やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.50
  • (127)
  • (254)
  • (529)
  • (31)
  • (4)
本棚登録 : 2443
レビュー : 174
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062634373

作品紹介・あらすじ

初めてプリンストンを訪れたのは一九八四年の夏だった。F・スコット・フィッツジェラルドの母校を見ておきたかったからだが、その七年後、今度は大学に滞在することになった。二編の長編小説を書きあげることになったアメリカでの生活を、二年にわたり日本の読者に送り続けた十六通のプリンストン便り。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 村上さんはずっと好きだけどエッセイは敬遠してて。

    なのに何のタイミングかわからんが、急に読みたくなってエッセイ買いあさりながらインタビューやアンダーグラウンド読み。

    さらに押入れの箱の中から村上さんの本全部引っ張りだしていたら、やがて哀しき外国語、出てきたわ笑笑
    何、20年も前に読んでたんかい。
    そういうわけで今手元に2冊ある…

    あの時に気づかなかったことが本当に多い。
    本当に読んだのかいな?
    いやいや何を読んでいたんだろうね?
    当時は曲がりなりにも英語を学ぶ学生だったので、普段は読まないエッセイの中でもこれを選んだ…てのはわかるんだけど、え、ほんとに読んだの?めちゃめちゃ面白いのに!その面白さに全く気づけてなかった。

    日本語でも話すの苦手なのに、ましてや英語なんか話せるわけがない。
    アメリカのこと全般…例えば妻も何か「して」いて当然である雰囲気とか、東側と西側の考え方の違いとか、いろんな国から流入してきた人々の職業と出身国の関係とか、本当いろいろ。

    もちろん、作品は一通り読んできたし今更ながらエッセイも買い集めてて、

    なんと!ここへきて、私はファンレターがかきたいなって思った。20年前に読んだときも大好きだったし20年間ずっと大好きだけど、あの時と今とどう感じかたが違うかを買ってきた便箋に「コリコリと」うめて送りたい。
    実際本気でネットでファンレター送り先とか調べちゃった。

    すごく好きになっちゃった。
    (ものすごく遅い。

    だから村上さんが昔何回も読んだという中央公論の世界の歴史を私も読んでみようと思ったらなんと全15巻もあってまず挫折しそう。
    でもジャズとか…?
    全然わからない。
    カーヴァーとかフィツジェラルドとか読んでみる?
    道のり長い。

  • 1991年(ご本人が42歳)から二年半アメリカのニュージャージー州に住んでいたころ(ちなみにその後はマサチューセッツ州ケンブリッジに二年在住)のエッセイ集です。

    エッセイのひとつで、学生時代にジャズ喫茶を経営していたというのは知っていましたが、そこからの村上さんとジャズの関わりや好きなものを仕事にすることについて読めたのがかなり意義深いものでした。

    そして、外国語学習に関するエッセイで紹介された「外国人に外国語で自分の気持ちを正確に伝えるコツ」。

    (1)自分が何を言いたいのかということをまず自分がはっきりと把握すること。そしてそのポイントを、なるべく早い機会にまず短い言葉で明確にすること
    (2)自分がきちんと理解しているシンプルな言葉で語ること。難しい言葉、カッコいい言葉、思わせぶりな言葉は不必要である。
    (3)大事な部分はできるだけパラフレーズする(言い換える)こと。ゆっくりと喋ること。できれば簡単な比喩を入れる。

    これは日本語で日本人に伝えるときにも十分生かせるコツなので、活用しようと思います。

    あと、本書にたびたび出た単語と熟語「ヤッピー」「ヒップ」「ドント・テイク・イット・パーソナル」
    ===
    ●ヤッピー(yuppie, YUP)[名]《young urban professionals(若手都会派知的職業人)+-ieから》米国で、第二次大戦後のベビーブーム期に生まれた世代で、都会やその近郊に住んで知的職業に就いているエリート青年をいう。
    ●ヒップ[形動]流行の先端を行くさま。「ヒップな時代」「クールでヒップなファッション」
    ●Don't take it personal. →あまり気にしないでね(君個人のことを言ってるんじゃないよ)
    ===
    覚えておこう。

    フィッツジェラルドのお孫さんのエピソードで僕が関心を持ったスコット・フィッツジェラルドの『華麗なるギャツビー』はじめ、村上さんが紹介した「サイ*パス」映画や何度も観たという映画などいずれじっくり鑑賞してみようと思います。

  • アメリカは2度旅行したことがあるのみ。自由のイメージが強いけど、以外と形式重視のところもあるんだなぁ。といってもアメリカは広いか。
    ジャズや車などあまり興味のないところもあった。

    2019.3.16

  • ★3.5だがおまけで。
    外国に住むと否が応でも、日本や日本語に自然と対峙してしまうのかもしれませぬ。当方、外国に住んだことがないので正直分からないのですが、しばしば当方のご主人様が「1年に1回は海外(厳密にはヨーロッパかも知れませぬ)に行って、minorityを感じるべき」とよくのたまっておられます。もしかするとこの感想は本書で触れられている感性と相通ずるものがあるかもしれず。いや、こういうと調子に乗りますからなぁ、、、

  • 久しぶりに読んだ村上春樹、やっぱり面白い、本人の作家観にも触れていて良かった

  • やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

  • アメリカに住んだ村上春樹の第二、第三印象にあたる深いところのアメリカの印象を綴った書。旅行者の目には決して見えないアメリカ人の生の様子が垣間見える。差別意識一つとっても、その微妙な表し方はなんとも言えず、ただ微妙としかいえない感じだ。興味深く読了した。

  • 村上春樹さんが1991年初頭から2年半にわたってニュージャージー州プリンストンに滞在された時のことを書いたエッセイ。湾岸戦争とかビル・クリントン氏が大統領だった頃…の話で、随分前のことではあるのだけど、なかなかに面白かったです。一番面白かったのは、「運動靴をはいて床屋に行こう」の話。海外で6年ほど暮らしながら、安心して任せられる床屋にたどり着くまでの苦労話です。私がここを読んだ時ちょうど美容院に行った時だったのでなんかわかるわ~となりました。そうそう、髪を切ってもらいながらの余計な雑談はない方がいいですよね。アテネの美容室で、髪を洗ってもらったあとに綿棒を2本渡されて、たぶん耳をこれで掃除しなさいという意味なんだろうと思いつつもすぐに鋏を入れられてしまうので掃除出来ずに両手に綿棒を持ったまま困ってしまっている村上春樹さんの図が脳内に描きだされてたいへんウケてしまいました。
    村上春樹さんが滞在されたプリンストン大学には日本の官庁とか会社のいわゆるエリート層の人達も多く派遣されていて、普通なまともな人もいる反面、挨拶するなり自分の過去の共通一次(センター試験ではなかった頃)の成績が何点だったとか役職のポジションの高さを延々とアピールしてえばってくる人がいる…というのには驚きました。そんな人達が国を動かす中心部にいるなんて。ショックですよね。昔のことだし、今は違っていてほしい、けど、かわってないのかも。村上春樹さんもおっしゃる通り、まともな人はまともだと信じたいですね。
    日本を離れ、海外で暮らすことにより、単なる一人のストレンジャーであることを実感できる状況を持つというのはある意味貴重なこと-とおっしゃるところは、私自身も海外に長く住むものとして理屈抜きに、なるほど、そうかもしれない…としみじみ思うところでありました。

  • 上司の勧め

  • ★3.8(3.49) 2015年10月1日(初版1997年2月)発行。著者が1990年代前半米国東部(プリンストン&ボストン)に滞在したときに書かれたエッセイ集。僕もアメリカには通算9年滞在したので、著者の言わんとすることにはかなり共感させられました。確かに外国で生活すると、日本では経験しないことが次々と。誰でも小説なりエッセイが書けそうですね。そこを少しも気取らず、あるがままに伝える著者。小説だけではなく、いや小説以上に著者のエッセイは面白いかも。小説の裏側にある本当の村上春樹に触れられる本ですね。

  • 村上春樹は、頭で理解はするが心には入ってこない気がしてほとんど読んでないのだが、このエッセイは小説から想像させる村上像とは全く違う人間が伝わってきた。意外に体育会系で庶民的で正直で誠実。外国語を話すという作業は「気の毒と言えば気の毒、滑稽と言えば滑稽」よくわかる。エッセイなら他のも読んでみたい。

  • 春樹さんのエッセイ大好きです。
    ブックオフで見つけて購入。
    春樹さんがアメリカで暮らしている頃、私もアメリカにホームステイしたことがあり、親近感を覚えました。
    あの頃は高校生で、アメリカの社会情勢がどのようになっているのか全然知らずに行っていましたが、今となって、そうだったのか~と気づくことが多々ありました。

  • 特に印象に残った個所は下記。
    外国人に外国語で自分の気持ちを伝えるコツというのはこういうことである。
    ①自分が何を言いたいのかということをまず自分がはっきり把握すること。そしてそのポイントを、なるべく早い機会にまず短い言葉で明確にすること。
    ②自分がきちんと理解しているシンプルな言葉で語ること。難しい言葉、カッコいい言葉、思わせぶりな言葉は不必要である。
    ③大事な部分はできるだけパラフレーズする(言い換える)こと。ゆっくりと喋ること。できれば簡単な比喩を入れる。
    (本文179頁)
    上記は他者に伝達する必要がある場合、応用のできるポイントと思います。

  • 2017.01 本棚整理のため8年ぶり再読。

    プリンストン時代のエッセイ集。

  • エッセイ。
    あまり好き好んで読むジャンルじゃないけれども、大好きな村上春樹なので、いまさら読んでみました。
    読んでみるとエッセイでもやっぱり村上春樹でした。実に面白かった。

    それにしても、特にテーマもストーリーもないとりとめのない日常に感じたことを読ませる。
    あたりまえだけれども、それって凄いことです。

  • 「アンダーグランド」前の作品が好きなので、安心して楽しみながら読めた。〈男の子〉の話は特に。オイラもそうありたいと思う。〈女の子〉の三つの条件も欲しかったな。年齢に関係なく〈男の子〉〈女の子〉であり続けている人っている。年齢は重ねるけどある部分では成熟しない部分を持つ人かもしれない。〈男〈女〉だとsexの匂いがするというか大人な感じがする。
    「ロールキャベツを遠く離れて」で労働が最良の教師だったっていう話も面白かった。アスリートで居続けていることも頷ける。

  • 20161107読了
    1997年出版。1991年頃、アメリカのプリンストン大学で過ごした2年間のエッセイ。もう20年以上前のことなのか。自国の文化や慣習と切り離されて暮らす感覚が蘇って…文章のプロってすごいと思う。小説はほんと、申し訳ないくらい好みが合わないのだけど、エッセイは好きな作家さん。
    20170508蔵書

  • ボストンも含めてアメリカ生活が長い自分にとってはあまり響かなかった。当たり前のことが多いような気がしたが、これが原因なのか、書かれた時代が今となっては古いからなのかはっきりしない。多分もう2度と読まないと思う。

  • 私はあまりエッセイを読まないんだけど、知り合いが貸してくれたので、しぶしぶ読み始めたが、これがすっごい面白い。

    私はワシントン州の田舎に住んでるので、こちらwest coastと、村上さんが滞在してたeast coastではほんとに雰囲気が違うんだなー。(もちろん、うちの周りには有名大学なんてないんだけど)
    本の前半はそんな驚きから、後半は共感できる英語の『電池切れ』の話や引越し業者の話で吹き出したり、「よくぞ、そこまで言ってくれました!!」って叫びたくなる話、ショッピングや車の話にも相槌うっちゃって楽しく読めましたー。

    たぶん私が日本に住んでたら、そう感じなかったと思う。
    アメリカに住んでるから楽しく読めたんじゃないかなぁー。

  • 32/327

  • 学校の勉強の出来だけじゃない頭の良さと行動力、それと運もあったのだろうけど、実にうらやましい人生を送っているなぁという感じ。もう絶対に手の届かない夢の世界かな。せめて、久しぶりに早稲田松竹にでも行ってみようかな…

  •  この人とは考え方が合わないなー、ということを頻繁に感じさせられる本だった。
     感じることの一つ一つに大なり小なり違いがあって、時にはまったく逆の見地のようにもなるんだけど、それでも攻撃されるという感覚は無くて、考え方がまるで合わないけどこの人は別に敵じゃないなと思えた。
     ある部分に関しては鈍感が過ぎるなあと思わざるを得なかったけど、おおむね安心して読めるエッセイだったと思う。まったく考え方が合わないし共感しないし好きにもなれないけれど。

  • タイトルになっている話はとくに印象に残っているけれど、他のアメリカでの話どれも面白くて読み終わるのがもったいなかった。ヒエラルキーや元気な女の人の話がよかった。

  • 村上春樹の本は初めて読んだので覚書。靄と霧の話はハッとした。アメリカにいて現地を感じて日本語を考えるのも面白いだろうな。しかしこの倦怠と村上さんの頭の吹き出しを読んでいる感じは何だろう。好きじゃないけど、エッセイからもうちょっと読んでみよう。

  • 「海外生活を始めてしばらくした頃に読んだらいいよ」と勧められ日本から持参しました。90年代のエッセイですが、"アメリカ生活あるある"は大筋で今も同じような感じで、うなずきながら楽しめました。
    そして何よりあとがきに記された文章にとても励まされました。
    以下要約。

    ---外国で暮らすことのメリットのひとつは、自分が単なる一人の無能力な外国人、よそ者(ストレンジャー)でしかないと実感できることだ。差別されたり、あるいは部外者として理不尽な排斥を受けたりする目にあうのは決して無意味なことではない。たとえ弱者としてであれ、無能力者としてであれ、そういう風に虚飾や贅肉のないまったくの自分自身になれることができる(あるいはならざるを得ない)状況を持つというのは、ある意味で貴重なことではあるまいかとさえ感じている。
    自分にとっては自明性を持たない言語に何の因果か自分がこうして取り囲まれているという、その状況自体がある種の哀しみ似たものを含んでいる。そして日本に戻るとまた自分が自明だと思っているものは、本当に自分にとって自明のものなのだろうかと不思議に哀しい気持ちになる。僕らはみんなどこかの部分でストレンジャーであり、僕らはその薄明のエリアでいつか無言の自明性に裏切られ、切り捨てられていくのではないかという懐疑の感覚は、一人の人間としてずっと抱えて生きていくことになるだろう---

  • 本棚整理してたらつい読みはじめて、読破してしまった。

  • 村上春樹のエッセイも面白いよ、と聞いて借りてきた本。
    確かに面白かった。。。でもヨーロッパのエッセイはもっと面白いらしいとも聞くので読んでみたい。
    いや、その前に小説もまだ読んでないの多いので読まないとだけど。

  • 村上春樹の小説というものはあまり好きにはなれない。というか他の小説と何がそんなに違うのか、ということが気になりすぎて純粋に楽しめない、と言った方が正しいか。しかし彼の生い立ちや特に本書での外国での生活や文化に対する考え方というものは非常に共感できるところがあった。海外文学に傾倒し、洋書の翻訳も手がける村上が外国語というものが結局苦手だと告白した所に驚いた。もちろんだから出来ないというわけではないが、外国語に対する姿勢というものが今の自分にとっても参考になるものであった。要するに下手は下手なり自分の気持ちを伝えたらいいのだ、という点である。村上でさえ意思疎通が十分にできず、全く理解されないことも多々あるという告白は少なからず自分にも安堵感のようなものを与えてくれた。ノーベル賞候補のかの村上春樹でさえもたかが英語ごときで四苦八苦しているのだという事実は英語の習得に悪戦苦闘している自分にもまだまだ努力の余地があるということか。

  • やっぱり村上春樹のエッセイは面白い。
    まるで自分も村上春樹の目を通してプリンストンに滞在しているかのような疑似体験。

  • アメリカで全力で走った。その時にわかる。

全174件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)のその他の作品

村上春樹の作品

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする