名探偵の呪縛 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.06
  • (99)
  • (312)
  • (926)
  • (273)
  • (65)
本棚登録 : 4846
感想 : 343
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633499

作品紹介・あらすじ

図書館を訪れた「私」は、いつの間にか別世界に迷い込み、探偵天下一になっていた。次々起こる怪事件。だが何かがおかしい。じつはそこは、「本格推理」という概念の存在しない街だったのだ。この街を作った者の正体は?そして街にかけられた呪いとは何なのか。『名探偵の掟』の主人公が長編で再登場。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 名探偵シリーズ2作目。
    1作目は所謂本格派をなぞった作品だが、
    2作目はその本格派という概念が存在しない世界。
    冒頭で惹かれました。
    前作と微妙に繋がっている。
    事件のために作られた環境、登場人物は目的(事件)がないと何をしていいのかわからず、困惑する。
    これは現実でもある話だなと思いました。
    進むしかない。
    東野さんの軽いタッチの作品も読みやすくて面白いです。

  • 『名探偵の掟』の姉妹編といえる本書。“掟”が短編だったのに対し、本書は長編です。
    小説家の“私”がいつの間にか別世界に迷い込み、“探偵・天下一”になっている・・という、『名探偵の掟』とはまた違う世界観でした。
    パラレルワールドのような、この世界では“本格推理”という概念が存在せず、そんな街で次々と起こる怪事件に挑む“探偵・天下一”。そしてこの街を作った“クリエイター”とは・・?
    という、東野さんならではの軽快な運びでサクサク読めます。
    前作はどちらかというと“本格推理”を揶揄するような印象でしたが、本書は“それでも、何だかんだで本格は面白いよね”という感じになっています。
    私もクラシックな本格ミステリを愛読しているので、封印しないでほしいです。
    ついでながら、ラストの勿忘草のくだりが心憎くてほっこりしました。

  • なんだこれ?っと思った作品。著者が主人公として登場し、過去に自分で作り上げた世界に入り、次々と起こる殺人事件のトリックを解きながらこの世界に封印された本格推理小説を見つけるという話だが、面白いのは本格推理小説を封印したのは作者自身であり、この小説を通して作者の心境の変化が感じられるところである。
    また、作者である東野圭吾氏の考え方が垣間見得たようで面白かった。

  • くだらないなぁと思いつつ読めちゃう読んじゃう本。

  • 天下一大五郎シリーズの第2弾。
    前作の「名探偵の掟」が連作短編であったのに対して、こちらは長編になっている。前回は本格推理小説に対して、アンチテイストの体裁をとった印象を受けたが、今回は極めて王道路線。
    資料を探すために図書館に訪れた「私」は、チェック柄のスーツに身を包んだステッキを持つ男の後を追いかけるうち、現実とは違う異世界「墓礼路市」に迷い込んでしまう。そこは「本格推理小説」という概念が存在しない場所だった。
    その街で起こる、密室殺人や人間消失トリック。本格の存在しない街で起こる本格殺人に、探偵天下一となった「私」が挑む。

    本格ミステリーのお約束。それはこの手のミステリーをある程度読んでいるお方なら察しがつくようなロジックである。この物語のミソは、そんな常識を作中の登場人物はまったくもって認識しておらず、すなわち読者との乖離が生じていることにある。

    王道のようで実はアンチ。アンチのようで実はオマージュ。前作のキャラや設定を踏襲している場面もあり、普通のミステリー感覚で読むのは困難であろう。
    でも最後まで読んでみたらわかる。東野さんは誰よりもミステリーを愛していて、それでいて正真正銘のミステリー作家なのだ。

  • 未知の世界へ迷い込んだ主人公。小説家だった彼が周りから探偵の天下一として扱われている。歴史のない街に現れたミイラとそこから盗み出された何か。それを解決に導こうとするなか事件に遭遇する。登場人物の名前が単純で駒のようなものであるのは彼が昔書いた小説の世界だから。過去がないのも、現実ではなく彼が作り出した世界だから。彼が、自分自身が楽しくて書いていた小説を他の人の目を気にするばかりに否定してしまったことでその小説の世界は中途半端なものになってしまった。地下にいたミイラは彼が自ら主人公をころしてしまったことを比喩していた。昔の気持ちをすっかり忘れてしまっていた主人公が小説を楽しんで書いていたことを思い出すというような話で面白かった。

  • 名探偵の掟を先に読んでなきゃ意味がわからない作品です。
    小説の中と現実とで入り乱れるSF感もあり、本格推理小説とはちょっと離れるようなズレた推理小説

  • 出だしがプルトニウム239が出て来たので、
    かなり科学小説を期待しました。

    残念ながら,図書館から本の世界に入って行って科学ネタはおしまい。
    携帯電話のない世界。なるほど,時代を限定して書きたいときに使う手だと思いました。

    本格推理小説のない世界で,本格推理小説について説明するという
    自分の得意分野で相撲を取っている。
    たしかに一人勝ちのような気がした。

    本の世界なら,「魔法の声」「魔法の文字」の方が面白い。

  • これを読むと、他の東野圭吾作品を感慨深く読み直すことができる。最後に出てきたパジェロとスカイラインは、ガリレオシリーズの内海と草薙の車なのかな?

  • 『名探偵の掟』の続編ですが、構成は異なっており、“別物”という感覚が強かったです。
    冒頭からファンタジーめいたことが起き、予想も出来る範疇ながらも必死に頁を追ってしまう不思議さがありました。
    そして全てが明らかになった時は寂しさと切なさとどこか心が温かくなり、これまた不思議な読後感。
    何作か東野圭吾先生のミステリを読んでから『名探偵の掟』を読み、この作品を読むほうがこの作品の良さがより分かるかと思います。
    タイトルにある“呪縛”は色んな人に対して言えることであり、奥深いと感じました。

全343件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

名探偵の呪縛 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×