聖アウスラ修道院の惨劇 (講談社文庫 に 22-2)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (615ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633727

感想・レビュー・書評

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  • 厳格な修道院で少女が死んだ。
    少女は「黒の部屋」から落ちた。彼女の体には無数の切り傷があった。
    厳格なマザー、身寄りのない美少女たち、桜の樹につるされた逆さの首なし死体、秘密の書庫、無数の髑髏。
    二階堂蘭子と黎人が事件に乗り出す・・・!!

    という舞台装置です。
    サービス満点ですよね。ミステリの魅力をこれでもかと詰め込んで。

    通勤電車で細切れで読んだのでいまいち世界にどっぷりはいていなかったせいか「えー?」とピンとこないところが多々あったため★は二つ。
    昭和レトロな雰囲気がステキ。

  • 流石のボリュームに大満足なのですヽ(*´∀`*)ノ.+゜♪.+謎解きもトリックもちゃんとコツコツ解いてフラグも見極めて……と、冒険小説っぽい所と『薔薇の名前』を思わせるシチュエーションと、読んでて飽きなかったのです(* ´ェ` *)

  • 作中で蘭子さん、「この世が、すべて神の意志によって創造された物なら、神の意志の届かないものや、神の目が届かない所は一つも存在しないわ。だから、地獄や怪物や絶対悪など、神の人間に対する加護に反するものなんて、あり得るはずがないじゃないの」とか言っているけど、アナタ絶対に神様なんて信じてないでしょ、と突っ込みを入れたくなった。

  • 二階堂黎人 聖アウスラ修道院の惨劇

    まだ3作品しか読んでないが、これがなかなか良いかも。
    これからも発表順に読みたいです。

  • 一作目の二階堂蘭子があまりハマらなかったんですが、今回は楽しめました☆
    とにかく江戸川乱歩を髣髴とさせますよねぇ。
    俗世とは隔絶された女子修道院、桜の木に逆さに吊るされた首無し死体、水晶の髑髏、地下の迷宮…あげだしたらキリがない。
    昭和40年代のお話で、ネットも携帯ももちろん無し。後半までどっぷりと蘭子ワールドにハマりました!
    でも、迷宮を解くあたりから宗教についての蘊蓄多めでこれは苦手f^_^;
    犯人を追い詰めて死なせない方が個人的には好き。でもその辺も含めて今回は楽しめました♪
    いつかまた一作目も含めてじっくり再読しよう☆

  • 新本格の黎明期の諸作は、今読み返してみると、色々とアレなことが多いのだが、二階堂氏の作は当時からミステリとしてはともかく、小説としてはちとキツいという印象があった。その印象に残念ながら変わりはない。ある種のキッチュさはわざとやってるんだろうけど、思わず編集者目線になって「ここは刈り込め」と言いたくなる描写がダラダラと続いたり、登場人物にこれっぽっちも魅力を感じられなかったりするのは、やはりしんどい。ミステリとしても突っ込みどころが満載なんだよなあ。

  • 3+

  • 再読。舞台は昭和44年。今回蘭子が挑むのは一年前の修道院での転落死と桜の枝に吊るされた首なし死体。相変わらずの二人ですが、密室、暗号、首なし死体に始まり、他にもいろいろ、まあ見事にいろいろ詰まっています。実は初読のときは読み切るのにかなりてこずったイメージがあるのですが、今回再読だからか600ページを一気に読まされてしまいました。ラストの展開は本当に新本格を読んでる!って感じでとても楽しかったです。解説にもありますがまさしく「本格ミステリマニアによる、本格ミステリマニアのための本格ミステリ」ですね。

  • 二階堂作品は真摯にミステリと向き合って書かれているしもっと知名度高くても良いんじゃないかと思う。けれども二階堂蘭子と黎人のキャラが謎を解くだけに存在する歯車のような感じが否めない。キャラ描写より謎だ、推理だ、という感じ。
    個人的に推理小説読む上で探偵とワトソン役のそれぞれの掛け合いが好きなので、そこが残念。

    本作も謎や舞台や雰囲気は最高なのに、キャラクターと推理がいまいち頭に入ってこなかった。
    しかし枝垂れ桜に吊るされた逆さま首なし死体は至極美しい。

  • 前半の蘭子シリーズはやはり面白い。またもやオカルト的解決か?と拍子抜けする部分はあるものの、ちゃんと地に足がついた結末だった。
    暗号文が一部誤りがあるような気がするが(そとすが同じ漢字)そんなことはどうでもよいのです。夜中に真剣に解読に取り組んでしまいました。
    ルパンを彷彿とさせる冒険小説になっていて、ハリウッド映画を見終えたかのような満足感です。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

二階堂黎人の作品

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