潮流 (講談社文庫)

  • 講談社 (1997年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (302ページ) / ISBN・EAN: 9784062634328

みんなの感想まとめ

切なくも愛おしい物語が展開され、登場人物の健気さや心の葛藤が深く描かれています。北アフリカの星空や江ノ島の海辺といった美しい舞台設定が、作品の繊細な雰囲気を一層引き立てています。男女の複雑な関係性が心...

感想・レビュー・書評

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  • 唯子さん健気で可愛いですが、切なくて仕方ないです。
    伊集院静さん、謹んでご冥福をお祈りします。
    もう新しい著作が読めないのは残念ですが、これから作品を読み返します。

  • 北アフリカの星空の下、江ノ島の海辺、茅ヶ崎の小さなホテルの一室。
    繊細な文章と男女の世界観が心地良いです。

  • 世間がなんと言っても、ふたりにしかわからない愛がある。夏目雅子さんとの恋はこんな感じだったのかしら?

  • 中年男性と少女の物語
    中年男性:ろくでもない会社員 妻子あり CMプランナー
    少女:20前後の女優の卵 才能ある有望な若手女優
    中東の砂漠でのCM撮影を機に出会う

  • 化粧品の宣伝を作るクリエイターとそれにモデルとして抜擢された少女。伊集院静の描く男と女の物語はいつも美しく魅了される。さしのべた手にこそ葡萄の房は落ちてくる。痺れる台詞だ。

  • 広告業界が舞台になっている、CMプランナーと無名から人気女優なる二人の自伝的恋愛物語です。「ものを作り出す仕事は半分以上が運命との連続した出逢いだと思っている。」(P80)が印象に残りました。

  • 広告代理店と女優の物語。

    珍しく深みのある恋愛小説かと思って調べたら、作者・伊集院静と故・夏目雅子をモチーフにした話らしい。
    流れる文章とか情景の描写とかすごくすてきな話なんだけど、伊集院静のオレモテる。的な雰囲気が少し鼻についつしまった。

  • 伊集院 静の【潮流】を読んだ。

    無頼派クリエイターの健一と無名だったモデルの唯子の愛の物語だ。

    大手化粧品メーカーのCMを作るために、大物タレントを起用しようとした健一だが、交渉に失敗し18

    歳で無名の唯子をキャンペーンガールとして大抜擢する。

    無邪気な18歳の少女が撮影をするたびに序々に大人の女へと成長していく様を一番側で見ていた健一は

    その不思議な魅力に惹かれていくのだった。

    「花を食べて綺麗になる鳥の夢」を幼い頃に見たという唯子は、自分も花を食べて綺麗になりたいと願う

    純粋な少女。

    唯子も健一に想いを寄せるが、三十歳の健一には妻も子もいる。いわゆる不倫の愛なのだ。

    このキャンペーンが大ヒットし、唯子はスターへの階段を一気に駆け上がる。それとは対照的に生活が荒

    れ、落ちぶれていく健一。

    スターになった唯子と落ちぶれた健一。ふたりは1年後に再会を果たし・・・。

    小さな片田舎の旅館でふたりで肩を寄せ合い海を見つめる最後のシーンの情景がなんとも切なくて美し

    い。切ない大人の恋ではあるが、そこには人間らしさが詰め込まれていて下手ないやらしさはない。

    これこそ伊集院静の世界感の賜物だろう。

    おそらくこの作品は伊集院静のCMディレクター時代の経験がネタになっているのだろう。

    CMを作る上でのスタッフの苦労やそれに関わる人々の仕事模様がこと細かに描かれ、臨場感を最高にま

    で高めてくれる。見方によってはただの女にだらしない男と取られるかもしれないが、僕がそこに感じる

    のは「男の美学」であった。

    男の作家が男の視点から恋愛を描いているから、唯子の気持ちにしても2人の展開にしても都合がいい展

    開に思えてしまうかもしれないが、それでも愛というのは色んな形があり、それぞれに普遍的でもあり、

    流動的でもあるということを今一度教えられる。

    だから人はどんなに辛い失恋の後でもまた恋に落ちるのだろう。

    人生の中でその身を焦がすほど、身を削るほど人を愛し狂おしいまでに求めることがどれくらいあるだろ

    うか。

    個人的な意見だが、何不自由ない幸せな時間よりも、切なくてやるせない想いに浸るほうが生きる糧とい

    う意味で大きく影響しているように思えてならない。

    伊集院静を読むようになって日が浅いが彼の小説世界には誰もがひとつは持っている切ない思い出の小さ

    な扉をそっと開けてしまうような不思議な魔力が潜んでいるような気がするのであった。

  • 先日故・夏目雅子を主人公にしたドラマが放映されていたが、母からみた娘・雅子と違ってこちらは夫である著者からみた妻との出会いの話。
    最後はさらりと書かれているので湿度が心地よいです。

  • 未来の行方のわからない二人の運命。景色が目に見えるようだ。

  • 期待してたけど全く面白くなかった。
    主人公の人間性に共感できぬ。願望かと?今年の読書がっかり度No. 1。

  • 内容がつまらないし、作者の人間性が作品に出てて好きにならない。

  • 《本文より》
    「自分は海に落ちた小さな椰子の実ななのかも知れないと思った。これから先どこへ流れ着くのかはわからないが、もがけばもがくほど自分の希むところとは違う場所へむかう潮流に流されているような気がした。」

    人間とは自分が思わない方向へ進んでいくこともある。

  • 2010.10.18

  • ★2009年57冊目読了『潮流』伊集院静著 評価B+

    化粧品会社のCM製作を担当するフリーの健一という男気のあるしかし女にだらしない、仕事のできる男の話。華やかな世界に似つかわしい物語の展開は、素人の私には想像できない世界で進んでいく。著者自身同様、雰囲気のある作風が特徴なのか、ふわっと読まされてしまった。

  • 著者の自伝。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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