殺戮にいたる病 (講談社文庫)

著者 : 我孫子武丸
  • 講談社 (1996年11月14日発売)
3.83
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633765

作品紹介

永遠の愛をつかみたいと男は願った-。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

殺戮にいたる病 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • エピローグから始まる小説を読んだのは初めてかも。
    犯人が最初からわかってる推理小説…作者の企みはなんだ?と考えつつも何も思い当たらずに最後まで読んで、頭の中は「?」がいっぱい。読み返してみてじわじわと迫ってくる真実とこの本の醍醐味。
    この作品が名作と言われているのは知っていたけど、グロの苦手な私は手が出せずに読めずいた。読んでみるとさらに苦手なエロも!だけどこの犯人は滑稽すぎてエロもグロも吹き飛んだ。ただただ呆れる。
    でも最後はさすがに気持ち悪かった。彼は真実の愛、永遠の愛を手に入れたのか。息子が犯人ではないかと疑う雅子も異常。普通息子の部屋であんなことまで調べるのだろうか?
    読後岡村孝子の歌を聴きたいような聴きたくないような…

  • なぜか近隣の図書館にもなく、ブクオフでも見たことなく、ひさびさに定価で買った本(オイオイ)。

    たしかに驚く。いわゆる新本格というジャンルなんだろうけど、犯人の名前は最初から出ている。犯行前後の異常な心理および行動につい目を奪われて、たくみに入れ替えられた時間軸と、息子を心配する母の視点が、さらに読む方を混乱させる。

    私自身は母親なのですっかり雅子の目線で読んでいて、自分では普通に育ててきたつもりでも、かわいかった息子が……って疑うような事実が次々と出てくるのは恐ろしいだろうなと思った。
    ちょっと時間軸を整理すると、わかるのかもしれないけど…このラストで判明する「犯人の正体」がばれないようにするため、かなり情報を出さないようにしている。わかるけど…ちょっと個人的には納得いかないので☆3つ。

    とにかく犯人の「病」たるや…おぞましい。なんだかんだ、親とのつながり…に端を発するのかと思うと、暗澹とした気持ちになった。

  • 異常性愛殺人を真っ向からストレートに描いた作品。我孫子武丸らしい高いリーダビリティと、キレの良い叙述トリック。ラストはポカーンとなりました。しかしウザい母親を描くのがうまいなあ。あの母親と父親に挟まれて優しいいい子に育つっていうのは無理があると思う。テーマに根付いた蒲生たちパートと比べると樋口パートはストーリーを回すためだけのパートって感じがしたけど、徐々に複数視点の時間軸が近付いてくるとハラハラワクワクした。時代を賑わせた殺人者たちが出てくるのもなかなかいい。

  • 予備知識ゼロで出会いたかった作品。
    終盤、たいした根拠もなく「もしかして...」と真相に考えが及んでしまい、最後の驚きが半減してしまった。よく作り込まれた、画期的とも言えるトリックで気持ちよく騙されるハズだっただけに、自分の読み方のヘタさが悔やまれる。

    大技トリック一発勝負のために全てが緻密に作られた作品なので、それ以外の感動や爽快感は求められない。グロさは有名だが、魅力的な人間が出てこないという意味でも疲れる作品。

  • 前々から気にはなっていたけど読む機会がなくて読めていなかった本。
    こういう名作中の名作、でも少し古い本ってなかなか手に取らない。
    今回は友人が読んでいて面白かった、と聞いたのですぐに後追い読書。

    叙述トリックというのをうまく説明できないけど、ここまでうまく錯覚を起こさせるってすごいの一言。
    途中何点か、変わった表現だなぁと思うところはあってもそういう結末に続くとは誰も思わないはず。
    途中までこれはどういう理解で読めばいいのだろうと思っていたけれど、全て読んで初めて物語だった。
    こんなことを言っては不謹慎なのかも知れないけれど、ミステリーやサスペンスものは面白いと思う。
    そしてそれは人が死ぬことが多い。
    それは残酷さや暗さが好きなのではなくて、あくまで最後に解決という灯りと、その過程、謎が紐解けて行く瞬間が好きだからだ。
    高揚感にも似ている。
    なので私は人が無意味に死んだり、痛めつけられる話は好きではない。(また友人たちには意外だとか言われそうだが)
    だから、この話も途中まではタイトル通りに殺戮だったので気持ちの落とし所に少し戸惑ったりもした。
    (グロい、エロいの類は問題ではないけれど)
    でも全部通して読んだときに最高のミステリー作品になっていて、呆気にとられるとはこのことかと実感した。
    見ていたものは同じなはずなのに、文章で人をここまで惑わせられるのでやはりミステリーは面白い。

  • 話題にそぐわない一冊だった。

    話はスピーディに進み爽快で、もちろん最後は!?となった。なるほど。面白い。

    ただ、私のようにエログロに耐性がない人は気をつけたほうがいいかもしれない。エログロ描写は飛ばし飛ばし読んでしまった。

    読了後、腑に落ちないところもあったのでネットで検索し、やっと理解した。

    2週目を読みたいとはじめてくらいに思えた作品。

    個人的に、内容には☆5。‪エログロ描写の多さに-0.5で☆4.5。

  • 小説を読む醍醐味の一つに叙述トリックがある。文章上の仕掛けによって読者のミスリードを誘う手法のことであるが、本作はそんな叙述トリックの最高傑作と言われている。
    前情報として「この作品は叙述トリックだから」と聞かされていたので、読むときは絶対に騙されまいと身構えた。……がしかし、してやられてしまった。この作品を読む際は決してネタバレを見てはいけない。この作品は、ストーリー構成から伏線の張り方まである一つの「ギミック」のためにある。そのため、最後まで読んだ後にもう一度見返すと、いたるところに綿密な伏線が張り巡らされていたことに驚愕するだろう。本作は二度楽しめるのである。

    物語はいきなりエピローグから始まる。出落ちってやつだ。つまり結末から語られるのである。この時点でなかなか挑戦的な展開であり、読者は不信感を募らせながら読み進めることになるだろうが、これもまた作者の思惑通りなのだろう。

    からっと騙されるカタルシスを得てみたい方は是非とも一読いただきたい。

    しかし、本作は殺人シーンや凌辱シーンをかなりリアリティーに描写しているため、読んでいる途中で気分が悪くなる恐れがあるので注意されたい。

  • 見事に騙されました・・・最後のほうのある人物のある台詞によって、読者が最初から騙されていたと知った時のあの衝撃!
    ネタを知ってから読み返すと作者のかたが慎重に物語を構成されているのがよくわかります。

    話の内容は猟奇殺人を追うサスペンスですが、ちょっとエロイ、そしてかなりグロい表現が多々登場しますので、そういうのが苦手な方やお子様にはおススメできないのが残念です。

  • 途中、表現がリアルすぎてグロくて、読むスピードが落ちてしまいましたが、最後は追い込みのように目まぐるしく展開していくので一気に読んでしまいました。
    そして最後まで読み終わって『…ん?え??』となり、解説を読んでもイマイチピンと来ず、ネットで調べて読み直して、ようやく『なるほど…』となりました。
    何らかのトリックが仕掛けられていることは何となく初めから分かってて読み始めたのですが、結局まんまと騙され、読み終わっても分からないという(汗
    この作品は、こういった種類のトリックを扱う小説では傑作のようですね。私はこのような作品を読んだことがなかったのでとても興味深かったです。
    ただ、エログロが少々キツめなので、読み終わった後はスッキリとした感覚はなかったですが、徹底的に騙されて、『あぁー!』となった時の爽快感は他では味わえないと思いました。

  • 見事に、トリックに騙されてしまった。
    終盤まで、あれ?あれ?このままいっちゃうのか。何か仕掛けられてる雰囲気は感じるけれど、と何度か戻りながら見てたのだが分からず最終場面。へっ?っとぽかんと空いた穴に、流れ込んでくる伏線たち。衝撃でした。我孫子先生凄いな。

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