殺戮にいたる病 (講談社文庫)

  • 講談社 (1996年1月1日発売)
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  • 本 ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633765

感想・レビュー・書評

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  • 叙述トリック小説が好きなので、以前から読もうと決めていた。
    グロテスクな描写には正直、辟易した部分もある。
    解説の笠井潔さんの言葉を借りれば、家庭における父親の不在や過度の母子密着が、現代日本における家庭の荒廃を象徴しているかのようで、ドキリとさせられた。
    読者の先入観を巧みに利用したトリックは、さすがの一言に尽きる。

    岡村孝子さんの「夢をあきらめないで」は個人的に大好きな曲なのだが、犯人もお気に入りの曲。
    作中で何度も登場し、犯行時に流れてハミングする描写にはやめて〜!と悲しい気持ちになった。
    ♪あなたの夢をあきらめないで〜
    ♪似てる誰かを愛せるから〜
    ……うまく取り入れているなとは思ったものだが(-_-;)

    (余談)
    ♪熱く生きる瞳が好きだわ〜…のフレーズが私のお気に入り。

    • yukimisakeさん
      思い出しました、あのグロさを…
      その曲、これで知って最後の方は聴きながら読んでましたー
      思い出しました、あのグロさを…
      その曲、これで知って最後の方は聴きながら読んでましたー
      2024/10/23
    • なおなおさん
      ヒボさん、本書が“読書モードに入るきっかけ”だなんて怖〜っ(笑)
      私は湊かなえさんですね。イヤミス過ぎて嫌になり、今はお休み中です(-_-;...
      ヒボさん、本書が“読書モードに入るきっかけ”だなんて怖〜っ(笑)
      私は湊かなえさんですね。イヤミス過ぎて嫌になり、今はお休み中です(-_-;)

      雪見酒さん、「夢をあきらめないで」は、人生の応援歌だと思うのです。
      こんな殺人に使わないで〜やめて〜って思いました(T_T)
      2024/10/24
    • ヒボさん
      やっぱそうなりますよねσ(・ω・`)
      やっぱそうなりますよねσ(・ω・`)
      2024/10/24
  • 表現が多彩で、生々しくて気持ち悪くて…ご飯を食べながら読む事を躊躇った作品。どうしたら常軌を逸した犯人・蒲生稔の思考や行動を事細かにリアルに描けるんだろうか。

    過去に読んだ『悪の教典/貴志祐介』のハスミンこと蓮実聖司と同じで、やってる事は酷いけど説得力があって納得してしまう。彼らにとっては呼吸をするのと変わらない、きっと普通に頭に浮かんだ事を普通に行動してるだけなんだよな。

    叙述トリック物と知らなかったので、最後何が起こったか分かりませんでした笑。先入観って怖い、息子と母親と思って読んでいたから違和感もスルーでした。

    • かなさん
      アンシロさん、こんばんは。
      この作品、色んな意味ですごかったですよね(;´Д`)
      読みながらご飯を食べるのをためらう気持ちもわかりますっ...
      アンシロさん、こんばんは。
      この作品、色んな意味ですごかったですよね(;´Д`)
      読みながらご飯を食べるのをためらう気持ちもわかりますっ!!
      私もエンディングに驚かされました…。
      2024/11/24
    • アンシロさん
      かなさん、おはようございます。
      文字なのに映像で見るより情景が浮かぶようでした^^;最後、さらっと真実だけを明かして終わるのがえ?え?えーー...
      かなさん、おはようございます。
      文字なのに映像で見るより情景が浮かぶようでした^^;最後、さらっと真実だけを明かして終わるのがえ?え?えーーっ?どういう事?ってなりました笑。
      2024/11/25
  • 裏表紙にも書かれていますが、サイコキラーの猟奇的な連続殺人事件のお話で、犯人は最初からわかっていました。

    視点が、犯人、事件を追う元刑事、雅子の三者となっていて、それぞれの時系列もきちんとわかりやすかったです。
    殺人の内容が…アレですよ、大分グロテスクな表現が多くて。気持ち悪くさせる目的(?)なのかしらって思いながら読んでいました。
    でもなーただ気持ち悪い押しされても、何というかあんまり私のメンタルには響かないなぁ…なんて思いながらお話は進み。

    最後の8行で「えっ?なんて??」と何度か読み返して冒頭に戻り、中を飛ばし読み。

    そうかーそこかー!!参りましたー!!
    そーゆー風に思えば、ちゃんと書いてありましたね、疑わしき描写!みたいな。

    まんまとすっかり綺麗に騙されました。
    描写がキモチワルイけど、みなさんの評価が高いのがわかりました!

  •  これが俺の愛の形だ。と信じて疑わなかったものが形として残らなかった時、いつまでも手元に残るようにしておきたい、いつでもすぐ感じられるようにしていたい、最高潮の状態を。もっともっと…欲望に歯止めが効かなくなって、女性を連続殺人していく話。
     犯人の犯行だけを描いた話ならあんまり引っかからなかったかもしれないけれど、犯人の家族がうまく絡んできていて一緒にドキドキした。面白さに加速度をつけていたと思う。

     過激な描写が多いと知っていたので敬遠していたけど、書き出しと導入部を読んで続きが気になって驚くほど一気読みした。途中気分が悪くなるところもあるのだけど、最後に「えっっっ⁈」と声が出て、頭に????を抱えながら解説を読み、もう一度惹きつけられた冒頭の導入部を読んで、鳥肌が立った。

     騙されました。怖くて、気持ち悪いけど面白かった。まさに「殺戮にいたる病」を垣間見た。
     

  • 叙述トリックの最傑作…と、前評判が高かったので、それなりに単語や文脈を警戒しつつ読み進めたものの、ラストは見事にハメられた。
    文中、刺激が強すぎる異常な描写に幾度か不快感はあったが、犯人・元警察・犯人家族の各視点と時系列で展開していくストーリーに魅了される自分の方が優っていた。

  • 叙述トリック作品の最高峰と言われるだけあって、完全に騙された(@_@)
    後で読み返すと確かに、色々伏線はってある…
    でもな、こんなにエログロなの見せられたら(読むか…)、注意は、そっちに行くって!
    「おいおい!そんな事したらアカンやろ!」って…
    「こんな奴おるんや!あり得んわ!」って…
    そっちに集中!って感じなってもうた_| ̄|○
    言い訳…^^;

    これは、再読やな!2度目はエログロは大丈夫やし!ホンマかな…(ーー;)

  • タイトルとおり精神的に辛いホラーミステリー。しかしミステリーとしては超名作の一級品、圧倒的★5

    サイコキラーが次々と若き女性たちを惨殺、母や引退した刑事たちが少しずつ真相を解明していく…

    女性を惨殺する描写はあまりに痛烈、ここまでグロい作品は島田荘司のアポトス、龍臥亭事件くらいでしょうか。読み切るにはなかなかしんどかったです。
    しかし名作となりうるには理由があり、あっと驚く結末がミステリーファンをうならせます。よくもまぁ組み立てました、素晴らしい作品です!

    なんといっても登場人物たちの心理描写のクオリティが高く、主人公の狂った情感と、母の掻き乱された心情が切々と伝わってきます。気を付けないとあなたも…

    正直女性にはオススメしませんが、ミステリー好きなら是非読んでおきたい一冊。

  • H30.10.6 読了。

    ・ほとんど一気読み。最後までトリックに気付かなかった。

    • kurodayさん
      読魔虫さん、フォローありがとうございます。
      今後もよろしくお願いします!
      読魔虫さん、フォローありがとうございます。
      今後もよろしくお願いします!
      2018/10/18
  • みなさんのおっしゃるとおり、グロい。
    最初から最後までグロい。
    食事中は読まない方が良い。
    てか、普通は食事中に本は読まないのかな?

    とあるサイコキラーの話。
    3人の視点で話は進んでいくのだが、なぜ3人必要なのか、ずっと違和感があったが、最後に理解できた。
    トリックはある。
    もちろん騙された。
    しかし、それだけのこと。
    歌野晶午さんの「葉桜の季節に君を思うということ」などが好きな人にはお勧めできるかな。
    グロいけど。

  • 読み終えてすぐに1P目から読み直した唯一の作品!!

    武丸先生のすごさに触れられる一冊は超ド級の衝撃作。

    脳内での描写を拒みたくなるエグさと、見事なトリック。

    間違いなくオススメの1冊ですが、エログロの最高峰とも言える作品の為、苦手な方は【取り扱い注意】です。

    本作がきっかけで、久々に読書を再会するきっかけとなりました。

    これぞ大どんでん返しの最高峰!

    確かに伏線はあちこちに…

    これから何度も読み返し、その度に本作の深みにハマりそうです。


    <あらすじ>
    東京の繁華街で次々と猟奇的な殺人を犯すサイコ・キラー、蒲生稔を中心に展開する物語です。彼の犯行は非常に残虐で、被害者は全て女性です。

    物語は、蒲生稔、彼の母親である雅子、そして警察を引退した樋口の三人の視点から進行します。物語の冒頭で蒲生が逮捕されるシーンから始まり、彼の犯行の詳細が描かれていきます。ラストには驚愕のどんでん返しが待っており、読者を衝撃の渦に巻き込みます。

    この作品は、グロテスクな描写やエロティックな要素が多く含まれているため、そういった内容が苦手な方には注意が必要です。




    内容(「BOOK」データベースより)
    東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるシリアルキラーが出現した。くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇、平凡な中流家庭の孕む病理を鮮烈無比に抉る問題作!衝撃のミステリが新装版として再降臨!

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に、『人形はこたつで推理する』にはじまる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』『裁く眼』『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『修羅の家』などがある。小説の枠を越えマルチに活躍し、ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作でも知られる。

「2022年 『監禁探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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