重耳(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633253

感想・レビュー・書評

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  • 宮城谷さんの作品は「孟嘗君」「太公望」「楽毅」などを読んだ。
    重耳は、それらの作品に出てきた英雄たちと比べると、かなり地味である。
    それでもこの作品が面白いのは、やっぱり展開が素晴らしいからだと思う。
    重耳という主人公自身は地味なのだけれど、彼を取り巻く環境や、彼が過ごす時の流れが峻烈極まりない。
    なので全く飽きずに、春秋の一時代を、重耳と一緒に駆け抜けているような感覚に浸れた。

    上巻ではあんなに小さかった重耳が、中巻から下巻にかけて半端ない苦労をなめて、最後には名君になっている。
    報われたね〜、よかったね〜、と安心するとともに、ちょっと寂しくなった。
    マイナーなアーティストを応援していたら、いつの間にか有名になっちゃって複雑……あの気持ちに似てる。

    重耳の周りにいる人たちも、最前線で活躍したかと思ったら、年をとって、いつのまにか死んでいたり、誰かに殺されたり……
    これぞ戦国の歴史という感じ。
    その無常さがあるからか、重耳が先生である郭偃に再会するシーンはかなりホロリときました。
    この小さな文庫本の中に、時の流れが詰まっていて、すごい密度だなぁと思った。

    歴史小説は主人公が超ヒーローというのももちろん面白い。
    けれど、歴史を追体験するという意味では、地味な主人公の方が、地道に生きている現代人には合っているのかも。
    そんな新しい見方を与えてくれた素晴らしい作品でした。

  • 最期は高揚感なく終了。流浪の歳月がこの物語の主題ですかね。

  • ふむ。重耳に関しては、茫漠としてつかみどころの無い人物にしか感じられなかった。結局はもってうまれた資質、ということになるのだろうか。もちろん、流浪の旅が彼を成長させたとは書かれていますが、具体的にはよくわからなかった。それでも物語としては楽しめました。

  • 最高です。郭エンのような人に育てられたい。

  • 終わった。 重耳は覇者になったと良いながらも周りに支えられてなったのであるが、結局その人柄に惚れたもの達が彼を覇者にしたようなものであった。秦の王、楚の王共に彼を害せず礼を持って迎え、彼を最終的に晋の王にした。立国の話では無く、いかに礼を尽くして王になったかの物語であった。春秋戦国時代の中では珍しい成り立ちの君主であった。
    人に尽くせばそのうちどこかで良いことが回ってくるという見本のような話である。今でもそうだと思いたい。

  • 紀元前6世紀、中国春秋時代の五覇の一人で、晋の文公と呼ばれた重耳という人物の話。晋の君主の家系の二男に生まれたが、秀才でもなく人気もなく特徴のない人物であったため兄弟の中でも目立たなかった。しかし、晩年は、誠実で実直な性格により国内外の色々な人たちから一目置かれるようになる。身内の争いごとにより国外に脱出し19年間諸国を転々とする亡命生活を経て、晋に戻り君主となる。重耳の話というよりは、重耳に仕えたすばらしい臣の面々の話ではないだろうか。幼少期の教育係の郭偃をはじめ、丕鄭、孤突、孤偃、孤毛、先軫、介子推などなど見事な人物が揃っておりこれら臣に支えられてなければ重耳は君主にはなれなかっただろう。臣の忠誠心に感動した。

  • 重耳の、長い長い流浪の旅の続く下巻。流浪は長く、それだけに帰還はカタルシスがある。それにしても、中国ではこうした「担がれる主君」というのは一つの理想なのだろうか。個人的には申生の方が印象が強いかった。

  • 2013年08月 03/43

  • いつの時代も徳の高い人には良い部下・大夫が集まりますね。また、感情渦巻く人間関係は3,000年前も全く変わらない。ローマ人物語を読んでも思ったけど、人は変わらない。色々と考えさせられます。

  • 上巻に記載。

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著者プロフィール

宮城谷 昌光(みやぎたに まさみつ)
1945年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。1991年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞、1994年『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年『楽毅』で司馬遼太郎賞、2001年『子産』で吉川英治文学賞、2004年菊池寛賞をそれぞれ受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。
2006年、紫綬褒章受章。2016年、第57回毎日芸術賞受賞、及び旭日小綬章受章。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『呉越春秋 湖底の城』など多数。また『風は山河より』など日本の歴史に題材をとった作品もある。

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