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- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062635325
感想・レビュー・書評
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約15年前に読んだものを再読。
遊女がオランダ人のスパイをする話、ということが印象として残っていた。
著書は登場人物の人間部分を掘り下げたり、人情や恋愛を描いたというよりは、江戸後期の混乱の一つを取り上げた歴史小説である。歴史の教科書に出てくる人物が出てくることから、なかなか興味深い。
完結させる前に著者が亡くなってしまったということで、残りの構想を著者の父が覚書として残している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長崎出島での薩摩とオランダの密貿易を探る近藤重蔵、近藤を恨みながらも手先にならざるを得なかった高梨せきこと遊女照葉がメインになるのかな。
貞操を守るために殺人を犯し、その罪で遊女に堕とされた高梨せきが昔思っていた男の名村恵介と出島で出会い、過去を断ち切るために取る行動とか、流刑の父を救うために近藤の手先となり、カピタンの女になるところとか…悲惨な人生に同情。
話自体は未完なので結末は何とも言えないけれど、探索物のような人情物のような恋愛物のような、色々な要素が入り組んでいて読んでいて楽しめた。