走らなあかん、夜明けまで (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633970

感想・レビュー・書評

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  • 日本一不運なサラリーマン、坂田を描くシリーズ第1段。まあ不運というか向かう方向が違う気がしてならないのだが、そこはお愛嬌ということで。初の大阪出張で新商品のプレゼンを任されたのだが、そのかばんを間違えて持って行かれてしまう。その相手がヤクザだったので、さあ大変だ!というあんばいの物語。ストーリーはあり得ない箇所もある気がするがキャラが魅力的。特に中盤で仲間になるケンさんが良い。纏っている空気感が絶品である。で、次の不運は北海道でマフィアですって。

  • なんだこのタイトルは?この手のタイトルは期待して良いものかと思いつつ読み始めた。あらっ?ページをめくる手が止まらん。あららっ!内容も正しくタイトル通り。スピード感あふれる内容。読み続けなあかん、終わるまで。

  • 単なるサラリーマンの坂田が、やくざに何度も殺されそうな目にあいながら、真弓とアタッシュケースを取り戻すのに奔走する。
    暴力シーンもいっぱいだから、ハードボイルドではあるんだろうけど。
    東京人は大阪を、大阪の人は東京を…意味のない偏見アルアルが絡んで、東京、大阪どちらにも住んだことのある私には色々楽しめた。

    過酷な状況でも我が信念を貫いた坂田はかっこよかった。

  • 奥付を見ると、15年ほど前に一度読んでいる作品であるが、全く新鮮な気持ちで読み終えた。
    平凡な東京のサラリーマンが、大阪出張で偶々間違って持ち逃げされた、企業秘密の入ったアタッシュケースを取り返そうと、やくざとの追いつ追われつ劇。
    その過程で知り合った元ヤンキー娘や、無敵の喧嘩王たちとの交情。
    そして、キタからミナミから舞台となった大阪の、大沢版”るるぶ”?さらに、東京者と大阪者との文化人類学比較?
    疾走感あふれる、追跡劇ノンストップアクションをたっぷり味わった。

  • 大沢在昌の長篇ミステリ作品『走らなあかん、夜明けまで』を読みました。
    『Kの日々』、『夢の島』、『B・D・T [掟の街] 新装版』に続き、大沢在昌の作品です。

    -----story-------------
    日本一不運なサラリーマン、最初の事件

    生まれて初めての大阪出張。
    二十七歳のサラリーマン坂田勇吉(ゆうきち)は、企業秘密の新製品を詰めたアタッシェケースを、手違いから堀河組というやくざに持って行かれてしまう。
    取り戻すには、敵対するセンバ会から取引代金の五千万円を奪わなければならない! 
    日本一不運なサラリーマンが走る! 
    シリーズ第一弾。
    -----------------------

    1993年(平成5年)に刊行された作品……不運の坂田シリーズの第1作です。

    東京生まれの東京育ち……箱根から西へは行ったことがないという坂田勇吉は、食品会社に勤める若手サラリーマンだ、、、

    新製品のサンプルが入った鞄を持ち逃げされてしまった坂田は、夜の大阪を激走する……異国へ迷い込んだような過酷な状況が次々と襲ってくる中、鞄を無事に取り戻し、生還することはできるのか!?

    東京から大阪に出張に来たサラリーマン・坂田勇吉が、企業秘密の新製品を詰めたアタッシェケースを盗まれたことからヤクザや暴力団とのトラブルに巻き込まれていく一夜の物語……大阪の街の雰囲気や文化が生き生きと描かれており、主人公の坂田の苦難と成長が印象的でした、、、

    スピード感と緊張感があふれる展開で最後まで集中力を欠くことなく読めました……東京の象徴である坂田と、大阪の象徴である真弓の関係も良かったですね。

    サウナでのマジックテープをペリペリ剥がすシーンは息が詰まりそうで忘れられないですねー 結末もハッピーエンドで良かったな……続篇があるようなので、是非、読んでみたいですね。

  • 会話文および改行多めで、頁に余白も多め。よって頁をめくる手がびゅんびゅん。それが物語の展開のスピード感と相まったら一気読み。東京から出張でやってきて「大阪の街をうろつくつもりはなかった」主人公なのに一晩のうちに大阪の街を駆けずり回ることになってしまって、キタからミナミ、東へ西へ。梅田難波通天閣だけでない、細かい具体的な濃いいめな地名まで出てきて、土地勘有る私は場面場面の情景をありありと思い描くことができて臨場感。

  • 東京っ子の会社員が出張先の大阪で間違って大事な鞄を盗まれる。極道たちの手から取り戻すため、キタからミナミと初体験のナニワの街を命がけの大爆走、大追跡。ヤクザ同士のメンツをかけた争いに巻きこまれ、次々襲ってくる過酷な状況に涙をふり払って立ち向かう。息づまるワンナイト・チェイスの興奮。

  • 坂田勇吉、ササヤチップスの営業職。出張で初めて大阪に足を踏み入れ、カルチャーショックを受ける。ちょっと過激なショックだったけど。
    一番かっこいいのは府警の刑事さんだったと思う。

  • 和製のマクレーン刑事ですかね。
    少し弱っちいですが。

  • 「新宿鮫シリーズ」で有名な大沢 在昌のミステリ小説。Honya Clubで書店員のお勧めがあったので読んでみた。大阪のディープな部分を強調し過ぎの感あるが、堅気の主人公の大奮闘により、ファンタジーとなっている。九州人である自分には良くわからんが、ディープな大阪や関西弁(関東と比較しての関西の特異性)は、メディアによりデフォルメ・歪曲されている部分もあるのではないか、と思った?

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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