アトポス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1032
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (980ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633604

作品紹介・あらすじ

虚栄の都・ハリウッドに血で爛れた顔の「怪物」が出没する。ホラー作家が首を切断され、嬰児が次々と誘拐される事件の真相は何か。女優レオナ松崎が主演の映画『サロメ』の撮影が行われる水の砂漠・死海でも惨劇は繰り返され、甦る吸血鬼の恐怖に御手洗潔が立ち向う。ここにミステリの新たな地平が開かれた。

感想・レビュー・書評

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  • 全971ページ中753ページで漸く御手洗が登場するという、今までにも増して焦らしに焦らされ、本統に整然と解決するのだろうかと、シリーズ中最もハラハラさせられた。
    まあ、真相に隠し部屋や専門知識を要求させられたのは、やや失望したが、膨大なるエピソードの山が全て結末に活かされているのは流石!!

    相変わらず、冒頭から惹き込むエピソードの面白さは無類で、思わず童心に帰って物語に浸ってしまった。
    題名も実は謎解きの一部だなんて、ねぇ!

  • 分厚い分厚い文庫だったけど、読んでしまえばあっという間だった。

    前半のパーツは、物語の現在から始まり、歴史の中の架空の?物語が語られる。とりあえず、血生臭い感じで、吸血鬼の姫の話のあたりは、あれ、この本ってこういうホラーな感じなのね…これがこの分厚さ続くのはちょっと無理かも…とか思いながら読み進めた。
    それが、現在時間のパートになって、ハリウッド映画の撮影の話にがらりと変わる。そっちの方は、読みやすかった。
    御手洗さんのシリーズであることも知らずによんでたので、レオナ嬢がほんまにヤバいヤツだと思ってたけど、シリーズのレギュラーメンバーなのかな?御手洗さんは、颯爽と現れて、あっという間に事件を解決して、そりゃあ格好いい。

    御手洗さんの他のシリーズも読んでみたくなった。

  • 長い。ことしか覚えていない笑しかしシリーズものは好きな登場人物が出てくるだけで面白く感じてしまう。だけどこのアトポスは、その好きな人物が出てくるまでも長いという。。

  • 人魚の挿話が秀逸。妖しくて残酷。御手洗のヒーローっぷりも爽快。
    が、ほかの挿話はいただけない。いくら内容にリンクしているとはいえ、長すぎる上に人魚の挿話ほど本筋に厚みを持たせたとも思えない。作者が書きたかっただけ、もしくは内容を水増ししたかっただけという印象。

    「こんなことが現実にあるのかな?」と思わせる事件の数々からの、謎解きは見事。ここまで書かれると「え、それに気付かないとかある?」て疑問も吹き飛ぶ……

    長ーく長ーく頁を重ねることには魅力を感じない。
    例え長くて厚くても、書かれた描写や伏線や挿話が、どれも物語全体の太い骨組みになっていることを期待する。ただ長いだけの大長編はキツイ。
    でも☆四つ。人魚と御手洗がやはり魅力的でした。

  • CXで遂に御手洗潔シリーズが映像化されるとの事で、再読。

  • 御手洗潔シリーズ、9作目。

    今作も大長編。しかも、挿話の部分が相当長く、御手洗が出てくるのは何と1000ページ近くある文章の中で最後の200ページほど。しかしながら、前半の挿話部分の大半を占めるエリザベート・バートリィーの話は興味深く読めてしまう。相当にエグい話なのであるが、妙な魅力に惹きつけられてしまうのも事実。「水晶の~」といい、挿話部分がなかなか読み応えのある作品。その余韻に引き摺られてか、現代で起きた数々の残虐事件が尽くレオナの手によってなされたように見える展開が続き、もしかして本当に?なんてハラハラしっぱなし。漸く御手洗が出てきたときには正直ホッとした。雰囲気もガラッと変わり、解決部分は安心して楽しく読めた。ただ、肝心の仕掛け自体はちょっと非現実的、かな。亡霊の類ではもちろんないし、より現実的ではあるのだけれど、現実ものとしてはやはり想像しにくかったかも。

  • 女性の美への執念が招く殺戮のはなし。
    前半は14世紀におけるエリーザベト・バートリの所業と現代における奇怪な殺人者の出現、レオナの奇行に、二人の現地刑事が翻弄される。
    暗闇坂から主要サブキャラとして定着しているレオナの、狂人のごとき言動にハラハラ。
    海外ロケ地での不可解な殺人事件で窮地に陥るレオナと監督を救うためになんだかんだ探偵が奔走する展開、前世紀の死者が現代に甦ったかのよう見せる謎かけはピラミッドを踏襲。そういえば今回は友人に出番なしでした。

    複線用ではあるけどバートリのパートが一番恐ろしくもおもしろかった。前世紀、現在NY、現在エジプトそれぞれでひと悶着描かれるのでやはり長い!笑
    エジプトロケ入りから探偵が現れるまではさすがに冗長感が・・・
    死海に浮かぶ剣の山と、それに刺さる死体については重心の話が出た時点で大体予想がついたかな。ただモスクの住人やその構造についてはまったく想定外。後は薬がからんできちゃってレオナまったくもうというかんじ。でも結局真犯人には驚かされたし、してやられているな~

  • とにかく前奏が長い。長い!
    エリザベートの話ははらはらドキドキでその場に居るような感覚だった。
    しかしこれは長い長い前奏。
    正直このまま御手洗は出てこないんじゃないかと思ったけど、ちゃんと出てきたし弱き者の前では馬にまたがるんだね。

    でも正直レオナは自業自得だと思ってしまうけど…。
    優しいなぁ御手洗は。

  • 久しぶりの二連休キャッホー!と調子に乗って、一気に読み終えてしまいました。本を閉じて時計を見てビックリ、6時間ぶっ続けで読んでたのか…あ…頭痛い…←

    ◉16世紀に実在した史上稀に見る連続殺人者・エリザベート・バートリの生涯が描かれる前半部。
    実に全体の1/4のページ数を割いて、延々と彼女の狂って行く様が描かれます。純粋無垢な少女が、やがて怪しげな黒魔術に傾倒し、果ては残虐非道な殺戮を繰り返す姿に、ただただ戦慄。
    エリザベートの住まう城に奉公に上がった少女に視点が移ると、ここからはもう映画を見てるようでしたね〜。彼女が窮地に陥る場面では本を掴む手がジットリ汗で湿り、辛くも魔の手を逃れエリザベートの罪を告発した件では快哉を叫びたくなりました( ^ω^ )
    で、エリザベート・バートリの部を読み終えて、ふと気付いたのです。

    これ、導入部じゃん!
    現代の事件、全然起こってないじゃん!
    200ページも読んだのに、石岡くんチラリとも出てないじゃん!←

    そう愕然としながらも、次の部をめくると時代は中世から一転、現代へ!よーしよし!←

    ◉と、舞台が現代ハリウッドに移ったのはいいんですが、「エリザベート・バートリ」をテーマに扱った本を書いた作家が胴体から頭を切り離されたのを皮切りに、奇怪な嬰児誘拐事件が頻発した辺りで、ちょっぴり胸がムカついてしまいました。「そして誰もいなくなった」系のミステリが好きな私が言ってもアレなんですが、子供が被害者になっちゃうミステリはな〜、読んでて辛いんですよね( ; ; )
    というわけで、この辺は結構流し読み。ついでに、レオナの怪しすぎる行動を追う刑事さん達もテキトーに流しちゃいました☆〜(ゝ。∂)てへぺろ←←

    ◉そして、またまた舞台は変わります。今度は何と、イスラエルの死海!うーん、そそるわー(笑)
    連続嬰児誘拐事件及び作家殺人事件の最重要容疑者である女優・松崎レオナと、彼女を主演とした映画「サロメ」を撮る為にこの地を訪れた一行を襲う連続殺人!
    そのお膳立てをするように整えられた奇妙なモスクと大掛かりな舞台セットが、人間には不可能と思われる犯行現場を作り出す!
    これこれ〜ミステリはこうじゃなくっちゃ〜(笑)。しっかし、登場人物は判別しにくかったなー。

    そんな魅力的な陸の孤島な舞台に相応しいペースで事件が発生し、レオナ以外に犯人が考えられない状況が快調に作られて行きます←
    イヤミな男に犯人扱いされ、暴力まで振るわれたレオナの前に、颯爽と現れたのはもちろん、石岡くん!ではなく、もちろん名探偵・御手洗潔!!←
    あーあ、今回は石岡くんは日本でお留守番かあ( ´・ω・` )しゅん…
    となった同志の皆さん、それでも馬に乗って現れて見せた御手洗探偵に胸ときめいたんじゃないでしょうか〜(笑)。

    そんなこんなで、いつもよりは易し目なトリックの謎解きと、いつも通りの社会への警鐘をして、大団円へと至るのですが、今作は他作品より導入部との関連性が弱い印象だなあ。21年前の作品だから仕方ないか。

    あと、やっぱり、赤ちゃんを被害者にしちゃうミステリは、好きじゃないなあ。というわけで、それ以外の部分では星4つを付けたいところですが、一つ下げちゃいました。



    読み終わった直後にブクログにアップして指が疲れたので、今回はAmazonさんからそのまま引用〜( ^ω^ )てへぺろ
    虚栄の都・ハリウッドに血で爛れた顔の「怪物」が出没する。ホラー作家が首を切断され、嬰児が次々と誘拐される事件の真相は何か。女優レオナ松崎が主演の映画『サロメ』の撮影が行われる水の砂漠・死海でも惨劇は繰り返され、甦る吸血鬼の恐怖に御手洗潔が立ち向う。ここにミステリの新たな地平が開かれた。

  • 前半はあまりストーリーとは関係のない話が続きました。
    それゆえ読む速度がとても遅く、文庫本一冊分はあるため、本編に行くのに時間がかかりました。
    しかし本編は島田荘司らしい読み手を惹きつける文章でどんどん読めました!
    ただ前振りの長さなどを考えると、本編は他の作品にくらべ魅力がなく、御手洗の魅力も堪能することができなかったため星二つです。

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著者プロフィール

1948年広島生まれ。武蔵野美術大学卒。『占星術殺人事件』での衝撃的なデビューから現在まで日本ミステリー界の旗手として傑作を多数刊行。同時に新人の発掘にも力を尽くしている。現在その読者は世界に広がる。

「2020年 『改訂完全版 毒を売る女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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