳を中心とした魅力的な
    人物と、重耳の前に広がる広大な中国の大地が目に浮かぶからです。

    重耳は遅咲きながら名君となり、短いながら成功を収めます。
    決して華々しい人生ではないけれど、その性分は大らかで素直。
    人に愛されて助けられて、ここまで来たのだなぁ、重耳よ。

    仕事って、巻き込んだもん勝ちだと思う今日この頃。
    また、重耳の旅を読み返してみようかと思います。

    仕事でグチなんか言ったら、重耳に
    「わしを見よ。19年もさまよったのだぞ」って言われそう。

  • 中国春秋時代の晋の文公である重耳の物語。描写の濃やかさと人物の熱さで、宮城谷先生の歴史小説には毎回楽しませてもらっている上に、歴史の勉強にもなる。

    上巻では、晋が周によって封じられてより、翼の本家と曲沃の分家の二つに分立し、重耳の祖父である称が粘り強く宮廷工作を進めて本家の翼城を落として統一すると共に、これに乗じて曲沃を取ろうとする虢の国との戦いまでを描いている。重耳は初陣を果たして、翼攻めで軍功を挙げた駆け出しの状況。

    まだ先は分からないが、祖父ほどの器ではない詭諸の治世が暗雲のように漂い、いずれも大人物である異母兄の申生と同母弟の夷吾とのライバル関係も想起させるようなそれぞれの切磋琢磨が描かれている。

  • 20年前くらいに読んでた(年齢!!)宮城谷を再読する。
    わたしの遠い記憶の中では、太公望、晏子、重耳がおススメ。

  • おもしろい。

  • 感想などは、全巻読了後に。

  • 再読。
    下巻まで読了。

    重耳、すなわち晋の文公の生涯を描く歴史小説。重耳の祖父、称こと武公の時代から筆が起こされており、大長編だけれど飽きさせない。未だ伝説や神々が息づいている時代の空気を尊重しながら、しかも史実の説得力をも併せ持った硬派な小説。

  • 驥崎?ウ縺ョ逾也宛縺ァ縺ゅk遘ー縺ョ譎ゆサ」縺ョ隧ア縲よ刹縺ッ鄙シ縺ィ譖イ豐?↓蛻?」ゅ@縺ヲ莠峨▲縺ヲ縺?◆縲ゅ〒縺阪?濶ッ縺??縺ィ蠑溘↓縺ッ縺輔∪繧後※縺?k驥崎?ウ縺?縺」縺溘′縺励□縺?↓蟄伜惠諢溘r縺?縺励※縺上k縲ら・也宛縺ョ螳ソ鬘倥〒縺ゅk鄙シ縺ョ貊?コ。縺ゅ◆繧翫∪縺ァ縲

  • 重耳のお祖父ちゃんである称が、晋を一人前の国として認めてもらえるように頑張る話。
    称という人は野心家で、すごくよく考えて、よく働く。

    重耳は、聖人君子な兄の申生や、おとなしい優等生な弟の夷吾とは毛色が違って、特に目立ってすごいという訳ではないのだが、素直で、大器という感がある。
    器量という点では、劉邦に少し似ていると思った。

    称の孫3人を育てた先生もまたそれぞれ特徴があって、育てる人の影響ってあるんだなぁと思います。
    特に申生の先生の狐突は頭が良くて厳格で、かっこいいですね。

  • 読み始めはどうなることかと。中国の歴史は、人の歴史なり。

全65件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮城谷昌光の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮城谷 昌光
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×