- Amazon.co.jp ・本 (636ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062633994
感想・レビュー・書評
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2017年21冊目。
大好きな作家である岡嶋二人が、どのように生まれてどのように解散するに至ったかを井上夢人氏からの視点で書かれたエッセイ。
デビューまでと、デビュー以降のギャップに読んでいて苦しくなる部分も多い。そして、既に読んだ小説がどのようにして完成したのかなど、ネタバレだけでなく組み立て方なんかも出ていてとても面白かった。
総合的に岡嶋二人は大好きなんだけど、面白い作品とそうでもない(もっと言えば残念とまで思える)作品のギャップがあって、それがやっぱり合作である故なのかと思ってたけどそうじゃなかったんだとか色々分かって、既に読み直したいと思う作品がいくつかある。
ただ、解散に至るまではやっぱり一方の話だけでは分からないかな。
徳山氏自身が出さないと言っているのだから真相は分からないままだろうけど、ぜひ徳山氏の思いも聞いてみたい。
あたしは「99%の誘拐」で岡嶋二人を知って、その後すぐクラインの壺を読んだ。この二作品は今も増版されてるくらい人気のある作品だけど、あたしは同じくらい「明日天気にしておくれ」が好きなのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういう話しはあまり知りたくなかった。
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どちらも悲しい。
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昨年、岡嶋二人を知り、『99%の誘拐』『クラインの壷』『焦茶色のパステル』『ちょっと探偵してみませんか?』の4作品を読んですっかり虜になってしまいました。
二人の活動を振り返った本書には、未読の作品のネタバレも含まれると思われたので、読むのをためらっていたところもあったのですが、読み終えた今ではいいタイミングで読むことができたと思っています。
二人の出会いと別れの経緯が生々しく描かれていて、時に胸がつまるほどせつない部分もありましたが、読後感は爽やかでした。二人の天才が駆け抜けた13年間の歴史は、一人の創作者とは違う苦悩があって、まさに岡嶋二人でしかありえないエッセイです。 -
岡嶋二人の本の、面白さのバラつきに「そういうことだったのか」とすごく納得がいった。二人が作った本は、3分の1ほどしか読んでない状態でこの本を読んだ。かなりいろいろなネタバレもあったし、あのタイトルは面白くないという作者からのお墨付きもあった。でも、二人の創作の仕方、ネタの出し方練り方を知った今、面白くない物語でも新しい視点で楽しめると思うので、全部読もうという決意が固まった。イズミと徳さんの物語に萌えてしょうがない。すごいです。すみません。と思いながら読み終えたら、解説の大沢在昌さんが「まるで恋愛小説みだいだった」と書いている。それもイズミちゃんが女がで、徳さんが男だ。私が萌えてしまうのも仕方ないですね、大沢さんまでそう思ったんだから。大沢さんの本も今度読みます!
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解散するところがやっぱり悲しいですね。仕方ないんだろうけど。
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面白かったが切ない話。
まさか[盛]の部分が乱歩賞受賞までとは。プロの小説家になってから(と言うより授賞式の日から)[衰]が始まるとは驚く。数々の傑作ミステリーが全て[衰]の時期に作られている事に驚く。小説家とはいかに厳しい職業か。ただこの本は井上氏側から書いた本なので、ちょっと徳山氏が可哀相に思えるが、あえて徳山氏は反論本を出していないのが、なんともこのコンビらしい感じもする。まるで恋愛小説みたいな本。 -
気分が落ち込んで、鬱っぽくなり、エネルギーを要することが自発的にできなくなったときに読む本がいくつかある。その多くは、例えば『まんが道』『プレイボール』などのマンガであったけど、今回は既読の本棚に並んでいた本書を手にとった。本書は、井上氏による「岡嶋二人物語」であり、ミステリ作家の自叙伝であり、一種のノウハウ本であり、青春物語であり、そして何度も読むことができる☆☆☆☆☆の傑作である。
解説の大沢氏と同様に、私は雑誌(『メフィスト』だったのだろうか? 当時の講談社の日本ミステリ専門誌だった)初出時に読んでおり、それもちょうど就職活動期で落ち込んでいたときで、忙しい時期だったにもかかわらず、あまりの面白さに一気読みしてしまったものである。だから、読むたびに、あのシュウカツの空気を思い出す。 -
わかり易く書けば「まんが道」の岡嶋二人版ですね。
読んでて楽しい前半部に比べ、愚痴が多くなる後半部は読んでて切なくなってきます。